勉強する姿勢


先生や親御さんの中には、勉強する姿勢を

見せろという言葉を使うことがあると

思います。



言葉だけ聞くと、目に見えない

やる気や根性、努力、意欲を出して、

なんとなく頑張ればいいと思われると

思います。



私個人も、そういう気持ちを持って、

そういう態度をもって、勉強に

励むことだと思っておりました。



しかし、ある講師の方が、

その勉強する姿勢を

具体的に、的確に、

目に見える形で、

生徒に説明・指示したので、

今日はそのことを書きたいと

思います。



その先生は理系の先生で、

実に現実主義的な考えをもった方です。



生徒に対しても、少し厳しいかなと

思う口調で、指導を行うので、

生徒からは少し嫌われている

かもしれませんが、彼の説明は

非常に的を射ているため、

生徒も言い訳しにくいようです。



話がそれましたが、

その講師の方が言っていた

具体的な“勉強する姿勢”を

書きたいと思います。



まず、机の上をきれいにする。


勉強するのに必要のないものは置かない。


次に、両手を机の上に置く。


机の下に手をもっていかない。


頬づえをつく、手を口元にやって

考えるポーズをするなどしない。


常に手は机の上に置いておく。


ペンを握ったら、勉強をやりきるまで、

問題を解ききるまで離さない。

(それこそ、消しゴムを使う時でも

 ペンを離さないようにする)


ペン先は問題または

その上下左右の空白部分に置く。

(思いついたらすぐに何でも

 書けるようにする)


問題を読みながら、問題文で

ヒントが書いてある箇所を

チェックする。


図やグラフには、問題文のヒント、

自分が考えたことを必ず書き込む。



これが勉強する姿勢、正確には

“他人に勉強しているように

見せることのできる姿勢”だそうです。



皆さん、いかがでしょうか?

学校の授業を受ける時、

家で勉強をする時、このような姿勢で

授業を受けていますか、勉強していますか?



実にわかりやすいことで単純なことですが、

この一つ一つの行動は、他人から見て、

勉強しているように見えるか、

見えないかということの指標になります。



言われてみれば、授業中、

両手が机の上に出ていない、

問題を解くのに、ペンを持っていない、

問題文を読んでも、何も書かない。



そういう生徒は、傍から見ていると、

“勉強していない”、または

“勉強する気がない”ように見えます。



おそらく当の本人は、

本気でやる気になって、

一生懸命考えて、

答えを導き出そうと

しているのかもしれません。



しかしその結果、ペンを置いて、

手を口元にあてて考えるポーズを

取ったり、頬づえしながら

眠そうな眼で問題を見ているのでは

先生、親御さんから見て、

勉強しているとは映りません。



ペンを置くという行為は、

医者がさじを投げるのと同じ、

少なくとも他人からみたら、

問題を解くのを、勉強するのを

あきらめたように見える

行為だと言えます。



昨今の漫画やドラマで、

頭のいい格好いい主人公が、

物事を考える時に格好よく

ポーズをとっていますが、

講師の方に言わせると、

学校の、教科書の、問題集の

問題程度で、そんなポーズをとるのは

十年早い、大人になってから

嫌というほど、考えることが

多くなって、初めて自然に

出てしまうものだそうです。



最近の生徒に流行しているのが、

この“ペンを置いて”“考えるポーズ”を

とることです。



講師の方は、そのことを

非常に懸念しておりました。



考えることそのものは悪いことではなく、

むしろ非常に良いことです。



しかしその結果、最悪の事態を

招きかねないことがあります。



講師の方に言わせると、

そういう生徒は

「時間をかけて、

 答えを間違える」

傾向が強いそうです。



確かに、生徒の中には、

じっと問題を見つめて、

頭の中で“答え”が出てくるのを

待っている方がおります。



実際には、頭の中で、いろんなことを

思い出したり、考えてみたりして、

色々な方法を試しているのでしょうが、

それは他人から図ることができませんので、

結果だけ見てしまうと

「時間をかけて、答えを間違える」

ように映ってしまいます。



これは、テストにおいて、

最悪の状態です。



時間をかけるだけかけて、結局間違える。



もっと時間があれば、他の問題を

解けていたのに、一問一問を

時間をかけて間違えていくので、

どんどん点数が下がってしまいます。



自分は頑張っているんだ、

先生・親御さんに言われなくとも、

自分の頭で、先生・親御さんが

思っている以上に考えている、

勉強していると思う方は、

上記の方法を試して、

頭の中だけで考えることを

止めてみてください。



そんなことで、と思うかもしれませんが、

意外にも、先生や親御さんには

効果抜群の勉強してますアピールに

なると思います。



ぜひ、試してみて下さい