ポリスアカデミー
「2」以降を見た後で「1」を見ると、いろいろなことに気づく。最初はなかったもの、逆に後から加えたものだと思ったら最初からちゃんとあったもの。プロクター(ランス・キンゼイ)はまだ登場せず、その代わりとなるのがブランクスとコープランド。この二人マホニー達と一緒に入った同期なのね。女市長のせいで警官採用基準が甘くなる。ポリスアカデミーにはいろんなのが入ってくる。軽犯罪でつかまってばかりのマホニー、警備員のタックルベリー、自称医者のジョーンズ、花屋のハイタワーなどなど。教官ハリスはこんなやつらを警官にしてたまるものかとしごき、脱落させようとする。何とか追い出されてやれ・・と企むマホニー(彼は刑務所かポリアカかの選択を迫られ、仕方なくポリアカを選んだのだ)だが、一緒に入ったトンプソンが気になる。彼が考えを変えたのは、ハリスの部屋の窓からトンプソンを見た時。帽子をかぶり、ショートパンツからすんなり伸びた足でつま先立ち、一回りするトンプソンには、マホニーでなくたって魅了される。何というかわいらしさ。しかも健康的。「1」には週末パーティでのヌード、シャワー室の覗き見、ラサール校長に起こったハプニングなど、けっこうお色気シーンがある。他の作品にくらべ、やや下品でもある。でもそれらを振りはらってくれるのが、キム・キャトラル扮するトンプソンのキュートでさわやかなお色気なのである。全体的には、キャラの紹介とエピソードの寄せ集めという印象。クライマックスでは暴動が起きるけど、話のスケールは小さい。この程度の内容で、あそこまで大ヒットしたのは不思議な気もする。確かにユニークなキャラの集まりだけどね。おバカなシーンだけでなく、いじめられてばかりのバーバラ(ドノヴァン・スコット)が自分に自信持つとか、ちゃらんぽらんしていたマホニーに警官としての自覚が出てくるとか、何人かの成長はちゃんと描いている。監督はヒュー・ウィルソン。彼の「タイムトラベラー/きのうから来た恋人」はいい映画だった。私はこの映画のおかげでブレンダン・フレイザーを知った。大ファンになり、出演作をあさり、「ゴッド」に行きあたった。感想を書かずにはいられなくなり、ネットデビューしたんだよな。こうやってもうまる六年も書きまくっているのも、一部はヒューのおかげなのだ・・なんちゃって。
ポリスアカデミー2/全員出動!
さてポリアカシリーズ七作のしめくくりは「2」。最後なのでところどころ寄り道いたします。私はシリーズの中ではこの「2」が一番好き。最初に見たのもこれ。登場人物が多く、しかもみんな個性的なのが楽しい。おなじみの若いメンバーの他に、もっと年齢が上で地位も高い三人が出てくる。アカデミーの校長ラサール、ラサールの弟で16分署の署長ピート、そしてハースト本部長。このうちラサールはボケボケキャラだが、あとの二人はわりとまとも。悪役として署長の地位を狙うマウザーが出てくる。犯罪率が高い16分署内。30日のうちに下げろという市長からの命令がくだる。犯罪が多いのは人手不足のせい。それでポリアカの六人が配備される。この六人がしくじれば署長は交代。マウザーの狙いはそこにある。彼は本部長にさんざんおせじを言うが、本部長はそういうのを嫌っている。と言って署長の味方というわけでもない。普通のコメディーなら本部長はおせじを言われていい気持ちになる軽薄なキャラに描かれるだろう。だからそうならないのが見ていて意外だった。「3」の州知事もそうだが、高潔な人物ではないにしても、わりとまともである。そのぶんマウザーのせこさ、ずるさ、卑怯さがいっそう際立つ。自分の愚かさに気づいていない哀れな男に見える。彼は他の人間も皆自分と同じだと思っている。彼がおせじを言うのは、自分でも言われるのが好きだからだ。もう一人の悪役はチンピラのボス、ゼッド。彼は誰かのパロディだと思う。私にはボーイ・ジョージに思えるが、U2のボノかもしれない。デブで長髪、奇声を発し、やることはめちゃくちゃ。オドオドしてるかと思うとがなりたてる。ゼッドのキャラを受け入れられない人は、見るだけで聞くだけで拒否反応を示すだろう。でも私はなぜか彼が好きになってしまった。「3」や「4」にも出てくれてうれしかった。彼にはなぜか哀愁を感じる。彼は一般の人々には理解してもらえない。受け入れてもらえない。彼自身どうふるまっていいのかわからない。幸か不幸かチンピラどもは頭がからっぽなので、ゼッドのことをボスとしてそのまま受け入れている。さて、「1」にはところどころお色気シーンや下品なシーンがあったが、「2」にはほとんどない。だから安心して見ていられる。ちょっと色っぽいのはタックルベリーが相棒のキャサリン(コリーン・キャンプ)に恋をし、結ばれるシーンだろう。
