スワンソング

スワンソング

パットは昔美容師をしていたが、今は施設にいる。隠れてタバコを吸うなど自分のやりたいようにやる頑固者。ある日弁護士が来て、亡くなったリタの遺言で死に化粧をして欲しいと言われるが断る。その後思い直して施設を抜け出し、サンダスキーへ向かう。太陽の照りつける暑い中を歩くシーンが多く、見ていて心配になる。タバコだけでなく酒も飲む。自ら死へ向かって一直線。リタは大金持ちの慈善家。でも途中で別の美容師に乗り換えた。パットの恋人デヴィッドの葬式にも来なかった。パットの行きつけの化粧品店は美容院になっていた。住んでいた家もなくなった。華やかな日々はデヴィッドの死と共に終わった。彼が遺言を残さず死んだため、彼の甥達に何もかも奪われた。アシスタントが彼の店の向かいに店を出し、顧客を奪った。デヴィッドの墓にはパットの名前も刻んである。時々具合が悪くなる。友人のユーニスと再会するが、彼はとっくに死んでいる。夢と現実がごちゃまぜになっている。こういう・・年老いたゲイの役は、今回はウド・キアーだけど、テレンス・スタンプでもいいし、マイケル・ケインでもよさそうだな・・と思いながら見ていた。他の二人と比べ、キアーが主役、出ずっぱりというのは珍しいのでは?たいていちょこっと出てくるだけ。出てきてもいつも年寄りなので、一番新しく、一番年を取ってる今作もいつもと変わらない気がした。若い頃のほっそりとしたイメージが強いが、今回はおなかもポッコリ。リタ役リンダ・エヴァンスは、私は見たことないけど「バークレー牧場」というテレビシリーズに出ていた。バーバラ・スタンウィックやリー・メジャースが出ていたやつ。見たことはなくても「テレビジョンエイジ」のおかげで知識だけはある。がさつに見えたけど実は気さくであったかい黒人美容師達とのやり取り。洋服屋をやってる、実は一回だけパットに金髪にしてもらったことのあるスー。パットがドラッグクイーンのウィッグを直すところ。いくつかのエピソードが積み重ねられ、音楽もたっぷり。でも私は年のせいかだんだん音楽が歌がうるさく感じられてきたけど。それにしても老年のベテラン俳優を主役にしてこんな粋な映画を作ってくれるなんて。私はどちらかと言うとなかみ空っぽ映画専門だけど、たまにはこういうのもいいね。