物理的な勉強量を考えて勉強する


塾生でもおりますが、“1時間”勉強した、

“2時間”も勉強したと、やたらと時間を

強調される方がおります。



そういう方に共通するのが、

勉強=“時間稼ぎ”となっていることです。



おそらく、親御さん、または

家庭教師・塾の先生に言われて、

毎日“1時間”勉強する、いえ、

勉強する振りをするように

なってしまったのだと思います。



これでは、“何時間”勉強しようが、

テストの点数、成績は上がりません。



しかし、勉強している本人は良い言い訳ができます。



「僕・私は●時間勉強している。

 それでもテストの点数が悪い、

 成績が悪いんだから仕方ない」



私の塾の講師の方に、勉強はとにかく

問題数を解くという思想といいますか、

信念に似た執念を持った講師の方がおります。



実際に、驚くべきことではありますが、

1時間の講習中に、平均して約60問、

多いときは100問近くの問題を

解かせることがあります。



こうなってくるともう反射的に

問題を解くようにしないといけません。



講師の方曰く、所詮定期テストは、

教科書・参考書の範囲内でのこと、

考えて解くのではなく、暗記するくらい、

反射的に答えられるくらい、問題数をこなせば、

少なくとも赤点を取ることはないと断言しております。



実際にそれで高得点を出す生徒もおりますので、

この方法を頭ごなしに否定できません。



そして、この方法は、冒頭に書いた、

「時間稼ぎの勉強」と真逆の勉強といえます。



時間稼ぎの勉強をしている生徒の多くが、

問題1問を解くのに、約5分~6分、

長い人だと、10分くらい時間をかけます。



そういった時間稼ぎに楽、うってつけなのが、

数学の文章題でしょう。



一問5分くらいかかっても「仕方ない」、

10分くらい考えて解いていると、

「頑張って解こうとしている」と

思われる、、、と思っていませんか?



上記の講師の方は、それを決して許しません。



30秒考えてできない問題を、3分、4分と

時間をかけたら、天才的な発想・思考で、

答えを導き出せるとは到底思えない

というようなことを言っておりました。



その考えも少し極端ではありますが、

これはテスト中の状況にあてはまると、

よくわかると思います。



難しい文章題が3~5分考えたら、

答えを導き出せるというのであれば、

その時間を作ればよいのですから、

簡単な計算問題をさっさと終わらせるくらいの

計算能力を身につければ、満点が狙えるではないですか。



そういう観点からいえば、講師のやっていた

勉強法(1時間内で多くの問題を解く)を

やったほうがテストで点数をとることが、

成績をあげることができます。



実は、この講師の方は、このように考えて、

生徒に言い訳、時間稼ぎをさせないように、

したおりました。



1問5分~6分、長いと10分と“時間稼ぎ”をされると、

一時間内でできる問題数・勉強量は、6~10問です。



これでは、1時間内で60問~100問

解いている方と10倍の差がつきます。



いかがでしょうか。



こうやってみると、物理的な勉強量を

意識できないでしょうか?



“時間数”も、もちろん“物理的な”勉強量となりますが、

やっている内容がスカスカなら、1時間内で

60問~100問解いている方の

5~10分と同じ“勉強量”です。



1問●分●秒で解く、という意識は

テストの時に役立つのと同時に、

普段の“勉強量”を知ることができます。



毎日1~2時間、きっちり勉強してると

豪語される方がおりますが、それで結果が

伴っていないのであれば、一度自分が

「時間稼ぎの勉強」をしていないかどうか、

確認してみて下さい。



同じ中学生・高校生で、1時間に

60~100問解く方がいます。



少なくとも私の塾で、上記の講師の方が

実際に講習中に解かせた・解かせている

事実があります。



それを踏まえて、自分が勉強していると言っている

「その1時間」に、何問解いているか、

物理的な勉強量を算出してみて下さい。



間違っても20~30問で満足しないで下さい。



講師の方から言わせると、

「それじゃ遅い、1問に2~3分もかけているじゃないか。

 テスト時間は50分、見直ししないで17~25問しか解けない。

 前回のテストの問題数を確認してみろ、そんなんだから・・・」

です。



まぁ、これは“極端”な言い分ではありますが、

「時間稼ぎ」の勉強よりは、テストの点数を上げ、

成績を上げる勉強法だと思います。



最後に、その講師の方の講習内容、勉強法を書いておきます。



まずは、“正答率”を問いません、間違ってもいいから、

1問●分、●秒で解く意識をもって、実行して下さい。



そうして、1時間で50~60問解く“癖”をつけて下さい。



次に、ケアレスミスを減らし、かつ暗算でできるところ、

簡単に答えを出せるところは、反射的に、機械的に

手を動かせるようにして下さい。



間違えた問題は、答え・式を丸暗記でも構いません。



とにかく、時間内で、“解く”そして“書く”訓練をして下さい。



“これ”を毎日続けていれば、といいますか、

おそらく3日も続けていれば、

教科書・参考書・問題集の問題を

ほとんど網羅してしまうでしょう。



そこからが、“正答率”を上げる勉強となります。



同じ問題、一度解いた問題、簡単すぎて

やる意味がないと思われる問題、

どんな問題だろうと問わず、

“何度でも”解いて下さい。



1日100問解いているのであれば、

1週間でおそらく期末テストまでの

範囲の問題を全て解けるでしょう。



期末テストまで、4~5週間あるのであれば、

全ての問題を4~5回解くこととなります。



その上で、テスト前に、どうしても理解できない、

一応答えを丸暗記してはいるけど、意味はわかっていない、

というところを、じっくりやれば、良いと思います。



馬鹿馬鹿しい、そんなのできっこない、

それで実際テストの点数が上がるのかと

思われる方には、声を大にして言います。



“実際”に、1時間で問題を100問近く解く学生がおります。



そしてその生徒は、前の学年で、その教科(数学と理科)を、

“テストの点数”“成績”を落としておりました。



数学に関していえば、理解度はいまだに

他の人と比べて低いところではあります。



そんな彼ですが、それらの教科において、

赤点を取らないどころか、60~70点台を

とるようになりました。



決して彼が本当は非常に優秀で、

勉強ができた方とは言えません。



勉強が出来る生徒、もともと70~80点を取る方は、

1問●分、●秒という意識を持ち、1時間に

50~60問解くようになって、

90点~100点をとるようになっております。



テストの点数=頭の良さとは言いませんが、

テストの点数が上がったという事実は、

成績に反映され、そして先生・親御さんの

印象を変えたのは事実です。



なぁなぁと、無駄に時間だけを稼ぐ勉強で、

結果がふるわず、先生に、親御さんにうるさく

言われてふてくされる前に、一度、この勉強法を

試してみることをオススメします。