ファーゴ

ファーゴ

コーエン兄弟と言えば、私は「赤ちゃん泥棒」を見たくらいかな。この映画を見たのはフランシス・マクドーマンド目当て。でもなかなか出てこないんだよな。ジェリー(ウィリアム・H・メイシー)は車販売会社の営業部長。妻ジーンは社長の娘。ジェリーは金に困り、カール(スティーヴ・ブシェミ)、ゲア(ピーター・ストーメア)の二人にジーン誘拐を依頼。身代金8万ドルは山分けにしようと。彼がなぜ金に困ってるのかはよくわからない。女でもギャンブルでもなさそう。会社の金で投資をしたら大損したとか?彼は義父には信用されていない。自分の自由になる金が欲しかったとか?ブシェミはこの頃は「コン・エアー」とか「エスケープ・フロム・L.A.」とか”ヘン顔”で目につき始めたところ。ストーメアの方は最初に見たのが「8MM」。髪やヒゲで顔がよくわからないことが多いが、「ファーゴ」では髪も短く、びっくりするほどニコラス・ケイジに似ている。誘拐は次々に死者を出すはめに。ジーンも死んでしまう。マージ(マクドーマンド)が出てくるのは30分以上たってから。夫ノームがジョン・キャロル・リンチ。この頃はまだ若い。マージはおなかが大きく、よっこらよっこらと歩く。赤ちゃんの分までおなかがすくから、食事ももりもり食べる。ノームと二人、バイキング形式の食堂でトレイいっぱいに料理を取る。は~おいしそうだったな・・。最初警官が殺されて、そこへ呼び出されるので、もっと感情的になるかなと思ったが、全然。その後もたんたんと、ゆっくりだがきちんと捜査をする。それが見ていて心地よい。感情的になったのはジェリーに逃げられた時くらい。ノームはたぶんろくな仕事もなく、家で家事をやっているのだろう。家計は彼女が支えているのだと思う。警察署長という仕事だけでも大変なのに、赤ん坊が生まれればもっと仕事が増える。でも彼女なら一つ一つ確実に粘り強くこなしていくのだろう。どうも見ていても誘拐とか大金をめぐっての仲間割れとかじゃなく、マージの言動に目が行ってしまう。ラスト、3セント切手にノームのデザインが採用され、喜ぶマージ。あと二ヶ月で生まれる赤ん坊を楽しみに待つマージとノーム。見ていてこっちまで心が温かくなった