MR .ROBOT/ミスター・ロボット

MR.ROBOT/ミスター・ロボット

1やあ、君

これはずっと見たいと思っていたので、WOWOWでやってくれた時はうれしかった。録画して一気に10話全部見たけど、感想は書かなかった。どうせもう一度見る。何たってラミ・マレックが主演だ!でも正直言って回を追うごとにつまらなく思えてきた。何だか自分が期待してたのと違う。こんなクスリ中毒の人間が主人公でいいの?困ったことに続きをやってくれない。シーズン4まで、45話あるらしいが、残りはネット配信か何かでしか見られないのかしら。何でテレビでやってくれないの?・・エリオット(マレック)は大手企業・・Eコープとか・・のセキュリティ管理を請け負っているオールセーフのセキュリティ・エンジニア。が、それは昼間の話。彼は天才的なハッカーで、どんな人物の裏の顔もお見通し。犯罪を暴いては警察に通報する。彼は心理学者クリスタのところへ通っている。前の会社で何かやらかし、カウンセリングに通うことを義務づけられているらしい。そのクリスタのことも調べてある。男を見る目がなく、今付き合ってるハンセンというやつも、どうも怪しい。会社の同僚アンジェラとは幼なじみらしい。彼女のボーイフレンド、オリーがなぜかなれなれしく近づいてくる。アンジェラとうまくやるにはエリオットの機嫌も取っておかなくちゃ・・てか?このオリーも他に付き合ってる女がいて、要するに信用できない男。EコープのCTO(最高技術責任者)コルビーが視察に来たが、ITにはうとそう。技術担当上級副社長のタイレルの方が切れ者かも。エリオットは社会不安症だが、処方された薬は捨て、モルヒネを常用している。中毒にならないよう気をつけ、禁断症状用の薬も用意してあるが、麻薬は麻薬だ。彼はしばしば妄想の世界へ入り込む。誰と対していても、その人の裏の裏まで知っているから、現実の世界にとどまっていられない。この人は本当はああだ、こうだと頭の中にいるもう一人が話す。さてハンセンはやはり偽名で、実際には妻子がいて、他にも女がいて、未成年の売春婦も買ってる。クリスタ事実を話せと脅し、ついでに彼のペット・・犬のフリッパーを奪う。次の診察の時、クリスタが傷心を隠し、何気ないふうを装っているのがエリオットにはわかる。ある晩アンジェラから電話が来る。サイバー攻撃を受けており、自分達では対処できないと。

2 1かゼロか

ミスター・ロボット(以下ミスター)ってエリオットのことだと見る前は思っていたけど違った。地下鉄などで彼の前に現われるうさんくさい中年男(クリスチャン・スレイター)がミスター・ロボットというワッペンをつけてる。そうか、スレイターもテレビに出るようになったのか。たぶんカンのいい人は早い段階で彼の正体見破るんだろう。私は数回見てるうちに、「あ、もしかして・・」と思い始めたけど。2話目のラストでミスターがエリオットを突き落とし、見ていてギョッとしたけど、ミスターは○○なのではという、視聴者の疑いをそらすためこういうシーン入れたのかな。ミスターは実在していますよ・・って。エリオットの父エドワードはEコープの腕利きエンジニアだったが、クビになり、白血病で死んだ。このことがエリオットの心に暗い影を落としている。例のサイバー攻撃を仕かけたのはf・ソサエティ。Eコープの所有する金融データを破壊し、世界に革命を起こす。そうすれば人々を苦しめている借金やローンは消えてしまう。ミスターはf・ソサエティのリーダーで、エリオットをスカウトしに来たのか。コルビーが陥れられ、逮捕された後、タイレルが暫定的にCTOになる。彼はエリオットをEコープに引き抜こうとするが、断る。一回目見ている時の私は(鈍いもんで)何もわからず見ている。でも今回はわかった上で見ているから、しきりと「ピエロがお前を嘲笑う」が思い出された。仮面かぶったやつが電波ジャックしてテレビで犯行声明出すし、エリオットは○○だし。ところでf・ソサエティの一員ダーリーンと麻薬の売人シェイラの区別がつかん。エリオットの部屋の中・・暗くてよく見えん。電子レンジはあんなこと(データの破壊)に使っていいのか。壊れるのでは?

3デバッグ

若くてハンサムで切れ者に見えるタイレル。彼はネットには無難な情報しか流しておらず、エリオットにも今のところ彼のことよくわからない。かえってハッキングしたことでこっちの存在を知られたのではと大あわてで消去やら何やら・・電子レンジ大活躍。タイレルはランニングなどで体形を保ち、そこまではいいけど精神的にはかなりアブナイ。金を払ってホームレスをボコボコに殴り、男を引っかける。おなかの大きい妻ヨアンナは緊縛マニアか。ホームレスを痛めつけるところは部下も見ている。これでネットに流出しないなんておかしい。突き落とされてケガをしたエリオットは病院で目覚める。モルヒネを断つようクリスタに言われるが、この病院なんか簡単にシステム侵入ができる職員はバカだし、カルテを書き換えればいい。この回くらいから、それでなくても何が何やらなのがいっそう何が何やらになってくる。またコルビーの疑惑が浮上し、ニュースになるが、彼は陥れられたのではという見方もある。ここでアンジェラの母もエリオットの父と同じ死に方をしたらしいことがわかる。二人が出会ったきっかけも汚染問題をめぐる集団訴訟。汚染の隠蔽指示をしたのがコルビー。20年前のことだ。

