ビーンシリーズ

ビーン

評判はあまりよくないようだが、私はわりと好きだ。小難しい笑いではなく、わかりやすいのがいい。テレビシリーズの方はほとんど見たことなし。アメリカのグリアソン美術館がホイッスラーの「母の肖像」を5000万ドルで購入。そのお披露目式に出てくれるようイギリスの王立美術館に要請が来る。なぜかビーンが行くことになってしまい・・。彼のことはよくわからないが、警備員らしい。彼をクビにしようとする連中の企みだが、彼は観光気分。世話をするのが学芸員ラングレー(ピーター・マクニコル)。偉い専門家が来るはずが、ビーンはどう見たって変。キレた妻は子供を連れて実家へ。ビーン自身大事な絵を傷物にしてしまい、大ピンチ。最初見た時は将軍役バート・レイノルズくらいしか知ってる人いなかったが、今見るとけっこういろんな人が出ている。王立の方のビーンを気に入ってくれてる会長がジョン・ミルズ、アメリカの方の広報担当の女性がサンドラ・オー、刑事の一人は「ザ・ウォッチャー」のクリス・エリス。ラングレーの息子役の子は「山猫3」に出ていたらしい。でもこの映画で一番印象に残るのはマクニコルである。小柄で髪がチリチリで目がくりくり。よく通る声をしている。ラングレーは真面目な小心者。奥さんの尻に敷かれている。奥さんはビーンが家にいるのが嫌で即実家へ帰るし、そのうち別れましょうなんて言ってくる。向こうの人はがまんしないのだ。そのうちビーンには何の美術の知識もないことがわかり、ラングレーはパニくる。これで自分の将来はおしまい。「イエスタデイ」の曲が効果的に使われる。バスルームで鉢合わせするところ、玉ねぎの前菜、爆発するレンジ・・何度見てもおかしい。ビーンがニセの絵を作り、取り替えるシーンの手際のよさ、パンツやガムの小道具。心配されたスピーチさえ、何とかやってのける。話の内容が単純なのが、かえって聴衆の心を打つ。ここらへんの印象が強いせいか、スピーチに成功して映画は終わり・・って思い込んでしまう。見直す度、あらまだ終わってないんだ・・続きがあったんだ・・とびっくりする。病院のシーンは、見ようによってはやや不謹慎。美術館のエピソードで終わった方がよかった。

Mr.ビーン カンヌで大迷惑?!

みゆき座はいつもそれなりに入っているのだが、今回は少なかったな。金曜初回は割り引き料金なのに17人くらいか。一作目ほど笑えないとかいう批評を読んでいたので、さほど期待していなかった。くじでカンヌ旅行が当たったビーン、パリまでは順調に来たけど(たぶん)、その先がトラブル続き。ビーンのせいで父親が列車に乗れず、ひとりぼっちになってしまった少年との珍道中。言葉はよく通じないし、そのうちビーンは少年を誘拐したことになってしまう。ものすごくおかしいということはなく、まあこんなものかな・・という感じ。ギャグにしても何となく節度があると言うか、とことんまでいかない。私がこれを見たのは、その前に見た「俺たちフィギュアスケーター」とくらべてみたかったせいもある。どっちがより笑えるか・・ってね。でも両方とも意外と節度があったな。日本のテレビで見せられるお笑いの方がよっぽど低俗。さて、ビーンは荷物もお金も切符もパスポートもみんななくすけど、映画だから何とかなっちゃう。いかにも南仏らしい楽天的なムードが漂う。「ジョニー・イングリッシュ」もそうだったけど、明るく楽しく軽快な音楽が流れるので、こっちまで心ウキウキ、リズムに合わせて体動かしたくなっちゃう。お金を稼ぐため口パクで歌うところがいい。深夜車を走らせている時居眠りしそうになるのがおかしい。ビデオカメラの使い方もよかった。旅行の副賞としてもらったので、うれしくてせっせとうつす。そのうつしたものが映画の終盤で意外な使われ方をする。カンヌ映画祭会場ではウィレム・デフォー扮する監督の作品が上映中。ところがこの男とんでもないナルシスト。自分監督自分主演、もうとにかく自分自分自分・・。観客は退屈して眠りこける。何で退場とかブーイングにならないのかな。映画祭をおちょくっているようにも見える。自分達に親切にしてくれたマドモアゼルの出番がカットされているのに憤慨したビーンは、フィルムを操作し自分がうつしたビデオに差し替える。うまく考えられたストーリーだと感心した。映写室が無人というのがいかにも現代的だ。まあ無理して映画館で見る必要はないけど、美しい景色やノリノリの音楽はやっぱりスクリーンで見た方が楽しいよ!