グルメトリップシリーズ

スティーヴとロブのグルメトリップ

ちょっと意外だが、これは日本では未公開のようだ。二人の知名度が低いせいかな。当分見る機会はないと思っていたが、WOWOWでやったので見ることができた。スティーヴ・クーガンとロブ・ブライドンの二人がイギリス北部を旅する。スティーヴは恋人のミッシャと行くつもりだったが、冷却期間を置こうと、今彼女はアメリカにいる。それでロブにお鉢が回ってきたわけだ。スティーヴには元妻との間に子供が二人くらいいて、息子のジョーが飲酒で問題を起こす。ミッシャとはなぜうまくいかなくなったのか不明だが、きっぱり別れようというほどでもないようだ。それでいてスティーヴは一週間の間にマグダやヨランダと一夜を過ごす。アメリカのテレビシリーズの話が来ているが、息子のことを考えると七年もイギリスを離れられない。行けばミッシャには会えるが。スティーヴの置かれた状況は、たいていの人が経験することだ。愛する人がいるけど、目の前の魅力的な女性にも引かれる。手っ取り早く名前を売り、金を稼ぐにはテレビの仕事がいいが、もっといい仕事をしたい。そう思っているうちにいつしか年を取ってしまった。ラストは旅から帰った二人。ロブには暖かく整えられた部屋と、愛する妻子が待っている。夕食時、妻は鍋を焦がしたと白状するが、ロブは気づかない。旅の間に食べたどんな高級料理、創作料理よりもおいしい。こんな家庭的で子煩悩な彼も、イタリア編では・・。スティーヴの部屋はガラス張りで、外がよく見える。誰も迎える者はなく、部屋は冷えきっている。ロブの家庭とは対照的だが、スティーヴがああいう状況を望んでいるとも思えない。エンドクレジットがほとんどなく、デッキの故障でシーンが飛んでしまったのかと思ったほど。こういうのも珍しい。ケイト・ブッシュの「嵐が丘」を車の中で二人で歌っていたので、ハワースに寄るのかと思ったら・・何もなし、残念。料理は、家庭料理じゃ記事にならないと、創作料理・・白い皿にちょぼちょぼっと盛りつけたようなのばかり出てきて、期待はずれ。一番最後に出てきた英国の典型的な朝食くらいだな、おいしそうだったのは。ベン・スティラーがちょこっと出演。ロブの物真似ではアンソニー・ホプキンスのが・・必ず最後はどなり声になるのが笑えた。

イタリアは呼んでいる

これはこちらでも公開されたけど、見に行かなかった。イタリア料理店とのコラボとかテレビで紹介されていたけど、少しは(映画の)お客増えたのだろうか。今回WOWOWでやったのを見たが、映像はとてもきれいだ。それに料理もおいしそう・・最初に出てきたランチのコースね。「ディナーラッシュ」の方は全然おいしそうに見えなかったけど。イタリアンもフレンチもこちとら縁がない。だからおいしそうだとは思っても食べる機会はないし、食べたいとも思わない。これは二作目で、一作目は英国料理らしい。そっちの方がむしろ気になる。スティーヴ・クーガンを最初に見たのはたぶん「80デイズ」。コメディーキャラでもどこか品があり、知性も感じられ、わりと好きな俳優さん。せっかく超大作「80デイズ」で主役張ったのに、超大コケしてかわいそうというのもある。コンビを組むロブ・ブライドンは知らない人。グルメ取材でイタリアをめぐるなんて、それこそおいしい話だと思う。おいしいもの食べていいホテルに泊まって美しい風景見て。時々写真とっていたけど、料理の写真は全然とっていないし、取材もしていない。記事をまとめるとかも全然してないし、これでいいのかなと思ってしまう。たぶんこの映画の売りの半分は、二人の延々と続くおしゃべり。しゃべっていないのは寝ている時だけ。食べ物をほおばったままよくあんなにしゃべれるものだ。映画の蘊蓄やスターの物真似。たぶん英米のお客は大爆笑なのだろう。マイケル・ケイン、アンソニー・ホプキンス、ヒュー・グラントのはよく似ていて笑える。アル・パチーノは似ているのかな。それにしてもしゃべってることは脚本通りなんだろうか、それともアドリブ?映像も映画と言うよりドキュメンタリーみたいで。おしゃべりもうるさいけど、音楽もかなりのもの。最初は快調だけど、そのうち胃にもたれてくる。ヘビーさについて行けない。静けさが欲しい。おなかいっぱい食べて、すぐ小舟で揺られて気持ち悪くならないのか。しかも泳いでるぞ。と思ったら唐突にエンド。でも、ストーリーなんてあるようなないような・・。次はどこをやるのかな。やるんでしょ?ん?スペイン?