相撲道~サムライを継ぐ者たち~

相撲道~サムライを継ぐ者たち~

こんなドキュメンタリーが作られていたなんて全然知らなかった。二つの相撲部屋を半年にわたって取材、撮影。私としては荒汐部屋のモルとムギのドキュメンタリー作って欲しかったけど、もう遅いな。ネコの寿命は短い。前半は元両国の境川部屋で、まだ大関豪栄道が現役。豪栄道と言えば武隈親方として時々NHKの解説やってるけど、荒々しい相撲からは想像もつかない大人ししゃべり方で、最初聞いた時はびっくりしたな。栃煌山の清見潟親方もそうで、私はこの二人の解説や声が好きである。餅つきの時、豪栄道のこと猫が大好きと紹介していて、そうなんですか?この頃はまだ白鵬も鶴竜も稀勢の里もいるけど、境川部屋と高田川部屋がメインということでほとんど出てこない。境川では他に豊響、佐田の海、妙義龍。今幕内で注目されている平戸海もうつる。ういういしいね。對馬洋はイケメンだが、体はテープだらけ。昔からケガが多いんだな。同じ新十両でも20代前半とかならはね返されても次があるけど、彼みたいに30前後とかだともうあと何年もないわけで、やっぱり応援しちゃいます。毎日が交通事故と妙義龍が言ってたけど、毎場所誰か誰かが大けがしてるように見える。相撲は無差別なのが魅力とよく言われるけど、私はそれにも程度ってもんがあると思。大昔舞の海と小錦の対戦を、「楽しみですねえ」なんてテレビで言ってるのを聞いて、「おまえら馬鹿か?」と思ったのは私だけでしょうか。2.5倍くらい体重差のある人を戦わせることを変だとは思わないのかね。楽しみじゃなくて、取り返しのつかないことが起きるのではと心配するのが普通でしょ?相撲はそういうものだ・・ですまされることじゃないでしょ。話を戻して、みんなケガに苦しんでいる。昔ある偉い人・・双葉山・・が(正しい訓練をすれば)相撲くらいケガのないスポーツはないと書いていたけど、今は違うと思う。関係ないけどこの双葉山の「相撲求道録」読み返していたら、若隆景達の祖父、若葉山のことがちょこっと書いてあってびっくりした。整骨院で治療受けてる力士の中に田中山がいる。新潟県ってあんまりめぼしい力士いなくて、豊山は引退しちゃったし。昔は黒姫山ががんばっていて、孫である田中山にも早く上がってきて欲しいけど、なかなか体も大きくならないな・・と言うか、治療の間も眼鏡かけてのが笑えた。はずしたら?

相撲道~サムライを継ぐ者たち~2

力士の食べっぷりのすごさは、監督のおごりで焼き肉店に部屋の全員を・・のエピソードで描かれる。監督も無茶なことしましたな。36人でお会計は80万円以上。さて、豪栄道だけど、成績がるわないのはどこか痛めているためだろうと思うものの、それがどこなのかは白いものがないのでわからない。自分からは決して言わない。「言い訳しない」「やせがまんする」というのは時代に逆行していると思うけど・・と言うのは今はみんなわりとさらけ出すこと多いから・・最後まで信念貫き通す。引退だってびっくりするくらいスパッと・・。元大関がぞろぞろ・・なんて全然珍しくない時代なのに。後半は元安芸乃島の高田川部屋。特に竜電をクローズアップ。大けがをして這い上がってきた今も、誰よりも稽古する。場所中も取り組みの後、部屋で一人黙々と。他に特徴的なのは親方自らがまわしをつけ、土俵に下りること。そうなると弟子は・・そりゃがんばらざるをえませんな。部屋には他に輝がいる。またまた話がそれるけど、私は相撲が好きである。場所が始まると実家で父と二人でテレビを見る。「行司じゃま~」とか「あの人また来てる」とか「ずで~ん」とか楽しくやっているのだが、この輝を見るといつも「水戸黄門」の助さんか格さんをやらせてみたい・・と思ってしまう。体が大きいのに相撲は小さくて、土俵際で逆転されることが多く、いつも父と二人してもっと上に行けるのにと残念がる。父はもっとニコニコすればいいのにと言うが、勝っても負けても表情を変えないがこの人のいいところだと私は思っている。稽古場ではけっこう感情を出していて、そこはびっくりしたけど。色の白い白鷹山見るとシロクマ思い浮かべるし、他の部屋だと翠富士は森の石松、翔猿は遠山の金さん、若元春はそのまま長州脱藩浪士として大河ドラマに出られそう。土俵入りを見ながらいつもそんな妄想こいてる。土俵入りと言えば若元春みたいに愛想よく(←?)おじぎをする人もいれば、御嶽海みたいにほとんど頭も下げず、手をわずかに動かすだけの人もいる。見ていて楽しいよ~。ちなみに父は御嶽海のことは「おんたけさん」と、山にしちゃってる。

相撲道~サムライを継ぐ者たち~3

阿炎は「あえん」、炎鵬は「えんぽー」、朝青龍は「あおしょりゅ」と、どちらも青にしちゃう。栃の若は無表情なので「十一面観音」、嘉風は「坊ちゃん」、智花は「先生」、明瀬山が「でぶちゃん」、貴景勝が「ちんぺ(チビ)」。「ちんぺがんばってるな」といった具合。さて、高田川親方が言うには、教えられたことの8割しか信じるな、あとの2割は自分で編み出せと。うまくいったら)全部自分が編み出したと言えばいいと。これって相撲に限らずすべてのスポーツ、習い事に言えると思うけど。ところで私が相撲をよく見るのは、太極拳に通ずるものがあるからだ。取り組みでは足の形を主に見ている。押すにも受けるにも片足が前に出ていなければ力は出ない。両足が並んでいると弱い。阿炎や大栄翔がつま先立ちで押してるのが気になる。かかとが地面についてないとはずされた時ぱったり前に落ちる。調子のいい時はそれでも勝つけど。スローモーション映像で、相手の体に手が当たってから肘が伸びるところは見ていてほれぼれする。ここも太極拳と同じ。いかん・・また横道にそれてしまった。関取になると個室が与えられるけど、竜電は結婚したので荷物を新居に移している最中。私いつも思うんだけど、関取の人は毎朝稽古のために自宅から部屋まで通うのかしら。そうなるとあまり部屋から遠くには住めないってことかしら。幕下以下は大部屋で、真っ赤なTシャツ着てるのは湘南海かしら。竜電の奥さんは女優かモデルかしらと思うような美人。式は6月で、その前の5月場所では技能賞獲得。結婚式の模様までうつしていて、幸せの絶頂という感じ。その後のこと考えると人生何があるかわからないなと思ってしまう。こうやって絵に描いたような幸せな一場面が映像として残される。その一方でトラブルがネット上に文字として残る。どちらも半永久的にだ。今は誰がいつマスコミの好餌になるかわからない。何だか終わりの方になると相撲以外のことが気になり始めた。最初の方で激しい突きや押しの取り組み見せてくれて迫力は十分感じられたけど、華麗な投げ技ってあまりなかったな。そこは残念だった。まあどんな構成にしても見た後で物足りなさ感じてしまうのはこういうのの宿命だな。