問題を読みながら、手を動かしながら考える


数年ほど前からの生徒の傾向ですが、

問題をよく読み、読み終えて、考えて、

自分なりに結論を出してから、

手を動かす・問題を解く方が

増えてきました。



勉強に対する姿勢としては

良いと思いますが、

これを続けていると、

テストの点数は

確実に落ちていきます。



テストでは時間が限られています。



当然、上記のように

問題を解いていたら、

1問を解くのに、時間がかかり、

最後の問題にいくまでに、

テスト時間が終わって

しまいます。



この癖を持っている限り、

テストの点数を上げることは

難しいといえます。



普段の勉強でも、この傾向にある方は、

意識して直さなければ、仮にどんなに

勉強時間を長くしていっても、

テスト・成績に反映されない

という不幸なスパイラルに

陥ってしまいます。



この癖を直す方法は、

問題を細切れに読んでいき、

わかったこと、理解したこと、

書いてあることを、その都度、

メモ書きしていくことです。



数学や理科などの文章題で

よくわかると思いますが、

できる方は問題を読みながら、

読むと同時に、途中式を書いており、

読み終えた時には、すぐに計算できる

ようになっています。



例えば、連立方程式の文章題で、

こんな問題があったとします。



「文具屋でペンを8本と

 消しゴム10個買い、

 820円支払った。

 しかし、店の人が

 ペンと消しゴムの値段を

 とりちがえて計算したことに

 気づき、20円返してくれた。

 この時のペン1本と

 消しゴム1個の値段を求めよ」



これを全部読んでから、

さてどうしようかと

考えていると、もう遅いです。



「ペンを8本と消しゴム10個買い、

 820円支払った」

この文章を読んだ時点で、

ペンの値段をXにしよう、

消しゴムの値段をYにしようと考え、

「8X+10Y=820」と

ノートや計算用紙に書いておきます。



次に、

「店の人がペンと消しゴムの値段を

 間違えて計算したことに気づき、

 20円返してくれた」の文章を読んで、

ペンの値段Xと消しゴムの値段Yを

とりちがえたということは8Xが8Y、

10Yが10Xになり、左辺の式は8Y+10X。

合計の金額は20円返してくれたのだから、

820円-20円=800円。

こう考えながら、

「8Y+10X=800」

という式を書きます。



最後に、「ペン1本と消しゴム1個の値段を求めよ」

という問いを確認して、読んでいる途中に

書いておいた、



8X+10Y=820

8Y+10X=800



この二つを計算するだけで、

答えが導き出せます。



これが書いてあれば、

難しく考えなくても、

いいはずです。



これが自然とできるようになると、

問題を解く時間は格段と速くなりますし、

普段の勉強でも、解く問題数が増えます。



もちろん、問題をよく読んでから、

解き始める方法が悪いわけでは

ありません。



上記の方法にも、

もちろんデメリットがあります。



この方法をやりすぎて慣れてしまうと、

問いの最後の一文、つまり

「ペン1本と消しゴム1個の値段を求めよ」の

文章を読み飛ばすようになってしまう方が

おります。



この最後の文章が「“ペン1本”の値段を求めよ」

となっている時、この場合、ペン1本の値段だけを

回答欄にかかないと、得点にならないことがあります。



この「文章の最後の問いの部分」を

読み飛ばす癖を持ってしまうことも

問題です。



私としては、

「問題をよく読んでから解く」

「問題を読みながら解く」の両方の

いい面を取り入れて、自分なりの方法で

問題の解く方法を見つけることを

オススメします。



これは、個々人それぞれで

違ってくると思います。



私が見てきた皆さんの先輩方の中では

こういった方法をしていました。



一番最初に文章の最後(解答すべき値・答え)を

確認してから、最初の文章に戻って、問題を

読みながら解く方。


最初からじっくり読みながら、

頭の中で計算式を考えて(覚えておき)、

読み終えたと同時に計算式を

一気に書いて、解く方。


問題を読みながら、大事な箇所・数字に

〇をつけて解いていく方。



これらの方法が必ず皆さんに

あてはまる勉強法・解答法に

なるかはわかりません。



しかしながら、これらの方法に共通する

“問題を読みながら、その問題の解法を

導き出そうとする”ことは

必ず皆さんの実力を上げます。



この意識を持つこと、

その意識を持つために

工夫をすること、

これが一番大事な勉強となります。



ぜひ、自分にぴったり合う、

問題の解く方法を見つけて

試してみてください



それがわかれば、普段の勉強がはかどり、

テストの点数は格段と上がると思います。