部活動を続けたからといって、成績が上がるわけではない


私立校・中高一貫校では、

部活動を頑張ろうが、

趣味を、青春を頑張ろうが、

学校での進級・進学には、

学校での『成績』以外

関係ありません。



部活動は、“進学”の際に

有利に働くこともありますが、

それも、普段の『成績』が

人並に取れていることが大前提で、

取れていないとなれば、部活動は

足を引っ張るだけのものに

なってしまいます。



よく親御さんに

『部活動を辞めたからといって

 勉強するわけではない』と、

相談を受けますが、

『部活動を続けたからといって、

 成績が上がるわけではない』

という現実を無視される方が

増えてきました。



昨今は部活動による『時間の搾取』が

ひどくなってきており、

週5・6日は当たり前、

朝昼晩と練習は当たり前、

授業を休んででも部活動を

優先するのが当たり前と

なってきております。



そうなってくると、生徒も、

『部活動さえ』やっていれば

許される(進学に有利)と勘違いして、

授業中を睡眠時間にあてる方が

増えてきました。



その結果、抜け落ちた知識、

溜め込んだ演習時間、

そのツケが年を重ねるごとに、

取り戻せない状況・状態になって、

気付くと、もう進級・進学が

絶望的になってきます。



しかし、学校・先生は、笑顔で言います。



安心して下さい、まだ次頑張れば

大丈夫です。



その“次、頑張れば”の条件が、

進級・進学要綱の見かけ上の計算で、

可能性がある、未来がある

ということだったら、悲劇となります。



“例えば”の話をしましょう。



5回の定期テストでそれぞれのテスト

“平均50点”取れば良いというのが

基準・条件だったとします。



つまり5回のテストで、合計250点を

取ればいいんです。



すると、極端な話、1回目、2回目のテストと、

0点を取っても、“まだ”基準・条件を

満たすことが出来ます。



3回目のテスト、50点を取っても、

“まだ”基準・条件を満たしますので、

頑張れば、進級・進学できます。



『4回目・5回目』のテストで

“100点満点を取れば”。



これが『進級・進学要綱の見かけの計算上』の“次、

頑張れば”の現実です。



実際は、1回目、2回目と、

20点30点を取っていて、

3回目は少し頑張って50点で、

3回目の時点での合計は約100点前後、

4回目、5回目のテストを

それぞれ、75点以上取れば、

基準・条件を満たす。



これが『次、頑張れば』の

実際の条件だと思って下さい。



この感覚が、昔の生徒は、

誰に言われないでも

わかったようなのですが、

昨今は親御さんも含めて、

その感覚がなく、その場その場の

テストを凌げば、最後の最後で

帳尻合わせれば(平均点・50点を

クリアすれば)、大丈夫でしょうと

タカをくくって、その合計点や総合点を

無視した結果、いやいや、

基準を、合格点を満たしていませんよ、

進級・進学できませんよとなります。



これがあるから、一学期から、

一学期中間テストから、

“テストで点数を取ること”を

“成績を取ること”を、

推奨しているのですが、

昨今は悠長に構えて、

『与えてもらえるのが

 当たり前』という

言動・態度・姿勢の方が

多いです。



その上で、部活動は辞めない、

趣味は大事、遊ぶのも青春と

言い始めたら、横柄を通り越して、

強欲、我侭、自分勝手と言えるでしょう。



私立校・中高一貫校では、

『選択』の瞬間を間違えると、

修正が難しくなります。



それは、『記録された成績・数字』が、

その選択の結果として、

進級・進学時まで残り、

その成績・数字を総合的に

判断(合算、平均化)されて、

基準となるボーダーを

越えているかどうかを

測られるからです。



いやいや、高校2年次の冬から、

真面目になった、やる気になった、

さすがに勉強するようになった。

だから・・・



で、私立校・中高一貫校は考慮しません。



過去の記録された「数字」は

変えられませんとなっております。



ですが、学校・先生も

鬼ではありませんので、

『卒業』はさせてくれる

かもしれません。



そのため、

『(高校・大学)進学を諦める』代わりに、

『進級はさせてあげる』ということになります。



そうなった時、果たして、

自分が周りの友達達と

一緒にいれるかどうか、

心中は計り知れません。



もうすでに、この学年、この一学期を

『その状態・状況』で過ごされた方も

いると思います。



これから夏、周りの友達とは異なり、

受験勉強の夏となりますが、頑張って下さい。



それが私立校・中高一貫校においての、

優しさに甘えた罰なのでしょう。



今はまだ、その状況・状態でないという方も、

ギリギリを楽しんでいる方は気をつけて下さい。



二学期終わってから、その状況・状態に

落とされた時は、今年一年その(受験の)

覚悟をしてきた方とは違った意味での

地獄を見ることになります。



楽しい夏休みの前に、うぜぇ、うるさい

説教かもしれませんが、この危険性を

理解しないまま、二学期三学期、

二年生、三年生、高校生となってしまうと、

悲劇の道へと進まれてしまうかもしれませんので、

書かせて頂きました。



私の塾では、残念ながら、

そのギリギリの方が

ギリギリになってから

利用されることが多いので、

多くの経験者を見てきての、

事前の忠告だと思って下さい。



この時期、つまり夏休み前のこの時期に、

少なくともその意識、その事実を知った上で、

学校生活の見直しを考えなければ、

結果が出てからでは非常に難しい

ということになります。



自分はそんなことにはならない、

大丈夫です、余裕です。


と言っていた方を

塾でもよく見ました。



“塾でも”という意味が、

どんなことかをよく考えておいて下さい。



不名誉なデータではありますが、

進級・進学が危ないということで、

入塾頂いた方、途中退塾・休塾された方も含めて、

昨今は、半数近くの方を進級・進学させることが

『出来なかった』のも事実です。



それでもなんとか中学から高校への進学は、

押し上げて、7割近くの方を進学までは

させてきましたが、高校以降は

塾に来ることもなく、風の噂では

進級できずに留年、あるいは

留学・転校、学校を辞めるという

選択をする方が多いようです。



そういった方々の多くが、

テスト2週間前の駆け込み

入塾、そして二学期以降、

3回目のテストを終えた

(結果が出た)状況・状態で、

もう一学期のことはおろか、

前の学年での抜け落ちた

知識・勉強からやり直さない

というにも関わらず、次のテストでは、

『進級・進学要綱の見かけの計算上』の

“次、頑張れば”の点数になって

しまっている場合が多いです。



塾への入塾を勧めているわけでは

ありませんが、むしろ塾になど頼らずに、

自分でやる気にならない限り、また、

ギリギリになって駆け込むという

悪循環となりますので、今、この夏休みに、

自分からやる気になることをオススメします。



学生にとって青春時代の

青春(部活動や遊びなどの経験)は

取り戻せないのは事実ですが、

私立校・中高一貫校生は、

それに加えて、記録されてしまった

『テストの点数』『成績』、

そしてサボッた知識・勉強は、

進級・進級の権利は取り戻せない

ということを自覚しておくように

して下さい。