テスト前週末でも部活動?


昨今、部活動の活動日・時間が

取り沙汰されていますが、

そのほとんどが、『学校の先生』の

時間外勤務についてであり、

その日数・時間が、『学校の先生』を

苦しめているという内容が多いです。



そのことは確かに、『働き方』における

大問題ではありますが、それより何よりも、

『基礎学力』『基礎知識』を落している、

抜けている『生徒』が、勉強や学業よりも、

部活動を“優先”していることのほうが、

問題であると私は思います。



もちろん、青春時代を謳歌し、

勉強以外の“何か”に、熱中し、

集中し、多くの経験をし、

多くを学ぶこと『自体』は、

素晴らしいことだとは思います。



ですが、昨今、そのことで『許される』と

考える方が増えてきたことが問題かと思われます。



文武両道の推奨からか、特にスポーツなどが

推進されてきているように思えますが、

同時に、学力の低下が伴っているようにも

思えます。



一昔前までは、頭まで筋肉バカと

揶揄されることが多かったスポーツも、

今では科学的に、戦略的に、

知的活動を求められるようになり、

目的を達成するための努力や計画、

実行力や知識を得る素晴らしい“経験”が

できるようになったとは思います。



しかし、失礼ながら、多くの方が、

面倒で嫌な『勉強』から

“逃げる”ために熱中し、努力し、

“ソレ”に青春を、人生を

賭けているかのように、

美談にしたがっているように

思えます。



本当に、本気だというのであれば、

その道のプロにでもなるというのであれば、

そのスポーツをするのに整っている

『環境』『学校』に身を置くくらいの

覚悟と行動力が求められることでしょう。



特に、昨今、先ほども書いたように、

スポーツの世界でも科学化が進み、

論理的に、合理的になっていることを

考えると、今後もこの傾向は

強くなっていく一方で、ある程度の

『線引き』『クラス分け』が

行われるようになっていくと思います。



そうなった時、そもそも、

そのクラスに“なれない”方は、

早々に見切りをつけないと、

『その世界』“でも”落ちこぼれ、

学業、勉学の道においても、

落ちこぼれてしまうことに

なると思います。



こういう批判的な、可能性を

否定するかのような書き方、言い分は、

今の時代にそぐわないのかもしれませんが、

“むしろ”情報化、記録化、科学化が進む

これからの世の中は、『数値』『数字』が

それを示すようになると思います。



私立校・中高一貫校は昔から、そういった、

スポーツをするのに整っている『環境』を

整えやすく、強豪校になることが多かったですが、

それは一部の学校で、スポーツ科などがあることが

条件となっていました。



しかし、こういう書き方はまた

批判を受けるかもしれませんが、

公立や一般の学校の弱体化によって、

“ちょっと”した設備・環境が

整っている私立校・中高一貫校の

『普通科』の方でも、目覚ましい活躍を

できるようになったために、

“文武両道”を推進することで

宣伝としたい私立校・中高一貫校との

思惑が合致し、結果としてここ数年、

本当に文武両道を体現する方が

増えてきたと思います。



その反面、設備や環境の整っていない学校では、

根性や精神論で、つまり物理的な『時間』によって、

それをカバーしようと、躍起になったのでは

ないでしょうか。



そして、その効果が出てきた時、

私立校・中高一貫校でも、“同じよう”に、

『時間』をかけるようになって、

常勝を保つようになったように思えます。



こう書くと、生徒や子供達をダシにして、

大人の思惑が暗躍したかのように見えますが、

失礼ながら、この思惑に、生徒や子供達、

親御さん、ご家庭の方も、『乗っかって』

いることが多いです。



生徒や子供達からすれば、『それ』で、

面倒で嫌な『勉強』を避けることができ、

親御さんやご家庭の方からすれば、

19時、20時近くまで、手のかかる時期、

反抗期の子供達を、『託児』することが出来て、

楽という考えもあると思います。



部活動の問題に関して、今は、

学校の先生の勤務時間外の

活動だけが問題となっていますが、

私立校・中高一貫校の生徒、失礼ながら、

著しく学力を落した生徒を見てきた

当塾から見ると、多くの問題が

見え隠れしているように思われます。



生徒や親御さん、ご家庭の方が、

『平気』で、当たり前かのように、

『部活動で忙しくて』“勉強できない・やれない”、

『家に帰ると、疲れてしまって』“宿題すらできない”