ポリスアカデミー2/全員出動!2
ポリアカ連中は16分署の署員とそれぞれコンビを組まされるのだが、タックは相棒が女性と知り、失望する。ところがキャサリンは男まさり、ぶっきらぼう、おまけに武器マニア。話が合うと喜び、気がついてみれば彼女に恋をしていた。その道のベテランであるマホニーに相談し、デートにこぎつけ、彼女のアパートに・・。しかし体中に銃をつけているので、はずさなくてはならない。その銃の多さに笑ってしまう。キャサリンの家族に紹介されるシーンもおかしい。父親と息子(キャサリンの弟)はボクシングをやっていて、日常的に殴り合っている。しかも笑いながら。母親がこれまたおかしい。息子の髪をつかんで引きずっていく。しかも笑いながら。武器マニアで、常に自分を鍛え、他人から見れば十分変人なタックだが、恋人一家はその彼でさえ目がまんまるになるほどの変人揃いなのだ。・・私はタックが好きだ。ポリアカシリーズのDVDを買ったら、特典で現在のメンバー達が当時のことをあれこれ話していた。その無残な(?)変わりようにはびっくりさせられたが、なぜかタック役デヴィッド・グラフは出ていない。彼のインタビューもあるが、そこでの彼は若いまま。・・てことは・・と気になって調べてみたら、彼は2001年に亡くなっていたのだった。まだ若いのに・・ショック。でもそのおかげで他のメンバーみたいにユルユル、シワシワの彼を見なくてすむ。グラフは「不機嫌な赤いバラ」に出ていたらしい。そこで早速持っている中古ビデオを見直してみると・・なるほどニコラス・ケイジ扮する主人公の同僚の一人として出ている。でも・・全然目立たない。ちなみに「不機嫌」の監督は「1」のヒュー・ウィルソン。さてコリーン・キャンプと言えば「死亡遊戯」。その後ソンドラ・ロックと共演した「メイクアップ」も見た。別にこの作品目当てで映画館へ行ったわけではない。他の作品を見に行ったらこれが併映されてたってこと。当時は二本立て、三本立てもよく見た。「メイク」は何がどうなってるのか私にはさっぱりわからない映画だったな。きわどすぎてよく見ていられなかったってこともあるけど。ラストシーンだけは覚えている。その後キャンプは小さな役で時々見かけた。「アップタウン・ガール」、「ダイ・ハード3」、「コール」などなど。「2」でのキャサリンの真骨頂は、スイートチャックの店で銃を撃ちまくること。
ポリスアカデミー2/全員出動!3
タックでなくたって度肝を抜かれるむちゃぶり。そうそうスイートチャックも「2」で初登場。世界一不運な男。自分の店(照明器具店)をめちゃめちゃに破壊される。しかも警官に。気の毒だが笑える。さてお次はマホニー。私はマホニーも好き。「1」ではなく「2」を先に見たので、ロマンスもない地味な主役ぶりには驚いた。若くてハンサムだが、他のメンバーのような際立った特技はない。何かあると演説をぶち、かなりくさいもののいちおう仲間の団結心を強める。得意なことと言ったらその程度。わりと楽天的で口がうまいけど、はめははずさず真面目。「1」ではちょっと世の中なめていたし、はすにかまえていたけど「2」ではそういうのなし。冒頭のビーチでのパトロールぶり・・まわりに迷惑かける男のこらしめ方など、さわやかで明るく健康的。余裕があって動じない正義の味方、ナイスガイ。背は高くないが、腕が太く逆三角形のいい体をしている。そして何よりもあの笑顔!彼とコンビを組むシュルツマンの異常なまでの不潔さもおかしい。まあとにかく「2」は登場人物一人一人にとても魅力がある。人間に魅力があるからやっていることもおかしかったり感動的だったり。ポリアカで感動なんて場違いな感じだけど、そうでもないのだ。ゼッド達チンピラを一網打尽にしたいが、隠れ家がわからない。そこでマホニーがおとりになって、一味に潜り込もうとする。「刑事バレッタ」のマネ・・というところが懐かしい。しかし正体がばれて大ピンチ。ゼッドに銃を突きつけ、マホニーを救ってくれたのが署長。しかしその銃には弾が入っていなかったことが後でわかる。それも今回だけでなく10年以上ずっと。理由は明らかにされないけど、署長には過去何かがあったのだ。おバカなシーンの中にそういう骨っぽい部分がひょこっとはさまれるので、見ている我々は笑いながらもハッとするのだ。そしてこういうシーンはいつまでも忘れない。おバカコメディーだからって下品な笑いやお色気で観客に媚びるだけじゃだめなのだ。時々は骨のあるところ見せよう!・・それにしても特典でのメンバー達の話しぶりからみて、新作が作られそうな印象受けたが、その後何のニュースもないところをみると、立ち消えになったのかな。まあそれでよかったのかも。ユルユル、シワシワ、よぼよぼを見たってねえ・・。
ポリスアカデミー3/全員再訓練!
