二年生の夏休み


中学二年生、高校二年生の夏休みは

良い意味でも悪い意味でも余裕があり、

気楽に過ごせる夏休みとなります。



特に中高一貫校生は、

一年次の進級した経験と、

三年次はなんとか進学はできるだろう

という油断とで、特に不安もなく、

遊びに趣味に充実できる

夏休みとなります。



多くの生徒を見てきましたが、

大抵の方がこの夏休みが

分かれ目となります。



確かに、一年次には、

どんなに成績・テストの点数が

悪かろうが、進級できる、

しやすいのが現状です。



逆に進級できないほどの

成績・テストの点数を

取ってしまった方、

つまり留年してしまった方は、

この一学期を経て、ほとんどの方が

学校を変えるか、辞めるかだと思います。



一番問題なのは、ギリギリ進級

できてしまった方です。



二年次の一学期にどんなに

成績・テストの点数が悪かろうが、

“進級できた”経験から、

おそらくこの夏休みは、

勉強しなくても

大丈夫だと思って、

遊びます。



中学生の場合は、三年に進級できないことは

ほとんどありませんので、いくらこのままだと

ダメだよと言っても耳を貸さないのが

現状だと思いますが、一つだけ言わせて

頂きますと、三年に“進級”はできても、

高校に“進学”はできないと予言して

おきます。



“進級”ができた自信からなのか、

ほとんどの方がこの言葉を信用しませんが、

そうやって一年前に遊びほうけた三年生が、

今苦しんでいることをお伝えしておきます。



中学生の場合、先生・親御さんに

何をどう言われようが、確かに

3年生まで進級できます、いや、

できてしまう、させてもらえるのが

現状です。



これは大問題だと私は思うのですが、

中学3年生まで進級を“させて”しまうがために、

中学3年から高校への“進学”の際に、

どん底に落とすような仕打ち・システムに

なっているのが、中高一貫校の特性です。



進学校・受験校であれば、受験で自分の学力に

合った高校を選べるので、進学の幅が広く、

また本当に自分に合った高校・大学へと

進むことができます。



ですが、中高一貫校では

この自由がありません、

自分の学力に合った学校ではなく、

学校の学力に、自分を合わせる

必要があり、その学力に合わなければ、

辞めて頂く、システムになっております。



反面、学校の学力に合わせてさえいれば、

受験のストレスや不安もなく、

学校生活も十二分に楽しめる利点もあります。



一概にどちらがいいとは言えないと思いますが、

どちらも本来であれば、学年終了時に、

その学年で学ぶべき最低限のことを

学ばないのであれば、中学生、いえ、

小学生の段階であっても、

留年させるべきだと私は思います。



これは厳しいことかもしれませんが、

長い目で見れば、それが本来の教育

となるかと思います。



前の学年で覚えなかった、

習熟できなかったことを、

残したまま、上へ上へと

押し上げてしまうことで、

最終的に“格差”が広がります。



これが社会全体に蔓延しますと、

格差がそのまま貧富の差になることが

懸念されます。



そこまで大きなことのように

考えなくとも・・・と思いますが、

こういったことの積み重ねが、

大きなゆがみになるのではないかと

私は思います。



話が少し脱線しましたが、

中高一貫校の二年生で、

なんとか進級した、なんとなく

進級できてしまった方は、

この夏休みをどうかよく考えて

過ごして下さい。



中高一貫校生は受験がないので、

勉強しろ、勉強しろと

うるさく言うつもりはありませんが、

少なくとも、自分が今のままで

進学できるのか、進学した後、

留年しないように過ごせるか、

をよく考えてみて下さい。



何をばかなこと、そんなの関係ない、

二年に進級できたんだから、

三年にも進級できるし、

進学もさせてくれるだろう、

などと考えていると、

“進学”は厳しいものとなります。



その考えの人たちが、

今まさに不安で震えています。



成績悪かったあの先輩ですら

進学できたんだから

自分も進学できる、

進学できなくても

他の高校に行きます、

別に(今の学校の)高校に

行けなくてもいい、

と強がって言う方もいますが、

内心はそのまま(今の学校の)

高校に行ければ、どんなに楽か、

どんなにいいか、と思いながら、

一年前・二年前の自分自身に

後悔しています。



中学二年次に危機感を持って、

貯金を作る、勉強の仕方、

テストの点数・成績の取り方を

学んでおこうという意識がないと、

仮に進級できたとしても、

仮に高校に進学できたとしても、

必ず苦しむことになることを

予言しておきます。



予言といっておりますが、

これは40年間中高一貫校生を

見てきた中での、毎年毎年見てきた

事実でもあります。



自分にはそれが当てはまらない

と言えるだけの、成績とテストの点数、

学年の順位を取っておいて下さい。



ぜひ、二年生は、この夏休みに

よく考えてみて下さい。