桜は咲いては必ず散る


タイトルからして縁起悪いこと、厳しいことを

連想されると思いますが、現実を知ってもらう

ために書かせて頂きます。



進級・進学が決定した中高一貫校生、

中高一貫校への受験に合格した受験生、

春休みの真っ最中の今まさに、

世界が自分を中心に回っている

かのような錯覚に陥っていると思います。



進級・進学が決定した在校生は、

やれやれ今年も一年うまく立ち回った、

あとこれを何回か繰り返せば、

高校・大学とエスカレーターか、

人生ちょろいもんだと。



受験で合格した方は、これで

エスカレーターに乗れた、

受験に合格した実力もある、

合格したってことは学校側が、

自分を、自分の学力・実力を、

認めたってことで、学校側が

ぜひぜひ来てくれって

招待してくれている

ようなもんだろうと。



進級・進学・受験合格と桜が咲いて、

もう余裕しゃくしゃく、

人生なんやかんやで、

思い通りにいくもんだ、

これからもちょいちょいと頑張って、

難なく上に上がってってやろう。



今、そんな気分だと思います。



頑張った、苦労したのですから、

そういう気分になるのが当然です。



但し、釘をさしておきます。



桜はどんなに満開に咲いても、

咲き続けることなく、必ず散ります。



まさに、これが今の全てを示しています。



咲いている時は、散ることなんて

考えないでしょうが、散るときは

あっという間に散っていきます。



進級・進学・受験合格をした今、

何を言われても、そんなバカなことと、

毎年毎年思うことでしょう。



勉強しろ? 宿題しろ? 復習? 予習?


学校は自分を認めた、つまり今の自分で

良いってことだろう。


なんで今、何かやらなきゃいけないんだ。


必要があった時に、必要なだけ頑張ればいい、

それが効率的だ、合理的だ。



その考え、そのものは実に現代的で、

今の時代に合ったものかもしれませんが、

上記の考えは、必要があった時に、

必要なだけ頑張らなかったら、

当然その報いを受け入れる覚悟が

ある方だけが言えることです。



さて、進学を決めた方、

受験合格を決めた方の中の、

何人の方が、進学・受験合格が

“決定するまでの間”に、

ここまで潔い考えで

過ごせたでしょうか。



心のどこかで、

“そうは言っても、そうなりたくはないな”

“できれば、自分の思い描いているように

 なってほしいな”と思っては

淡い期待と不安の中、

過ごしてきたと思います。



もちろん、皆さんのおっしゃるとおり、

進級・進学・受験合格できたということは、

“学校側”が“皆さんの実力・学力”を認め、

そしてその報酬という形で、進級・進学、

受験合格を与えられたわけですから、

そこは自信を持っても構いません。



しかし、その自信が、慢心になって、

イコール“進級してやるんだ”

“進学してやるんだ”“入学してやるんだ”と、

まるで学校側が王様を迎えるように、

あなたのことを待ちわびていると思ったら、

大間違いです。



そんな慢心を持って、進級・進学・入学してたら、

2ヵ月後の中間テストで思い知らされます。



そして、その中間テストの結果を、

自分自身で認めず、驕り・慢心を

改めることなく期末テストを迎えると、

もう、その学年、最初の成績で

ハンデを背負うことになります。



そして、また、憂鬱と地獄の繰り返しとなります。



進級・進学・受験合格はあくまで、

最低ラインをクリアしたと思って下さい。



そのラインを、皆がくぐってきていることを

自覚して下さい。



そして、それを、難なく気軽にくぐった方もいれば、

しがみ付いて、怒られて怒られてやっとくぐれた方も

いるということを意識して下さい。



学年が変わると、皆いっせいに横並びになると

勘違いされる方が多いですが、残してきた

借金(成績)と、勉強をやっていないツケは

確実に次学年に持ち越されます。



季節的にも、桜満開になる時期で、

気持ちの良い季節だからこそ、

気をつけて下さい。



桜同様、咲いたら(うまくいったことは)、

必ず散ります。



ぜひ、戒めにしておいて下さい。