重要になってくる予習、先取り学習


この日記では、受験生向けでなく、

『学校でのテスト、成績』を

主に重視し、高校・大学付属の

私立校・中高一貫校生向けに、

内部進学を第一目標とする

勉強法や勉強の進め方などを

紹介しておりましたが、今後、

ICT化やプログラミング演習、

さらには、小学校からの英語授業などを

踏まえ、認識を改める時期が来たと思います。



私立校・中高一貫校の場合、

特に高校・大学まで付属校であれば、

内部進学出来れば良い、つまり、

学校の定期テスト、成績で、

『最低限』のボーダーラインを

越えればOK、それで比較的楽に

進学出来る趣旨の勉強法で、

進学してしまえば、勝てば官軍

という表現をしてきました。



おそらく、まだ数年はその名残で、

進学出来る方も多いとは思いますが、

これから先は、宿題を出す、テスト前に

猛復習でその場しのぎでも合格点を取るなどは

『当たり前』のことであり、それ以上に、

予習・自学自習を行って、事前に

授業の準備を進めていないと、

授業についていけない、

テスト勉強に間に合わない、

基礎学力がどんどん抜け落ちていく

という事態になっていくことが

予想されます。



生徒の自由、自主性を重んじる

私立校・中高一貫校の場合、

今までは、文武両道を推し進め、

最終的に受験となる受験進学校でも、

受験となる3年、それも部活動を

引退してからの詰込み、

塾や予備校通いで、受験までに

間に合わせるということが

出来ていたと思います。



ところが、昨今の学力低下は、

それらが困難になるほどの格差となり、

進学校ですらも3年からの受験指導では

間に合わない、というより、

それについていけるほどの土台が

出来上がっていないと、すでに一部の方、

いえ何割の方はそうなってきていると

思われます。



その上に、これからの授業形態が

ICT化によって、授業の進度が

どんどん早くなり、英語教育、

プログラミング教育も過熱し始めると、

もう『物理的に』『時間的に』

“ついていけない”という方が

続出することになるでしょう。



もうすでに、大量の宿題やテスト前まで

部活動が休めないなどで、支障をきたしている方は、

学年が上がり、こうした教育改革の対応が

増えれば増えるほど、『現実的に』考えて、

文武両道、様々なことに挑戦するというのは、

難しくなると思われます。



子供たちの無限の可能性を否定するな

と批判を受けるかもしれませんが、

大人たちの様々な過度な期待、希望によって、

『現状の教育課程』『進級・進学のシステム』から

かけ離れた結果を出している方が

増えてきているように思えます。



もちろん、一部の『出来る方』にとっては、

文武両道どころか、様々なことを体験し、

学び、経験できる素晴らしい環境・状況に

なっているとは思いますが、

そういった環境下において、

『やらない方』が落ちこぼれていくのは

当然のこと、『出来ない方』

『頑張っているが結果をなかなか出せない方』も、

多大なる影響を受けてしまうことになります。



もうこの時代、3~40人の子供たちに、

一緒くたな一律の教育、指導を行うのが

困難であることは、前々から指摘されて

きていたことではありますが、

今後はそれがより加速的に、格差的に

なっていくことが予想されます。



その最前線となるのが、

私立校・中高一貫校だと思います。



かつて、特に地方などですと

顕著な傾向として現れましたが、

偏差値が低い私立校・中高一貫校は、

県立・市立・府立・都立より学力も低く、

言い方が悪いですが、『金を出せば』

『誰でも』入れる学校と言われていた学校も多く、

名のある私立校・中高一貫校でなければ、

私立校・中高一貫校に行く意味は、

学生時代を楽しみ、高校卒業という肩書を

得るための手段になっていたと思います。



しかし今は、少なくとも大都市圏内の

私立校・中高一貫校はそういったイメージを

払拭し、どの学校も、一人・二人は

国公立大学、数人は早慶、十数人から

数十人はGMARCH、日東駒専に

合格という実績を出してきています。



もっとも、『合格数』ですので、

優秀な方が数人いれば、

その数を盛ることは出来ますが。



それでも、そういった、

有名国公立、私立大学への合格を

意識した教育、指導を行っている、

行うという意思・意図が

感じられるようになってきました。



そして、それに見合う授業、テストとするためにも、

多くの学校は、中学3年時には、高校の教育課程を

先取りし、高校2年までに高校教育課程を終了させ、

3年次には大学受験対策を一年間かけて行うように

カリキュラムを進めてきています。



こうした、公立の学校よりも速い進度で進む

教育課程に、今後はICT化、英語教育、

プログラミング教育の充実化などが加わり、

さらには、その学校独自の、特出させた

授業などを行うようになることを考えると、

今までのような、宿題を出しておけば、