「3」で目を引くのはノガタという日本人が出てくること。タチカワ署からの交換留学生。雲助タクシーに法外な料金ふっかけられているところへ助けに入ったカレンが、ヨコハマから乗ったって言うの・・と、運転手に食ってかかる。まあここらへんはちゃんとしているな・・という印象。ニンジャが出てきたり、針のベッドに寝ていたり、変なハンテン着ていたり(書かれている漢字読めそうで読めない)するのには目をつぶろう。こういうキャラを登場させたってことは、この頃になると日本の観客も意識していたってことなのかな。演じているのはブライアン・トチ。小柄でいつもニコニコして愛想がよくかわいい。何とキャラハン(の偉大な胸)に一目ぼれしてしまう。さて、予算節減のため二校ある警察学校が一つに減らされることになった。審査で残るのはラサールの学校かマウザー(アート・メトラーノ)の学校か。マウザーはラサール側の足を引っ張ってやれ・・とスパイを送り込む。マウザーとプロクターのコンビも楽しいが、スパイコンビ(ブランクスとコープランド)もおかしい。でも一番おかしいのはゼッド(ボブ・ゴールドスウェイト)とスイートチャック(ティム・カズリンスキー)コンビだろう。この二人、寮で同室になるがスイートチャックはいやでたまらない。とうとう逃げ出すが、タックルベリーに諭されて戻る。そうそう、こういうシーンがあるからいいのよ。ただのおバカの連続じゃない。登場人物の何人かは少しだけど成長するの。ゼッドは相変わらずうるさくてハチャメチャ。スイートチャックがシャワー浴びてると怪しいカゲが・・という「サイコ」のパロディが笑える。ナイフかと思って悲鳴を上げたらシャンプー持ったゼッドで・・。ゼッドには悪気はないのよ。そう見えるってだけで・・。映画としては各キャラのコネタを見せるのに忙しく、クライマックスの犯罪が今いち。慈善レガッタに集まった客から金や宝石を奪うのだが、いきなりの登場。もっと前から登場させ、こういうのがはやってる・・と、見ている者に存在をなじませた方がよかった。強盗団は州知事(昔テレビによく出ていたエド・ネルソン)を人質にモーターボートで逃走。マホニー達はジェットスキーで追いかける。力の入った見せ場だが、長すぎる。これを見せるために他の部分削っているのでは?マホニーが一目ぼれするカレンや株の投資家みたいな男の存在うすくなってる。
ポリスアカデミー4/市民パトロール
最初見た時はちょっと息切れしてきているかな・・と。勢いが感じられないのだ。まあプロペラ機とか気球とか、クライマックスは目先を変えてがんばっているけどね。メンバーのうちマホニーにはちょっぴり変化を感じた。つまりグッテンバーグにということだけど。何と言うかちょっと輝きが失せた。これを見てびっくりするのは、シャロン・ストーンが出ていること。まだブレイクする前か。完成したのを見て、彼女きっとおもしろくなかったと思う。だって出番かなり削られている。ラサールは長年の夢だったCOP計画(市民に警官としての訓練をほどこし、犯罪防止に役立てる)を実行に移すことにし、ポリアカ連中も協力する。その取材に来ていたのがストーン扮する女性記者クレア。もちろんマホニーは彼女に一目ぼれ。DVDにはクレアとマホニー、クレアとハリスのシーンが入っている。彼女はもっと出番多かったのだ。でも削られてしまったのだ。ストーンはやる気満々。私はこんなもんじゃ終わらないわよ・・って感じ。マホニーの輝きが失せて見えたのはそのせいかも。さて「4」では何とゼッドが恋をする。「4」で印象に残るのはクレアよりローラの方である。COP計画の宣伝中、ゼッドはローラに出会う。見かけと違い、ゼッドは繊細でロマンチスト。一方美人だが地味なローラ。彼女にはゼッドに対する偏見が全くない。この二人が抱き合って・・と言うか、ゼッドがローラを振り回して、とうとう目が回って野原に二人してぶっ倒れてしまうシーンがおかしい。このカップルには何やら応援したくなるものがある。