ハイウェイマン

ハイウェイマン

少し前までは、ジム・カヴィーゼルと言えばこういう役が多かった。過去辛い目に会い、今でも引きずってるという・・。クレイ(カヴィーゼル)は目の前で愛する妻をひき逃げされる。五年たってモリー(ローナ・ミトラ)という女性が狙われ始める。DVDには予告編ついてて、それだと車と美女ビシバシのカーアクション物という感じ。でも見てみるとそうでもないの。冒頭8分くらいはほとんどセリフなし。他の映画とちょっと違うのは悪役ファーゴ(コルム・フィオーレ)。保険外交員の父親からむごたらしい交通事故現場写真を見せられているうちに、自分の中で何やら生まれ育ってしまう。自分も保険屋になり、仕事の合間に殺人。もっとむごたらしい事故を・・とエスカレート。ここまではよくあるキャラ設定。クレイの車に激突されて体がバラバラになるほどの重傷を負うが、ロボットみたいになって生きのびている。車も改造している。普通の映画なら逆で、敵が五体満足、主人公は五体不満足になっているだろう。二人の男の確執に絡んでくるのがモリー。過去、交通事故で家族をなくし、今またファーゴのせいで友人二人を失う。クレイをおびき出すおとりとして誘拐され、クレイの妻と同じドレス着せられる。セリフの少ない抑えたムードはいいが、謎解きのおもしろさは皆無。すでに犯人の正体わかってるし、警察は無能ってことになってる。普通こういう映画だとあれこれ妄想して感想が長くなる私だけど、今回はその余地なし。監督は「ヒッチャー」のロバート・ハーモン。今回もハイウェイに潜む悪魔あぶり出す。車のことはさっぱりわからないので、バラクーダだのエルドラドだの言われたってそれがどうした。ハデなカースタントも別にぃ。カヴィーゼルの悲しみをたたえた目とか、妻の死から五年たってやっと別の女性(モリー)見つめるようになった・・みたいな描写はよかった。ラストも二人を交互にうつし、復讐を終えたクレイはモリーの前から姿を消した・・と思わせといてまた現われる静かなどんでん返しにはホッとさせられた。ここで終わっていてくれたらねえ・・。事故調査官マクリン(レクターシリーズのフランキー・フェイソン)のシーンは完全に余計。彼だって悲惨な事故現場たくさん見てる。でも理性保ってた。クレイよりずっと・・。それなのに・・って感じ。やっぱりハイウェイには人を狂わす悪魔がいるってそう言いたいのかな。