減っていく選択肢


無限の可能性、将来、未来を秘めている

子供達にとっては、皮肉なことかもしれませんが、

今後、情報化、記録化が進めば進むほど、

選択肢は減っていくことが予想されます。



昨今、あれもこれもどれもと、

一見すると様々なもの・ことを、

『選べる』ように見えて、

実際は、それら個別に突出した方が、

一人勝ちになっていき、むしろ

あれもこれもどれもと手を出した方は、

『器用貧乏』となって、何でも出来るけど、

そこまで出来ないというジレンマに

陥っていくと思われます。



様々な習い事や部活動、夢などを

馬鹿にする、否定するわけでは

ありませんが、情報化、記録化が

進むと同時に、科学化、それも

理論化が進んでいて、そういった

特殊な情報や技術はもちろんのこと、

恩恵を受けれる環境になければ、

素人が逆立ちしても敵わないという

時代になってきているように思えます。



昔であれば、趣味にちょっと毛が生えた

くらいの腕前でも、そこそこの実力を

身につけ、その道に転身することは

もちろんのこと、二足のわらじでも

プロ顔負けの実力を持つことも

出来たように思えます。



しかし、今は、専門的なことに

なればなるほど、より高度な、最新な

情報と科学技術、理論を知り、勉強して、

継続して努力してきている方に、

追いつけなくなっているように思えます。



科学技術などの世界で懸念されている

『技術的特異点』という概念がありますが、

個人的には、これは科学技術だけでなく、

多くのもの・ことにおいて、すでに特異点が

出てきているように思えます。



詳しく検証したわけではありませんが、

もうすでに映画や本などのメディアにおいて、

『全ての作品』を網羅した、見た、読んだ

ということは不可能でしょう。



有名どころをかいつまんでや、

あるジャンル、ある作者、ある傾向における

作品においては、網羅し、専門家になれる

かもしれませんが、そこから他のもの・こと

までも含めてというのは難しいでしょう。



今、現在、現存してきている

『記録』『情報』だけでも、

こういった特異点化して

きていることを考えると、

今後、加速度的に増えていく

『記録』『情報』までも、網羅し、

専門的に知る、知識を蓄えるというのは、

人生半ばまで、あるいは一生をかけても

難しいとなっていくと思います。



学生の皆さんの身近なところで言えば、

ゲームや漫画、アニメなどが、そういった

特異点を感じられるものだと思います。



いかがでしょう、皆さんが好きだと思う、

知りたいと思う、学校の勉強より楽しいと思う、

『それら』において、専門家、つまり、

ジャンルや作者などにこだわらず、網羅し、

知識や技術を習得し、それらを

披露できますでしょうか。



情報化、記録化が進む昨今では、

物理的に、時間的に、

“もう”無理だと思います。



おそらく、人生を“それだけ”に賭けても、

上記したように、30年、40年、

さらには50年、60年とかけても、

『全て』を見る・知ることは

できないでしょう。



何が言いたいかというと、

ゲームや漫画、アニメなどは

楽しいでしょうし、見ていて、

やっていて、『無限』に出来る、

見たい、やりたいと思う作品は、

『たくさん』あるとなっても、

それらを仮に厳選して『選択』したとしても、

もしかしたら、人生の大半をかけても、

見ることが、やることが出来ないと

なるかもしれないということです。



それも、“暇つぶし”程度にやっていて、

それを好きだ、それが良いと

考えている限り、その『選択肢』は

どんどん狭まっていくことになるでしょう。



もしかしたら、もっと面白い、楽しい

作品がまだまだあるかもしれませんし、

出てくるかもしれないという意味では、

無限の可能性があり、一見すると、

無限の『選択肢』が用意されているように

思えるかもしれませんが、

それも『自ら』時間を作って、

行動して、やってみないと、

強く思った、長く願った、深く考えたで、

終わってしまうことになり、

それを見る、やる『選択肢』が

無くなっていくことになります。



無限の可能性があるということは、

無限の選択肢が用意されているとも

言えますが、その『選択』を自ら動いて、

試して、学んで、習得・修正して

いかなければ、物理的に、時間的に、

選択が消えていくことになります。



学生時代、小学校から大学までと

考えての16年間において、

皆さんが何を選択し、

何を学んでいくのか、

身につけていくのかは

皆さんの自由ではありますが、

それが“暇つぶし”程度で終わっていき、

もしかしたら、あったかもしれない、

別の『選択肢』を失うことのないように

祈ります。



学校の勉強、成績“だけ”が

人生ではありませんが、少なくとも

私立校・中高一貫校生は、

その通っている学校で、

進級・進学していきたい、

その『選択肢』が欲しい

というのであれば、

あれもこれもどれもと

手を出すだけの余裕が

本当にあるのかどうかを

よく考えることをオススメします。



受験無く、進級・進学出来る

私立校・中高一貫校で、

進級・進学する“条件”は、

学校の勉強、テスト、成績の

『結果』のみです。



進級・進学の『選択肢』を

得たいのであれば、そのことを意識し、

覚悟をもって過ごされることを

オススメします。