不器用だが純粋。他にタックルベリーとフェルドマン夫人の交流がいい。老人ホームにいるけど銃器マニア、部屋は迷彩色、ガッツのある老女。変てこな嫁一家にいまだになじめずにいるタックだが、夫人とは大いにウマが合う。他にはスケボーが出てくる。今見ると何てこともないが、当時はかなり斬新だったのではないか。シリーズは少し息切れしてきたけど、この新しいスケボーの魅力を利用して観客動員を・・という作り手の思惑を感じる。スケボー少年(?)の一人アーニー役はブライアン・ベッカー。名前は知らなくてもこの顔は一度見たら忘れない。彼が出ている「ドライブアカデミー/全員免停」は、題名からわかるけど作り手がポリアカ「1」の人達。抱腹絶倒間違いなしのおバカコメディーだ!
ポリスアカデミー5/マイアミ特別勤務
ラサール校長(ジョージ・ゲインズ)とポリアカ連中が大あばれするシリーズ五作目、舞台はマイアミ。「1」~「4」はDVDを買った。「5」「6」は私が、「7」は父が中古ビデオを買った。「5」「6」は前(中古ビデオ売場に)来た時にはなかったから、時々新しいのを補充しているってことだ。だから時々来てチェックしなくちゃいけないのだウヒ。で、「5」だけど、途中で見たことあるぞ・・と気づいた。WOWOWでポリアカ特集をやったことがあって、その時に見たのだろう。まあまあおもしろい。「7」を見た後ではどんな作品もマシに見える。マイアミと言えば海。クライマックスは水上チェイスだが、「3」のクライマックスも水上チェイスだったので、新鮮味に欠けるのが残念。今回からラサールの甥ニック(マット・マッコイ)が出てくる。これがにやけた感じであんまりよくない。他にケイト(ジャネット・ジョーンズ)が出てきて、もちろん二人はいいムードになるのだが、このケイトにも魅力がない。スタイルはいいし、いちおう美人なのだが、見終わっても顔がよく思い出せない。きっと目のせいだ。目のあたりが地味なのだ。で、印象に残らない。格闘技の達人という設定だがあんまり上手じゃない。もっとも、ポリアカシリーズのヒロインは断然キャラハン(レスリー・イースターブルック)だ。はちきれそうなボディー、きりっとした顔つき・・意志の強そうな目と引き結んだ唇。サングラスもよく似合う。タックルベリー(デヴィッド・グラフ)はあんまり見せ場なし。銃を一人じめしてだだをこねるシーンは、笑うところなんだろうけど、私はなぜか胸キュンでした。まわりには理解できないであろうタックの心理。フリスビー投げの仲間に入れてもらえないプロクターもちょっと気の毒。・・年をごまかしていたのがばれ、停年退職することになって落ち込むラサール。しかしポリアカ連中のはげましもあって気を取り直し、マイアミでの表彰式に向かう。途中でバッグがダイヤ泥棒のものと入れ替わってしまい・・というストーリー。成りゆきで誘拐されたラサールだが、演習だと思い込んでいる。あまりに協力的なので泥棒達もつい情が移ってしまう。彼のボケぶりはこのシリーズの笑いどころだが、何に対してもよい面を見、ほめたり喜んだり感謝したりするので、何やら心癒されるものがある。ゴルフバッグからボールがポロポロ落ちるギャグが楽しい。
新ポリスアカデミー/バトルロイヤル
あんまり期待していなかった「6」だけど、なかなかどうしておもしろいじゃないの。ちょっと盛り返したって感じ?これが「7」ではどうしてあんな悲惨なことになっちゃうのかな。「5」に続いてニックが出てくる。「5」ではにやけた印象しか残らない彼だが、制服制帽姿の今回はわりとよかった。仕事をちゃんとやるまともなキャラ。頭はいいけど他の連中のような(ありえない)特技はなく、体格も普通。犯人の罠にかかって毒ガスでピンチに陥るが、ハイタワー(ババ・スミス)の怪力に助けられる。感謝のあまり思わずハイタワーを抱きしめるシーンがよかった。ありえない描写の多いシリーズだけど、こういう普通のシーンをちょこっと入れると引き立つ。