お熱いのがお好き

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1929年、禁酒法時代のシカゴ。ギャングのスパッツ(ジョージ・ラフト)の店がFBIの手入れにあう。手引きをしたチャーリーを含め、七人が報復として殺されるが、それを目撃しちゃったのが失業楽士、ベース弾きのジェリー(ジャック・レモン)とサックス吹きのジョー(トニー・カーティス)。スパッツ達に追われ、どこか遠くに逃げようと、女ばかりの楽団に女装してまぎれ込む。ジョーは楽団メンバーのシュガー(マリリン・モンロー)に一目ぼれし、石油会社の御曹司のフリをする。ウソで固めた演技をし続けるところは「ブルージャスミン」みたいだ。普段から女性をだましてばかりだが、シュガーには本気。ジェリーは大金持ちのオズグッドに見初められ、求婚される。コメディーにしては銃で皆殺しというシーンが二回あり、かなり血なまぐさい。ラフトはギャングスターとして有名らしいが、さすがに古すぎて見たことなし。古い方の「007/カジノ・ロワイヤル」に出ていたらしい。目に特徴があって、酷薄そうなところがセクシーと言えなくもない。モンローは歌も二曲披露。顔はすっきりしているが、上半身は太り気味。特にウエストが太いのが目立つが、当時彼女は妊娠していたらしい。派手に転ぶシーンや走るシーンがあったけど、大丈夫だったのか。役柄は「七年目の浮気」とあまり変わらないが、今回の彼女はややカゲが差してると言うか。モノクロのせいもあるかもしれないが。「七年目」同様現場では迷惑かけまくりだったらしいが・・。さて、これを最初に見た時は吹き替えで、レモンの声は先頃亡くなった愛川欽也氏だったと思う。女装したレモンを見ていて、昔テレビで見た「おかしな、おかしな女の子」をなぜか思い出した。売れない青年が女装したところ人気者にという内容で、この時の声も愛川氏だったっけ。カーティスの方は「3人のエンジェル」のパトリック・スウェイジを思い出した。姿勢がよく、品があり、おしとやか。この映画ではモンローのかわいらしさや、レモンの芸達者ぶりをほめてる人が多いが、私はカーティスの美女ぶりが一番印象に残った。でもそれもモノクロだからそう思うのかもしれない。監督ビリー・ワイルダーがカラーにしなかったのは、カラーだと二人の厚化粧が不自然に見えるからだろう。