キラー・タトゥー 狂気の彫り師

キラー・タトゥー 狂気の彫り師

ウ~ム、何じゃこりゃ。滑り出しは悪くはなかったのよ。掛け布団も枕もないベッドでの目覚め。現代アートのギャラリーみたいな部屋。すぐ隣りはショッピング・センターか。何だかよくわからないが、スマートな暮らしぶり。血のついたシートを捨てるのが何だか心をざわつかせる。彼ネイサン(ルイス・カーク)は若くて清潔そうないでたち。タトゥーを入れにきた若い女性客も、彼には安心感を覚える。食事や車で送るなんて言われるとつい・・。巷では九人の女性が行方不明になっている。ヤク中っぽい女性が出てきて、彼女エヴァが捜査を?え、何で彼女が?若い女性を次々に殺す殺人鬼の話だと思ってこちとら見ているわけだが、こんなオバサンでも狙われるのか。タトゥーがメインだと思っていると、ネイサンは皮膚を剥いで財布や着るものを作ってるし、たぶん椅子も。それだけでなく肉はミンチにし、パスタをゆで・・要するにお召し上がりになる。残りも無駄にせず、ワニに食わせる。地下部分にワニやトカゲが飼われているが、動物園でもないようだし、何なのか不明。腹を見せるトカゲがかわいかったな。甘えてるみたいで。このシーンだけはよかったぞ。肉はタッパーに入れて冷蔵庫で保存。女性の名前を書いたラベルが貼ってある。ルーシーの肉なら、彼女と出会った時のことを思い出し・・。エヴァもお客の一人だったが、しばらくしてタトゥー・コンベンションで再会。彼女の方からモーションかけてくる。他に今の時代らしく、登録者増加を狙うユーチューバーみたいな青年が出てくる。自分が買ったミステリー・ボックスを開封するところを配信する。他に刑務所に入っているネイサンが、ノアというごつい男にタトゥーを入れる。刑務所内だから道具はありあわせのものだ。何かの集会・・依存症克服のか・・に参加しているエヴァも。まあこんなふうに欲張った感じで話は進む。刑務所のシーンでもわかるが、時系をいじくってある。ショッピング・センターは一般人の立ち入れない場所がいっぱいあって、階段、廊下、閉まったドア・・と魅力的。想像力をかき立てられる。お膳立ては魅力的なのだが、話はごちゃつき、もたつき、間延びする。ネイサンのようなタイプは女性と関係しなさそうだが・・快感は別のことで得るから・・なぜかエヴァと結ばれる。

キラー・タトゥー 狂気の彫り師2

デートに母のドレスを持ってくるような男だから、マザコン、年上好みなのか。たぶんここで多くの人はネイサンにアンソニー・パーキンスがだぶって見えたことだろう。それはともかく、エヴァはジタリアンと称して、ネイサンが持参した肉は食べなかった。てことは(彼女は知らなかったけど)人肉は食べずにすんだということだ。でも彼女は不注意すぎる。そこらにバッグをほうり出していたせいで、潜入捜査官であることを知られてしまった。銃も持ってる。しかも身分がバレたことに気づかず、ジョーダン警部補に対しても自信満々。バッカじゃないのと言いたくなる。単独で自由に動き回るのが彼女のやり方なのだろうが、ジョーダンとの連絡もいいかげん。その彼女もタトゥー・スタジオを再訪した時は驚く。ネイサンは自分のもののように言っていたが、彼はただの見習いで、しかも辞職したとのこと。いや、エヴァでなくたって見ているこっちも途方にくれますって。アンタがネイサンに近づいたのはそれなりの理由があってのことでしょうに。つまり彼の身元とかちゃんと調べてあるはずで。そういうのが全然ない。ただナンパしただけ・・みたいな。でもネイサンの方もエヴァに負けずアホなので、ご心配なく。エヴァは肉の入ったタッパーをほうり出していて、大事な証拠品をアンタ何やってんの?と見ていて驚き呆れるが、要するに一番最近行方不明になったソフィーの肉がないかどうか調べていたのね。肉がなければまだ生きてる可能性ある。まあ後半は見ているのがしんどいくらいアホなことの連発。頼みのジョーダンもアホで、結局彼女はどうなったの?ネイサンが服役していたのは人をひいたから。ひかれたのがジョーダンだというのは予想通り。彼女を殺したってエヴァがいるんだから・・。でも謎の連中がネイサンの部屋をクリーニングして証拠隠滅。この連中は誰?四年たって出所した彼を迎えたのは例の配信男ジャック。彼はネイサンの弟らしい。で、二人してオカルト集団みたいなのの儀式に参加して、これって以前エヴァが参加していた集会の延長みたいだけど、にまぎれていたエヴァがネイサンに向かって発砲してエンド。話がちゃんと説明されていなくて、整理されていなくて、何がどうなったのやらさっぱりわからない。作り手を始末したくなったのは私だけではありますまい。