冬の嵐

冬の嵐

ビデオをレンタル。地味だがなかなかよく考えられており、暇つぶしに見るにはちょうどいい。冒頭女がコインロッカーから金の入ったカバンを取り出す。その女は尾行していた男に殺され、ハサミで指を切り取られたようだ。・・売れない女優ケイティ(メアリー・スティーンバーゲン)はオーディションを受け、パスする。映画の製作途中で主演女優が姿を消し、困っているらしい。ケイティはその代役を務めるのだ。マレー(ロディ・マクドウォール)という男が彼女をドクター・ルイスの屋敷へ連れていく。ルイスは精神科の医師で、今はプロデューサーをやっているらしい。髪型を変え、メイクをし、与えられたセリフを読む。失踪したジュリーは彼女と瓜二つだ。撮影したテープを、マレーはある家に届ける。そのうちからくりが明かされる。ジュリーは姉のイヴリンが夫を殺すのを目撃するが黙っている。しかしそのせいで精神が不安定になる。彼女を診察し、その過程で殺人のことを知ったルイスは姉を脅迫するよう吹き込む。金は手に入れたものの、ルイスの手に渡る前にジュリーはイヴリンが雇った殺し屋の手にかかる。殺し屋は証拠としてジュリーの指を一本切り落とし、持ち帰る。金をあきらめきれないルイスはマレー(元患者)とともにジュリーに似た女性を捜し出し、ケイティに(私は生きている、金を出せという)芝居をさせ、そのテープをイヴリンに送りつけたのだ。最初はすっかりだまされていたケイティだが、そのうち計画に気づく。しかし薬で眠らされ、指を切り落とされてしまう(痛そ~!)。途中で警官が来ても自分は医者で彼女は患者だと言われれば、医者の方が信用されてしまう。麻酔やら何やらでケイティは分が悪い。途中でイヴリンが出てくるがジュリーそっくり。つまりこの映画ではスティーンバーゲンはケイティ、イヴリン、ジュリーの三役をやっている。容貌は地味だが演技はしっかりしているので安心して見ていられる。イヴリンに殺されそうになるが危うくかわし、とっさに彼女になりすまし、ルイス達をだます。考えてみりゃ彼女は女優だからまねはお手のものだ。ケイティの夫ロブと弟ローランドが彼女を見つけようと奮闘するのもいい。こういう映画は後味の悪い結末になりがちだが、そうならないのもいい。もっともケイティは指は切られるし三人も殺すはめになるしで文句なしのハッピーエンドとはいきませんけどね。