黒牢城
黒牢城
黒牢城
原作はまだ読んでない。映画のことは何も知らなかったけど、「豊臣兄弟!」の感想書くのにいろいろ調べていて、こういう映画が公開されるのだと。でもそれだけじゃ「WOWOWでやるまで待とうホトトギス」となるところだけど、黒田官兵衛が菅田将暉氏となれば見に行かないわけにはいかないわな。で、十数年ぶりにシネコンへ。駅から遠いので今まで行かなかったんだけど、普段から歩いているせいかさほど大変でもなかったな。パンフレットが1200円なのにはびっくり。レディス・デーとかだと映画は1300円で見られる。100円しか違わないなんて・・でも買いましたけど。お客は九人くらい。後ろの席の客がモソモソモソモソしゃべってうるさいったらない。こういう上映中にモソモソしゃべるのってたいてい二人連れの女の方。しかも年寄りの。こっちは集中して見てるのに。集中してないと何言ってるのか聞き取れない(字幕つけろ!)。まあいいやお目当ては菅田氏だからおほほ。でも出番少なかったな(チッ)。逆に村重役本木雅弘氏は出ずっぱり。ネットで調べた時、この映画はヒットしないだろうと書いてる人がいて意外に思ったけど、見ていて納得した。何と言うかはじけていないのだ。村重達が籠城する有岡城で起こる不可思議な事件。牢には村重を説得に来てそのまま幽閉された官兵衛がいる。村重は調書を官兵衛に見せ、謎を解いてもらう。それだけ聞けばそのユニークな設定に期待してしまう。でも・・他の人はどうだか知らないが・・某の予想に反して大ヒットするかも知れないし、そうなって欲しいけど・・私にはだめでした。別につまんないというわけではない。でも重苦しいしわかりにくいしもう一度言うけどはじけていないのだ。長島の一向一揆や比叡山の焼き討ちをなぜ映像で出してこないのだろう。村重はそういうことをやる信長を見て自分はなるべく人を殺さないという方針になったのでは?もちろん長島の生き残りである妻千代保(吉高由里子さん)の苦悩は描かれる。でもセリフだけでは伝わらないものもある。ところでパンフでは犯人は○○とはっきり書かれていてあれれと思った。映画を見る前に読まない方がいいよ。人質になっている少年自念も官兵衛も「首にしろ」と叫ぶ。親が裏切った場合、人質が処刑されるのが習い。しかし村重はしない。後で自念は殺されるが、犯人がわかっても村重は許す。一方官兵衛の方は自分の首を信長に届けないと、裏切り者と思われ、人質に出している嫡男松寿丸を殺されてしまう。しかし村重は官兵衛を生かしておく。身動きもならない狭さ、水がしみ出しジメジメ・・というのが小説の定番。でも映画では撮影の関係もあってだだっ広い空間。地面も乾いている。しかし手足を鎖でつながれ、座っているしかない状態。
黒牢城2
牢番はストレスがたまっているのか官兵衛を打ちすえるなど虐待する。このままじゃ命の危険があるので、官兵衛は牢番が村重を襲い、逆に手打ちにされるよう持って行く。私がこの映画で印象に残ったことは二つあって、一つはこのシーン。「牢の中にあって人を殺すのは、存外難しいことではござらんな」というセリフ。ちょっとレクターを連想させる。鎖で拘束された状態なのに牢番を殺させる。これができるなら牢の中にいて城を落とすことも可能なのでは。村重が全く姿を見せないのなら不可能だが、彼は事件が起きる度にノコノコやってくる。ところで最初のうち村重は官兵衛に調書を渡すと、少し離れたところに腰を下ろして待つ。それが後には酒をくみかわすほどの距離にまで近づく。それには心理的意味があるのだろうが、見ているこっちは「ありえね~」と思ってしまう。お風呂に入ってないし、着たきり雀。ノミやシラミに悩まされているはず。体臭や口臭、あたりには排せつ物の臭いが充満しているはずだ。それにしても謎を解決する見返りを官兵衛は要求しなかったのかしら。お酒なんかよりお風呂や着替えの方がよっぽど・・。事件が解決しようがしまいが官兵衛には関係ない。困るのは村重の方。だったら少しくらいの要求は通るんじゃないの?ちなみに他の作品だと官兵衛はヒゲボーボー髪ボーボーになるのが普通。でもこの映画ではならない。髪はともかくヒゲの方はおかしいなと思うけど、見てる方はその方がうれしいです。話を戻して、松寿丸が殺されたと聞いた官兵衛は、一人になると慟哭する。ここが印象に残った二つ目。一筋の希望は持っていたけどそれが打ち砕かれてしまった。この後官兵衛は村重を陥れようと本格的に考え始めたのかな。ラストはあっさり三つのことが字幕で出る。あれじゃ官兵衛や千代保がどうなったのかわからないじゃないか!でも日本史を知らない外国の人は何だかよくわからんけどいちおうスタンディングオベーションしとけとなるのだろう。ただ私は何の趣向もないエンドクレジット見ていて思ったのよ。この後家臣や家族達には斬首や磔、焼き殺されるなど過酷な運命が待っている。村重の妻は処刑にあたっての潔い態度が賞賛され、逆に一人で逃げた村重は卑怯者とさげすまれた。助け出された官兵衛は竹中半兵衛によって密かにかくまわれていた松寿丸と涙の再会。どうです?こちらの三つだけで映画が吹っ飛んでしまうほどドラマチックじゃありませんか。だからスルーして終わらせたのよ(たぶん)。その他の出演者では雑賀下針役柄本佑氏がよかった。黒ずくめのスナイパー、忍者みたいでカッコイイ。