4デーモン

金融データ破壊は通常ならハッキングして・・となるが、今回はオフラインで資料が保管されているため別の手を考える必要がある。磁気テープをだめにするには温度管理システムに侵入して温度を上げ、テープを溶かしてしまえばいい。ただ、バックアップコピーが世界五ヶ所に移されるから、その前に。でも準備してるヒマが・・。おまけにエリオットは禁断症状のためダウン。今回は彼が見る長い長い夢が中心。ダーリーンは中国のハッカー集団ダーク・アーミーの助けがいると接触しようとするが、ここで出てくるシスコという男は彼女の恋人か。路上でCDを売り、それにはオリーの秘密(別に付き合ってるステラの写真とか)が入っている。オリーの部屋は盗撮されているようだし、見ていても何が何だかさっぱりわからない。あまりにもクスリの描写が多いのも、こんなの放映していいの?と心配になる。クスリを利用すれば頭はクリアになる・・と言われてるみたいで。

5弱点

囚人が出てくるが、彼はエリオットが通報して逮捕させたヴェラか。彼はシェイラにクスリを卸している凶暴な男。でも、別の番組が始まったのかと思っちゃった。話が飛ぶんだもん。スティール・マウンテンに向かうミスターやエリオット達。施設へ入るのはエリオット一人。途中偶然タイレルとバッタリ。タイレルの意図がわからず、エリオットは緊張のせいかトイレで吐いたりする。温度管理システム侵入には成功したらしい。アンジェラはオリーの不実を知って別れ、実家へ。父が一人で住んでいるが、借金で首が回らないらしい。タイレルは妻と共にスコット夫妻と会食。CTOのポストはタイレルではなくスコットに。ぐやじ~!シェイラは売人から足を洗い、ウエートレスとして働き始める。彼女はエリオットの隣りの部屋に住んでいて気のいい女。それに比べるとダーリーンは暴走気味のところがあるな。あれ?ミスターはダーリーンと会話してるぞ。今回印象に残るのはスティール・マウンテンの案内係ハーパー。見学したいと申し出るが、予約も何もしてないから断られてしまう。億万長者のフリをして何とか入れてもらえたが、見学できる範囲は限られている。目的の場所へ行くためには相手を排除しろとかミスターは過激だが、エリオットは暴力をふるうタイプではない。で、ネットで集めた情報をもとに、ハーパーに言葉の暴力を浴びせる。何の価値もない男・・みたいな。彼は猫をかわいがる気のやさしいタイプから、面と向かってひどいこと言われて呆然とするばかり。無線機を持つ手がふるえていて・・気の毒に。エリオットとしては彼の気をくじいてコントロールするつもりだったんだろうけど、それにしたってひどいやり方だ。

6勇敢な旅人

ヴェラの弟アイザック役は「ロスト・シンボル」で見たばかりのリック・ゴンザレスかな。彼とDJはシェイラを拉致。今夜中にヴェラを脱獄させろとエリオットに迫る。ヴェラだけ逃がすとアレなので、エリオットは囚人全部を逃がすつもり。追い込まれ、パニックになるほど彼の頭はえる。そのうち気づく。アイザックはヴェラには出てきて欲しくない。がつかまったのはアイザックのミス。出てきたらこっちの身が危ない。じゃあ出てきたところを始末すればいいとそそのかすが、結局ヴェラの方が一枚うわて。DJがアイザックを撃ち殺す。おまけに車のトランクにはシェイラの死体。ショッキングな幕切れだった。

7ソース

シェイラの死体はどうしたのだろう。キーをつけたままにしておけば囚人が車を盗んでどこか遠くへ行ってくれるかも。彼女と出会ってからまだ一ヶ月くらいしかたっていないようだ。初めて会った時の思い出・・。クリスタのところには一年間通ったけど、もう終わりだ。何の助けにもならなかったけど。ダーリーンはシスコのフリをしてホワイト・ローズに会おうとする。まあ書いていても何が何やらなんだけど、ホワイト・ローズはダーク・アーミーのボスらしい。最初はエリオットのこと中心だったけど、そのうちサブストーリー的なものに話は広がっていく。アンジェラやタイレルのことに。アンジェラは20年前には失敗に終わったEコープの有毒廃棄物不法投棄隠蔽の問題に取り組み始める。当時訴訟を担当した弁護士ナイヤルに働きかけ、コルビーとの面談に漕ぎつける。そっちが隠蔽を指示したと証言してくれれば、こっちは今回の問題では彼は無実だと証言する。ただそうなると困るのはギデオン。一人の従業員が不正を働いた・・ではすまない。オールセーフは信用をなくし、会社はつぶれ、従業員や家族は路頭に迷う。一方コルビーの後釜にスコットが正式に決まる。パーティの最中、タイレルはスコットの妻シャロンを絞め殺す。全く何やってんだか。エリオットはクリスタのところへ現われ、自分が何をやっていたのか話す。彼女のプライベートを次々に暴き、ショックを与える。エリオットは一つ何かが終わるとデータを消去するようだが、暴かれた方は消去どころじゃないね。

