悪魔がみている

悪魔がみている

こういうのってストーリー決まってる。今度こそ少しは感心させてくれるかなと期待して見るんだけど、なかなかそうはいかなくて、やっぱりそうかという感じで終わってしまう。トマス(アレック・セカレアヌ)は某国の国境警備兵。終戦になって英国へ渡り、建設作業員としてその日暮らし。眠ると決まって悪夢を見る。火事のせいで寝るところも所持金もなくした彼は、修道女クレアの勧めでとある家へ。最上階にいる病気の母の世話をしているマグダ。女二人の家。寝食を提供する代わりに、家の修繕を。帰り道、クレアはトマスの金を投げ捨てる。あらま、彼を窮状に追い込んだの彼女じゃん。それにマグダに時が来たとか、トマスのこと手土産とか言ってるし、最初から見え見えじゃん。その後トマスはマグダのこと気の毒に思い始め、何とか助けてあげたいと思い始め、あなたそれって相手の思うつぼですやん。もちろん彼には思い出したくない過去があって、今でも夢に見て苦しんでいる。本来は善人で、そうだからこそこうやって苦しむ。化け物めいた母親を見てショックを受け、一度は家を出たものの、結局は戻ってしまう。最後の方でクレアが別の道もあったのにと言うけれど、それができない人だからこそトマスは選ばれたわけで。見ている者は、回想に出てくる女性・・娘に会うため国境を越えようとしてトマスに止められた・・を結局は殺してしまったためにあんなに苦しんでいるのだと思うが、でもちゃんと生きてたな。どうせなら殺してしまったと勘違いしてあんなに苦しんでいたのだというふうにすればいいのに。終わりの方になると、多くの映画がそうであるように、わけのわからない描写が続き、救いのない結末で終わる。説明されてないところはどうぞそっちで想像して補完してくださいねって感じ。不親切と言うか。こんな目にあったのがトマス一人じゃないってことは、新聞記事でわかります。女の方がいつだってしたたかです。男はいつだってお人好しです。出演者は知らない人ばかり。見覚えがあるのはクレア役イメルダ・スタウントンくらい。セカレアヌはちょこっとアントニオ・バンデラス風味。