私立校・中高一貫校の進級・進学氷河期時代


今の親御さん世代が

就職氷河期世代だったことを考えると、

皮肉なことにその子供達が、

進級・進学氷河期となってきて

いるように思えます。



特に、世の中、社会の動向に

引っ掻き回された就職氷河期同様、

教育改革、部活動などの動向に、

進級・進学、学業が振り回されている

子供達の姿は、よく似ていると思います。



時代は繰り返されるもの、かもしれませんが、

あの時、どうしておけば良かったか、

氷河期時代を経験した親御さんは

『わかる』ことでしょう。



就職に関しては、学校の勉強が

出来たからといって、

優遇されたわけではなかった

と思いますが、進級・進学に

関しては、学校の勉強“だけ”が、

優遇されると言いますか、

審査・評価されることになります。



もちろん、文武両道を体現している方は、

さらに優遇されるようになっていますが、

武一道を頑張ったことが優遇されるように

なっているわけではありません。



都内の私立校・中高一貫校では、

スポーツ科など、武に特化した

クラスが徐々に廃止となっていることを

考えると、武一道に関しては

冷遇とまでは言いませんが、

『考慮』されないように

なっていると思います。



今後、文武両道の推し進めの結果、

高校・大学とで、問題を起こすように

なっていった場合、部活動が、

優遇される時代が終わってくると

思われます。



これに関しても、面白いと思えるのですが、

かつて、部活動やサークル活動で、

遊んできた、楽しんできた、

活動を頑張ってきた世代が、

優遇とまでは言いませんが、

積極的に採用されてきた世代が

バブル時代だったと思います。



そして、そのバブル時代の方が

中高生の親となっていたのが、

十数年ほど前から数年前まで

だったと思います。



その世代の子供達が、大学を卒業した

数年前ほどから、ちらほら、

部活動をしている方の奇行・愚行が

ニュースに取り出されてきたと思います。



さらに今は、ニュースにしやすい、

つまり、『記録』された『動画』などが、

ネットに拡散されて、今まで隠されてきた、

許されてきた、守られてきた、

学校や学生までもが、言い逃れ

出来ないようになってきたと思います。



そうした問題を起こした方が、

進級・進学出来ない、退学になる、

さらにはその先の就職などで、

冷遇されるのは、自業自得、

自己責任だろうと

言えるのかもしれませんが、

問題を起こしたわけではなく、

ただ、学校に、親御さんに、

勧められるがまま、あるいは、

自分が興味を持った、好きになったから、

部活動を頑張った、その結果、

学業が出来ない、ついていけなくなった

という方も、記録された結果で

進級・進学出来ないことになった時、

自業自得、自己責任の一言で切って捨てられ、

『問題を起こした方』や『勉強をやらない方』と

同様の審査・評価を受けることになるのは

どうでしょう。



氷河期時代、そういった

屈辱的な扱いを受けた方は、

多かったのではないでしょうか。



同じことが“たかだか”学校の勉強、

テスト、成績“ごとき”で起きた時、

その扱いは就職氷河期以上に

屈辱的、冷遇的になっていくことが

懸念されます。



今や、高校全入時代と

なってきておりますので、

高校・大学と比較的“楽に”

進級・進学出来るはずの、

私立校・中高一貫校で、

進級・進学出来なかった

ということは、そういった

見られ方をされる可能性が

あります。



就職氷河期時代は、就職活動を

頑張った方も『出来なかった』

『認められなかった』となりますが、

先ほど書いたように、

“たかだか”学校の勉強、

テスト、成績“ごとき”という

認識が強ければ強いほど、

その“たかだか”“ごとき”を

やらなかった方は論外ですが、

出来なかった、やれなかった方に対して、

社会は、世間は、何よりも、今、

そこそこの役職についてきた

氷河期世代の方々は、その経歴の

方々をどう見られますでしょうか。



自分のお子さんに対しては、あるいは

身近な親類の子供達に対しては、

勉強だけが人生じゃない、

“たかだか”学校の勉強、テスト、

成績“ごとき”のことをとやかく言うのは

間違っている、と、思えるかもしれませんが、

赤の他人として、自分の会社に、

自分の部下に、そういった方が

入社されてきた、下についた場合、

どう思われますか。



また、採用する時点、段階で、

他に輝かしい、文武両道や

特殊な才能を伸ばした方々がいる中で、

恵まれた環境・状況にも関わらず、

『やらなかった』、あるいは、

『出来なかった』『やれなかった』

という方を、氷河期世代の方は、

どう評価しますか。



これから数年、おそらく

氷河期世代の方々は、自分たちの

失敗を避けるかのように、

お子様には最高の環境を、

最高の進路を歩んでもらおうと、

私立校・中高一貫校を選択する方も

多いかと思います。



そのことで、さらなる悲劇へと

進むことのないように、

いつ、どのタイミングで、

どうなったら、どうするのかの

判断・決断を見誤らないように

しておくことをオススメします。