帽子から飛び出した死

帽子から飛び出した死

ロバート・ヤングと言えば「パパは何でも知っている」だが、たぶん私は見てないと思う。「ドクター・ウェルビー」の方は見てた。NHKだったから。映画は初めて。奇術師のモーガン(ヤング)は、霊能力、悪魔関係は信じない方。奇術は人をだますと言ってもその目的は楽しませること。人の弱味につけ込むのは邪道。もちろん全部を否定するつもりはないが、たいていはニセモノ、インチキ。今度ヨーロッパの霊能者ラポート夫人がニューヨークへ来る。来ると言えばモーガンの父親も田舎から出てきた。さて、モーガンは見知らぬ女性に助けを求められるが、このジュディはそれでいてわけを話そうとしない。それじゃあらち明かないと断るが、それだと映画にならないので、助けることに。タウロ教授、サバト博士、脱出王デュヴァロウ、心霊協会会長ワトラス大佐・・次々に出てくるが、誰が誰やら。特にタウロとデュヴァロウの区別がつかないが、これはわざとなんだと後でわかる。降霊会をやるというのでサバトの部屋へ行くと、死んでいる。窓には内側から錠がかかり、ドアも錠とチェーン。錠はともかく、チェーンは外からはかけられない。つまり密室殺人だ。そこへタウロが現われる。あれこれあってその後彼も自宅で死んでいるのが見つかるが、検視をすると、サバトより先に死んでいたことがわかる。部屋に隠れていて、モーガン達がドアを壊し、チェーンをはずして中に入り、死体に気を取られているスキに、いかにも今来たふうを装って現われるというのはよくある手口。でもそのタウロはすでに死んでいた!ではあのタウロは誰?タウロの死体がこつぜんと消えたり、タイプがひとりでに動き出したりと怪現象も起きるが、モーガンは本職だから謎もすぐ解ける。実はジュディはラポート夫人の妹夫であるサバトに洗脳され、自分を霊能者と思い込んでいる姉を助けたかったらしい。サバトは協会の賞金を狙っているとかいうのは、何のことやらよくわからない。モーガンやギャビガン警視は犯人に罠を仕かけることに。弾丸を口で受け止めるというマジックが利用される。銃を撃つ役で出てくるストーム大尉がクールでカッコいい。結局犯人はデュヴァロウ。サバトに脅迫されたためだが、その内容は不明。ヤングは髪も服装もきちんとしていて品がいい。ラブシーンもなく、爽やか。ジュディのチョコソフトみたいな帽子にはびっくり。