『朝練があって、授業中は眠くて』“寝てしまう”という

『相談』や『嘆き』をよく聞きます。



であれば、部活動が、学生の本来の本分、

『勉強』に悪影響しているのですから、

『辞める』か『休む』のどちらかを

選択すべきだと思います。



しかし、こう進言しますと、

生徒はもちろんのこと、

親御さん、ご家庭の方は『渋り』ます。



冒頭に書いたように、青春時代を謳歌し、

勉強以外の“何か”に、熱中し、集中し、

多くの経験をし、多くを学ぶこと『自体』は、

素晴らしいことであり、その経験を無下にする、

奪うようなことは出来ないという考えも

あるのでしょう。



確かに、可能性を否定するような、

頭ごなしな教育や育て方は、

“良い”とは言いません。



ですが、本当に優先すべきことが、

浮ついている、ふらついているようであれば、

何でもかんでも、可能性を“肯定する”“追いかける”ことは、

あまり推奨できるものではありません。



学校での定期テスト、平常点、成績で

進級・進学が決まる私立校・中高一貫校で

『進級・進学』するためには、

勉強することが第一となっており、

求められていることになります。



それも進級・進学できるだけの

『結果』を、限られた“機会”、

14~16回の定期テスト、

8回の成績で『記録』を

“残して”いかなければなりません。



そのことを無視し、通っている学校での

進級・進学だけが、学業、勉学の道に進む

ことだけが、人生じゃないというのであれば、

失礼ながら、私立校・中高一貫校に

通う意味などないでしょう。



また、今後、少子化に伴って、

高校・大学と定員や倍率が

大きく変わることが予想されますが、

それを見越して、多くの私立校・中高一貫校では、

付属の高校や大学がある学校でも、より上位の

高校・大学へと、生徒を合格させることが

できるように、輩出できるようにと

考えている学校が多いです。



当然、そのための『対策』も、

厳しさを増していくことが見込まれます。



そんな中、上記のように、浮ついている、

ふらついている考えで、文武両道、

あれもこれもどれもうまくやって、

あわよくば、出来れば、楽に、気楽に、

楽しく、要領良く、進学したいというのは、

どこかのタイミングで駆逐されることに

なると思います。



多くの私立校・中高一貫校の生徒の

進級・進学問題を見てきて、

昨今非常に多いのが、成績はもちろんのこと、

学力がどんな状況・状態であろうとも、

“絶対”に、部活動や習い事、勉強以外の

“何か”を『辞める』ことはしないと、

させないと、頑ななまでになっている方が

多いです。



失礼ながら、これは、むしろ、親御さん、

ご家庭の方が、強くそう思っていることが

多いです。



親御さんの世代では、頭ごなしな抑圧によって、

謳歌できなかった、苦しかった青春時代を過ごした、

つらい、悔しい経験をされた方も

多かったためかもしれませんが、

『今の時代』なら、もっと自由に、

もっと制限なく、もっとうまく、

勉強を両立させることができて、

素晴らしい文武両道を体現できると

思い込みすぎているように思えます。



個人的な意見となりますが、

『今の時代』は、むしろ昔より、

制限があり、可能性が狭く、

不自由にして、不便なことが

多くなっています。



ネットやスマホなど便利な道具があるため、

今の子は恵まれている、自分たちの子供時代より、

もっとすごいことができる、やれるだろうと

思っている大人の方は多いと思います。



ですが、そのスマホなどを使って、

“遊ぶ”ことや“だらける”ことに長けていても、

そのツールで新しい価値を生み出し、

考え出し、さらには発展させよう、

使いこなそうなどとされている方は

少ないです。



そもそも、大人の方でも、

そういう傾向にあるのですから、

子供達はより強く、その傾向に

なるものだと思います。



また、“若い”子供達なら、柔軟に頭を使って、

自由な発想が出来て、個性あふれる創造力を

発揮できるだろうと思われている方も

多いことでしょうが、なぜか皆さん、

“自分の”子供時代のことを

すっきり忘れていることが多いです。



親や大人から抑圧された嫌な思い出しか

思い出せないということなのかもしれませんが、

そんな中でも自由に、楽に、好き勝手に

出来たことを、なぜ自分がしたのか、

してしまったのか、もっと“柔軟に頭を使って、

自由な発想をして、個性あふれる創造力を

発揮『しなかった・できなかった』のか。



その答えとなるのが、“常に”今の

子供達の姿だと、私は思います。



そして、スマホという便利なツールを

手に入れた反面、今の子は『時間』の制限が、

大人以上に厳しく縛られているように

思えます。



勉強時間はもちろん、睡眠時間を削ってまで、

『ソレ』に夢中になっている姿を見ていると、

そして、部活動など、勉強以外の“何か”を、

『言い訳』にする言動、態度、姿勢を

見ているとなぜか、夢や希望を見失い、

うなだれている大人達の姿に、

重なるように見えてきます。



話が長くなりましたが、部活動に限らず、

勉強以外の“何か”に熱中する方は、

その時間とその先の未来、将来を

よく考えて、どうするのかを、

判断していかないと、いずれ“決断”を

迫られることになります。



勉強、学業、勉学の道に関していえば、

通っている学校で進級・進学するにしても、

受験で目指す学校にしても、

選択肢は狭まることになります。



今行っている、勉強以外の“ソレ”が、

高校・大学に進学する助けになるのであれば、

さらにその先の未来、将来へと道が

拓けるものであれば、青春時代の

貴重な時間を費やしてでも行うことに

意義があると思います。



しかし、“そう”でないのであれば、

まずは高校・大学へと進学するために

必要な、『勉強』をどうにかすることを

よく考えることをオススメします。



少なくとも、学校の勉強、テスト、成績で

進級・進学が決まる私立校・中高一貫校の場合、

それを優先的に考えなければ、

通っている学校で、進級・進学出来ない

“程度”に収まらず、受験勉強に対応するだけの

『基礎学力』『基礎知識』を、

持ち合わせられないことになります。



私立校・中高一貫校で、落ちこぼれてしまうことは

こういった結末までも、悲劇までも生む可能性が

“高い”ということを、親御さん、ご家庭の方も含めて、

よく考えて、なるべく早い決断をオススメします。