進級・進学に間に合うかどうか


記録されていく『結果』で

進級・進学が決まる

私立校・中高一貫校において、

今後は、進級・進学できるか

どうかというよりも、

間に合うかどうかとなっていく、

いえ、もうなってきていると

思われます。



今、進級・進学できるかどうか

という意識、感覚は、まるで

受験のように、一回のテスト、

結果で、ひっくり返せる

イメージになっていると思います。



しかし、今の私立校・中高一貫校の

教育現場の実状は、記録されていく

『結果』=成績もそうですが、

何よりも、基礎学力、知識を、

『取り戻せるかどうか』という

問題になっています。



そして、それは、イコール、

通っている学校での

進級・進学だけでなく、

最悪受験となった時においても、

いえることになってきていると

思われます。



昔は、進級・進学できるかどうかの

意識、感覚が、上記するように、

三年次二学期までに、成績的に、

学力的に、『間に合うか』

『見合うか』となっていたと思いますが、

今は、度重なる呼び出し・面談で、

意識、感覚が鈍ってきた、薄らいできたのか、

まるで一回ひっくり返せば、それで、

全て許される、上手くいくと、

考えているかのように過ごされる方、

失礼ながら、これは親御さん、

ご家庭の方でも、そうした意識、感覚に

なってきているように思えます。



昔であれば、早い段階で早々に

見切りをつけると言いますか、

このままで、上手くいくことはないと、

判断・決断し、転校させるまでは

いきませんが、成績、学力低下の

原因になっていることを辞める、

辞めさせる、強制的にでも、

勉強にシフトする、させる方が

多かったように思えます。



しかし、今は、あわよくば、

良いとこ取りして、

しがみ付いていれば、

温情で恩赦で、

何とかしてもらえると、

考えている方が多くなって

いるように思えます。



漫画やドラマ、映画のように、

いつか、どこかのタイミングで、

気付ければ、覚醒すれば、

すべてうまくいくという意識、感覚

かもしれませんが、それは今の

情報化、記録化の時代、ましてや、

記録されていく結果で進級・進学が決まる

私立校・中高一貫校においては、

逆行している考えとなります。



そうした一発逆転、

いつかどこかのタイミングで、

全てをひっくり返すつもりであれば、

受験なく進級・進学が決まる

私立校・中高一貫校ではなく、

受験、最終的に、大学受験での

一発逆転を見据えた

学校に通うべきだと思います。



ところが、昨今、教育改革の不安からか、

安易に私立校・中高一貫校を選んだ結果、

授業の進度の早い、宿題の多い、

環境・状況についていけずに、

基礎学力をどんどん落としていく方が

増えています。



高校・大学付属の

私立校・中高一貫校の場合、

内部進学率を極端に下げることは

しないとは思いますが、

実質、そうした状態の方が、

内部進学しても、結局は、

留年、中退となっていくことに

なります。



いつかどこかのタイミングで、

というのは、『待ってくれる』、

そして、『一発逆転』で

『全てをチャラにできる』ことが

前提です。



私立校・中高一貫校の内部進学においては、

確かに内部進学出来れば、勝てば官軍、

一発逆転のように感じられますが、

その間に記録された『結果』は、

そして、修学すべき基礎学力、知識は、

『待ってくれて』いませんし、

仮に内部進学出来たとしても、

その先に待っているのは、さらなる

負担が増えていくだけとなります。



四則計算がおぼつかない、

分数・少数の計算が苦手、

出来ないで、中学に上がれば、

そのことが原因で、

テストで点数を落とし、

成績を落とし、何よりも、

授業についていけずに、

基礎学力、知識をどんどん

落としていくことになります。



方程式の計算、英語の動詞の使い分けが

できないなども、高校に上がってから、

それらが出来ないなどは論外となります。



さらにそのまま、

内部進学出来たとしても、

より高度な専門分野のことを学ぶ

大学の授業に、勉強についていく

ことは出来ずに、何年留年しようとも

卒業できないということになります。



こうなると、もう、『現役中』に、

学力、知識、勉強の『取り戻し』は

困難となります。



どんな大学だろうが、何年かかろうが、

大卒の資格を得てくれれば良い

というのであれば、大学を“選ばなければ”、

現役に“こだわらなければ”、今の時代であれば、

大卒の資格を得ることが出来ます。



しかし、通っている

私立校・中高一貫校レベルで、

“現役”で、となると、基礎学力、

知識はもちろんのこと、

記録されていく『結果』を、

その学校の進級・進学要綱、

基準に、2年半の間に、

『間に合わせなければ』、

現役での進級・進学は

もちろんのこと、

受験にも間に合わないと

なります。



各学年、各学期の学校・先生からの

呼び出し・面談においての

『このままでは進級・進学できません』

というのは、

『進級・進学に“間に合わせる”

 気がありますか』と

問われていることになります。



次のテスト、成績で、点数を

『ちょっと上げた』、成績で、

1、不合格を無くしたから、

『帳消し』になります

というわけではありませんので、

気を付けて下さい。



すでにこの時期に、実際に授業を、

テストを受けている生徒の皆さんは、

時間的に、学力的に、『間に合わない』

ことがわかってきているとは思いますが、

親御さん、ご家庭の方は、

まだ何とかなると、タカをくくって、

来年、さらにはその先の将来・未来を

見据えての判断をせず、今だ、あわよくばを

狙っていることが多いです。



そうして、ずるずると

泥沼化していけばいくほど、

通っている学校での進級・進学は

もちろんのこと、進学出来ずに

受験になっても『間に合わない』

ということになります。



就職氷河期の時に、

就職に間に合った、

そしてお子さんを

私立校・中高一貫校の受験合格に

間に合わせた親御さんなら、

わかっていただけると思いますが、

私立校・中高一貫校での進級・進学は

機会と期間が限られており、

それまでの間に、『結果』=成績を

間に合わせるのは当然ですが、

基礎学力、知識を“間に合わせて”

おかないと、ギリギリ進級・進学出来ても、

苦労・不幸・地獄が続くことになります。



氷河期時代に、“間に合わなかった”方が

どうなったかは、親御さん世代の方のほうが、

より『現場』を、そして、そうなった『原因・要因』を

見てきていると思います。



そうなった方の姿と、お子さんの現状とが、

重なっていないか、よく見て、考えて、

対応・対策していくことをオススメします。