ハイタワーが刺繍をしていたり、野良ネコに牛乳をやったりするのもいい。タックルベリーは妻の家族との絡みが爆笑ポイントだが、奥さんちっとも出てこない。子供が出てきたところをみると離婚はしていないようだ。この子がもっと活躍するのかと思ったら全然。でも久しぶりに義父が出てきて笑わせてくれた。ジョーンズ(マイケル・ウィンスロー)のジミ・ヘンドリックスの物まねもおかしい。ハリス(G・W・ベイリー)はやっと自分の所轄区を持てたと喜ぶが、町では強盗事件が多発。市長は困り果てる。応援に来たのがポリアカ連中。しかし強盗はいっこうにつかまらない。どうも警察内部に裏切り者がいるようで・・。ストーリーに新鮮味はなく、黒幕もすぐわかる。しかしあちこちに気前よく、周到に計算されたギャグが詰め込まれている。ハリスとプロクターのコンビが今回も笑わせてくれる。クライマックスはカーチェイス・・と言っても一味違っていて、消防車とバスと「TAXi3」に出てきたようなタイヤのばかでかい車。中でもバスを運転しているプロクターが(犯人追跡中なのに)バス停でお客を乗せちゃうのがおかしい。ハリスが仕方なく早く乗れとお客をせき立てるのがおかしい。とんまな強盗三人組もおかしい。ジョーンズのアクションの一部や消防車のニックはスタントマンだろうし、交通整理をするファックラーに群がる蛾には吊り下げているヒモが見える。でもそんなことはあんまり気にならない。けっこうスケールが大きく、作り手に気合が入っているのがわかる。今見ると燃え尽きる前の一瞬の輝きみたいでわびしいんだけどね。でもよくがんばりました。
ポリスアカデミー’94/モスクワ大作戦!!
人気シリーズも、七作目ともなれば息切れどころか・・息してない。死んでる。何で作ったのかな・・と言うか、誰か作ってた人いるの?ちゃんとしたストーリーがあるようには見えないんだけど。行きあたりばったり、何となく始まり、何となく終わる。一作目からちょうど10年。だから出演者はまだ何とか原形保ってる。シワシワとかデブデブとかユルユルにはなっていない(今はなってるだろうけど)。演技もいちおうそれなりにやってる(中にはひどいのもいるが)。でもとにかくストーリーが・・脚本が・・ってことだけど、ひどすぎる。ポリアカ連中がモスクワへ。マフィアのボス(ロン・バールマン)つかまえるため。モスクワ警察の偉い人がクリストファー・リー、通訳の美女カトリーナがクレア・フォラーニ。意外と豪華キャスト。ポリアカ連中はおなじみの顔ぶれだが、やはり中心となるキャラがいて欲しいもの。四作目まではスティーヴ・グッテンバーグ扮するマホニーがいたから何とかなったけど。「5」「6」ではマット・マッコイがいたけど。今回はいちおうハンサムで若いコナリー(チャーリー・シュラッター)出してきて、カトリーナと恋をさせるけど、彼じゃねえ・・。背が低すぎるし、前に出てくるもの、見ている人に印象づけるものがない。もちろん強烈なキャラである必要はなく、まともで好感の持てる見ていて安心できるキャラであればいい。マホニーやニックのようなキャラが中心に一人いれば映画のバランスが取れる。この映画で笑えるのは、ラサール校長がどっかの葬式にまぎれ込んじゃって、わけわからんうちにそこの家族と仲良くなってしまうことと、モスクワ市内でのカーチェイスくらいか。空気のきれいそうな景色は見ていてすがすがしい。タックルベリーはちっとも活躍してくれないし、ジョーンズはちっともおもしろくない。一人がんばっていたのはキャラハン。ダイナマイトボディー(←死語?)の他に、歌まで披露してくれる。ハリスはバレエのシーンが見せ場か。とにかくこれ以上ひどく作れる映画はあるのか・・ってくらいひどい出来。字幕がまたひどい。内容がひどいからせめて字幕で笑わせてやれとでもいうのか、関係ないだじゃれかってに入れる。「何てこった、パンナコッタ」とか。こんなの見るとますます安っぽく感じる。悪あがき、末期症状・・。でもムダと知りつつ入れたくなる気持ちはわかりますよ。