フッテージ
監督はスコット・デリクソン・・てぇことは「地球が静止した日」をとった人ね。と言うか「エミリー・ローズ」の方が有名か?私は見てないけど。ファーストシーンは四人が木に吊るされて死ぬという・・しかもこれが8ミリでうつされていて、この後何度も出てくる。この死んだスティーヴンソン一家の家に引越してきたのがオズワルド一家。エリソン(イーサン・ホーク)は作家だが、もう10年もベストセラーから遠ざかっていて、あせっている。経済的にも行き詰まり、今度の作品に賭けている。スティーヴンソン一家の事件は未解決のまま。娘の一人ステファニーだけが見つかっていない。自分はその謎を解くのだ。そのためにわざわざこの家に移った。妻トレイシーには事件のことは隠してる。彼はすぐ屋根裏に置いてあった段ボール箱に気づく。中には8ミリフィルムが・・。見てみると最初は家族をうつした普通の内容だが、後半はいわゆるスナッフフィルムとなる。撮影時期は古いもので60年代、一番新しいのはもちろんスティーヴンソン一家のだ。書けないあせりや、フィルムの内容のせいで、エリソンの酒量は増える。見ようによっては、酔って正常な判断ができないのでは・・と思える。あるいは夢を見てるんじゃないか。また、こういう、犯罪の証拠であるフィルムをなぜ警察に届けないのかとも思う。たぶんFBIで扱うような規模の犯罪だ。でもエリソンは・・だからこそ手元に置いておく。彼はこれこそビッグチャンスだと思っている。今度こそベストセラー間違いなし。たぶん映画化もされ・・。前にちやほや持てはやされた時のことが忘れられない。今回はあの時の比じゃない。こういうのが亭主だと奥さんは大変だ。もう何度同じことを聞かされたことか。その度にもうおしまいだ、子供を連れて実家へ帰ろう・・と。でも、夫のことを愛しているので、思いとどまる。彼女が見捨てたら彼はどうなる。結局この二人の愛情とか野望とか忍耐とか、そういうもろもろが事態を手遅れにした。エリソンは間違いに気づき、家を出、もう本も書かないと決心しても、運命は結末に向かって走り出し、止めることができなくなっている。全体的には「8MM」「レッド・ドラゴン」「ネスト」と言った、いろんな映画の寄せ集め。「リング」を挙げてる人も多いが、私は見たことなし。子供が取り憑かれ、不快な結末って見え見え。救いがないし、雑音のような音楽も落ち着かない。ミーハーに見えて意外とまともな副保安官はよかった。彼の、「引越ししたことによって、あなたも歴史の一部になったのです」という言葉がキモ。次に事件が起きるのはオズワルドの家。この後スティーヴンソンの家に引越ししてきた家族には何も起こらないってことね。