ピラニアシリーズ

ピラニア(1978)

こういうパニック映画はあんまり見ない。ちゃんと解決して気持ちよく終わってくれることがほとんどないからだ。見たのはブラッドフォード・ディルマンが出ているから。彼はこういうのには出ないと思ってたけどそうでもないのね。「大襲来!吸血こうもり」「スウォーム」「燃える昆虫軍団」・・けっこう出てるじゃん!!いつもならきれいにヒゲを剃り、髪もきちんとし、スーツで決めて、育ちのいい紳士(「悪魔のワルツ」とか)、某国のプリンス(「鬼警部アイアンサイド」」とか)。「ピラニア」は1978年製作で、彼は1930年生まれだから40代後半。でも全力疾走とか水中シーンとかきついのもこなしていたな。若い頃の彼は水もしたたる美男で・・今時のハンサムとは全然違う。まあ今じゃ80のじいさんだからどうなってるか知らんが。今回はヒゲもじゃで、せっかくのハンサムが~と残念だった。冒頭バカップルが立入禁止なのにのこのこ入り込んでキャンプ。安全かどうかもわからんのに水に入って・・いやホントにバカですねえ。ポール(ディルマン)は離婚し、山奥で一人暮らしで酒びたり。そこへ現われたのが失踪したカップル捜すマギー。マギー役ヘザー・メンジースは「サウンド・オブ・ミュージック」などに出ている。「S.W.A.T.」のロバート・ユーリックと結婚したけど、彼死んじゃったのよね。ポールの職業はガイドと書いてるサイトもあるが、よくわからない。山奥には陸軍の研究施設があって、ホーク博士が研究を続けている。何でもピラニアの変種作ってベトナムの川に放し・・要するに一種の生物兵器。ベトナム戦争は終わったけど、研究は続く。だって次の戦争に使えるかもしれないじゃん!今では塩水も平気な殺人魚。頭もいい(たぶん)。「ディープ・ブルー」のサメみたい。人里離れた施設は「D.N.A.2」風味。興味深いのはマギーのキャラ。やたら突っ走るバカ女。施設に無断で入り、カップルが沈んでいるかも・・と、プールの水を流す。後先考えず即実行。止めようとした博士の頭殴る。それも二度、三度。・・殺人鬼かよ!排水でピラニアは川に流れ込み、あちこちで犠牲者出す。中にはポールの親友ジャック(キーナン・ウィン)も。でもマギーは絶対あやまらないし、後悔もしない。自分がとんでもないことしたと思ってない。こんな研究やってる博士の方が悪いと思ってるのだろう。ある意味ピラニアよりすごいよ、この女。

ピラニア2

ホーク役はケヴィン・マッカーシー。去年96歳で亡くなったようだ。90過ぎても仕事してたようで・・すごいなあ。IMDbでキャスト見てびっくり。ホークの水中シーンのダブルがエリック・ブレーデン・・え~ッ!そうなの?まあ見ていてもわからんけどね。そもそもポール役はブレーデンがやるはずだったけど、スケジュールの都合か何かでディルマンに代わったようで・・え~ッ!そうなの?もしブレーデンで作られていたら・・(妄想)。ちなみに二人は「新・猿の惑星」で共演ずみ。話を戻して研究所シーンでは特別変異種らしき生物がいくつか出てきて、これがこの先どう関係してくるのかいな・・と思うが、ストーリーには絡まずじまい。見てる人へのサービス?こういうのに特撮使ってるくせに肝腎のピラニアはほとんど見せない。いや別に見たくないけど。音とかカメラのゆらしとか赤く染まる水で見せる。二度ほど大規模なシーンがあって、かなりの人数、手間をかけている。ピラニア本体を見せなくても、怖いことは怖い。軍隊は毒を流すが効果なし。ポールは最後の手段として汚染物質を川に流す。元から川にいた魚等はどうなったのだろう(完全無視)。まあ筋の通った展開など期待しないが。ポールやマギーの警告は、いつでもどこでも誰にでも無視される。リゾート用の土地を買わせるための無料パーティが大惨事の現場となるのは「アリゲーター2」風味。ワックスマン大佐役ブルース・ゴードンはテレビの「アンタッチャブル」のレギュラー。今年1月94歳で亡くなったようだ。ポールの娘スージーは、ふわふわの金髪、白い肌、細い手足で、少年とも少女とも見える。人間にはこういう未分化な美しさが輝く一瞬がある(ビョルン・アンデルセンとか)。なぜか川に入るのがいやなスージーはサマーキャンプの行事から逃れて隠れているが、惨事が起きるとボートを出し、人々を助けようとする。その勇敢さ、冷静さ。がちゃがちゃ食いまくるピラニアなんかよりよっぽど印象に残る。さてこの映画、1995年にリメイクされたようだ。「ザ・ピラニア/殺戮生命体」・・ウィリアム・カットが出ているが、それよりもカズ・ガラスにそそられる(誰も知らないってば!)。ところで今年の夏、「ピラニア3D」が公開されるようだ。監督があの(!)アレクサンドル・アジャということで・・想像つくなあ・・。

ピラニア3D

これぞオバカ映画、3Dわざわざ使って何をしょーもないことやってるのかいな。いや、テレビで見てるから3Dもへったくれもないんだけど。今までのアジャ作品とは違い、明るい太陽の下、広々とした湖という開放的な舞台。出てくるのが体だけはいっちょまえだけど頭は空っぽのバカ連中。いやホントにバカ。食われようが何されようが気の毒じゃない。かえって世の中きれいになる。もちろんこんな食い散らかしたような映像見たくないです。1978年版見たからこちらもついでに・・ただそれだけです。最初の渦巻きあたりから何やら安っぽい。わざとへたなCG見せてるのかしらって思うくらい。湖があって春休みでお祭りで若者達がバカ騒ぎ。湖の底に割れ目ができて、その下にあった地底湖から出てきたのが古いタイプのピラニア。で、食って食って食いまくれ!保安官ジュリーがエリザベス・シュー。息子ジェイクは高校生で、妹や弟の子守りばかりさせられている。ジュリーの夫は?ジェイク役スティーヴン・R・マックイーンはスティーヴ・マックイーンの孫らしい。甘くてかわいらしい感じ。ジェイクはいつの間にか映画(ポルノ?)撮影の手伝いすることになっちゃう。監督デリック役はジェリー・オコンネル。普通なら太り出す頃だが、反対に筋張ってきたぞ。他にヴィング・レイムズ、クリストファー・ロイド、アダム・スコット、リチャード・ドレイファスなどけっこう豪華キャスト。残念なことにジェイクにしろ、彼が好きなケリーにしろ、デリック達にしろ、あんまり好感持てなくて。重そうな体でがんばるシュー、レイムズ、スコット等はよかったけどね。途中でケリーの姿が見えなくなって、ジェイクが捜すシーンがあるけど、何も説明されず、なぜか戻っているとか話の繋ぎがおかしい。まあたぶん筋の通った話の流れなんか気にする必要のない映画なんだろうけど。ワーワーキャーキャーキモチワリィ~!!って楽しめばいい映画なんだろうけど。やっぱりと言うか続編があるらしい。デヴィッド・ハッセルホフにゲイリー・ビジー?ウヒョホわかってるじゃないのこのキャスト!