テストは平常点でカバーできる、

その場しのぎ、一夜漬けの

暗記でテストを乗り越えるなどの、

『小手先』のやり方では、

通用しなくなっていく可能性が出てきます。



というよりも、当塾においても、

その傾向が顕在化してきており、

危惧しております。



まだ、それでも、やらないよりはマシということに

なっているかもしれませんが、もう部活動の片手間で、

宿題の手伝いで、テスト前の詰込みで、過去問での対策で、

テストの点数はもちろんのこと、成績も取れなくなって

きているのは事実です。



それでもなお、相変わらずの

部活漬けの生活を続けられ、長期休み中も

学校にも行かないのにわざわざ塾に行くのも

馬鹿馬鹿しいと長期間勉強から離れていき、

基礎学力をどんどん抜け落としていき、

気付いた時には追い込まれてしまい、

手の施しようがない、といいますか、

まず『残り時間』が無く、それに対して、

やるべき演習量、覚えるべき知識量が膨大と

なっていることが多いです。



今後、これが低学年化、

まだ数年は中学生までが防波堤となると

思いますが、小学生高学年、

特に小学4年生まで下がってくると、

10歳ぐらいで、その後の十代の進路、

行く末が決まってしまうことになる

かもしれません。



そうなると、これからは、

受験生さながらとまでは言いませんが、

学校の勉強、授業“でも”予習を行い、

対応しておかなければ、授業についていけず、

落ちこぼれたが最後、少なくとも現役では

取り返せない、取り戻せないとなって、高校卒業まで、

(その高校卒業ですらも危ういと思いますが)

高校時代までをただただ時間を過ごすことに

なると思います。



かつては、私立校・中高一貫校において、

学校の授業、勉強をわざわざ予習するなど、

より上位の学校へと受験するか、

指定校推薦を狙う、あるいは

特待生を目指す方ぐらいでしたが、

今後は、進級・進学するために、

最低限やっておかなければ、

進級・進学出来なくなるかもしれません。



宿題や復習“すら”も、時間が無くてやらない、

出来ないという方には更なる負担となるでしょうが、

『そうしなければ』授業に勉強についていけずに、

早々に、進級・進学出来ないことが決まる、

というよりも、他校転校も含めて、検討しなければ、

その後の進路、人生にまで影響を及ぼすことに

なると思われます。



大げさに書いているつもりではありますが、

これはごく一部の方だけでなく、今後多くの方が

突きつけられる可能性がありますので、気を付けて下さい。



特に2020年度以降に高校に入学する方は、

高校の授業において、そうした傾向が顕著に

出てくると思われます。



もはや、学校・先生側も、

『ついてこない・やらない』方は

もちろんのこと、

『ついてこれない・出来ない』方を

振り落としてでも、『出来る方』

『ついてくる』方に向けて、

力を注ぐようになっていくと思われます。



そうなった時、留年者、進学不合格者の数は

増加していくことが予想されます。



皮肉なことに、内部進学や指定校推薦の枠数は

多くなったとしても、その基準・要綱によって、

進級・進学出来ない方は続出すると思われます。



内部進学“率”を下げたくない学校側からすれば、

その前に、進級させない、という強気な姿勢を

取るかと思います。



義務教育期間となる中学生は留年することはないですが、

早ければ2年次において、肩を叩かれ、転校・編入などの

手続きを強く勧められることになると思います。



よほどのことが無い限りは、

退学処分までならないと思いますが、

その状況になっても尚、通っている

私立校・中高一貫校にしがみつくように

居座っては、更なる悲劇・不幸・地獄と

なると思われます。



現段階で、授業の、勉強の予習をしていなかったことを

責め立てられるようなことは無いと思いますが、

少なくとも宿題や復習をしなかったことに関しては、

学校・先生側というよりも、テストまでの『残り時間』に

責め立てられていると思います。



今後は、それに加えて、自由な時間があったにも関わらず、

『予習、先取学習』をしなかったことに対して、

責め立てられるようになっていくと思われます。



それが、受験無く、高校・大学へと、比較的楽に

進学出来る私立校・中高一貫校生に課せられるものと

なる日も近いと思います。



受験無く、楽に進学出来ると思っていたのに、

結局、受験生並みに、予習や先取学習、自学自習を

行わなければならないなんて皮肉なことかもしれませんが、

受験のプレッシャーや不安が無いという点においては、

比較的楽に過ごせると言えるでしょう。



ここまでのことを考えて、今後の生活、勉強を

見直しましょうとは言いませんが、もし今後、

この予想通りになっていった場合、

今まで以上に早急に見直しを行わないと、

あっという間に、追い込まれることになりますので

気をつけておくことをオススメします。