8ホワイト・ローズ

今までそんな描写はなかったけど、ダーリーンとアンジェラは顔見知りのようで。スティール・マウンテンの方はすでにバックアップシステムのコピーが五ヶ所に・・ってことは計画は失敗かなと思ったら、例の温度を上げて磁気テープをだめにするというのはこれからなのか。エリオットはホワイト・ローズに会うが、出番は少ないものの強烈なキャラ。男性だけどお化粧していてやたらタバコふかす。体によくないよ。電磁波などを通さない・・ハッキングされない・・部屋にいる。仕事・・依頼はたくさんある。時間を無駄にすることを嫌う。エリオットに与えられた時間も3分だけ。会話していても、同じことくり返したりすると注意される。まあ何をするにしても人間っておそろしく時間を無駄にしているってことだな。演じているB・D・ウォンは「ジュラシック・パーク」シリーズに出ていたらしい。ホワイト・ローズに会う前、エリオットはアンジェラに会ったけど、ずっと自分の方の問題にかまけていて、彼女を助けることはできなかった。今だって彼女のことよりホワイト・ローズと会うことの方に気を取られている。エリオットは壁を作っていると彼女が言うのも無理はない。今回はっきりするのは、ダーリーンがエリオットの妹だということ。だからアンジェラとも顔見知りなのだ。問題は彼女が妹だということをエリオットが忘れていたこと。これを忘れていたってことは、他にも忘れていることが?あわてて自分で自分を調べてみる。ハッキングしようにもネットには何も出てこない。何も表書きのないディスクを調べてみたら、大量の写真が・・。ミスターと子供の時の自分。どう見たって親子。

9コピー

1994年、パソコンの販売や修理をする小さな店があった。店名はミスター・ロボット。店主のエドワードはそろそろ体調が悪くなり始めている。息子が客から金をくすねても、叱るどころかその金で二人で映画を見に行こう・・となる。アンジェラはオールセーフをやめ、コルビーの件で忙しくなったナイヤルを手伝おうとするが、あっさり断られる。彼女はオールセーフから巨額の賠償金を求められるはずだ。もうIT企業では働けないし、学生ローンは払えず、自己破産するだろう。そのわりにはのん気にしているが。その頃にはシャロンの遺体も発見され、タイレルのところにも刑事が来る。何も知らなかったヨアンナは驚くが、出産騒ぎを起こし、その場をやり過ごす。スコットはタイレルが妻をくどいたと言っている。そのため彼は容疑者に。疑惑の芽は事前に取り除けとばかり、タイレルはクビを言い渡される。スコットはまわりの同情もあってそのままCTOの座に。タイレルにとっては踏んだり蹴ったりだ。記憶が戻り始めたエリオットは、今は別の人が住んでいる実家へ入り込んだり墓地へ行ってみたり。目の前に父の墓があるってことはやっぱり父は本当に死んでいて、ってことはミスターは自分自身だったってことだ。鈍感な私でもすでに気づいていたけど。前、ミスターとタイレルが車の中で話すシーンがあったけど、実際はエリオットがタイレルと話しているってことになる。前にも書いたけどミスターイコールエリオットとわかった上で今回は見ている。だからミスターのことを注意して見ていた。f・ソサエティの中ではダーリーンと会話している。ロメロとも。でも他の二人とは話していなかったと思う。アンジェラのところへ思いがけなくコルビーが来る。先の面談では最初彼は卑猥な言葉を浴びせ、挑発したが、アンジェラはひるまなかった。彼女にはエリオットのようなITの才能はないが、ビジネスの才能はあると見込み、スカウトに来たのだ。もちろん母を殺したEコープで働くなんて考えられないことだが、次の10話では広報担当として働き始めている。コルビーはいやなやつだが、やはり大企業のトップになるだけあって懐の深い面もある。清濁併せ吞むと言うか。エリオットのところへタイレルが来る。女を殺したと話し、罪悪感もないとうそぶく。ゴム手袋をはめるなどエリオットに危機が・・と心配させるが、次のシーンではゲーセンに案内されている。何だよ~心配して損しちゃった。

10決行

ハンセンことレニーはガンになったと嘘をつき、クリスタを呼び出す。彼はエリオットの指示通り彼女に事実を話したのに、警察に通報され離婚されて娘にも会えない。犬もとられた。エリオットはサイバー犯罪課に目をつけられているが、証拠が足りない。協力してくれとかよりを戻してくれとかくどかれるが、クリスタは断る。ただ、彼女もレニーがエリオットにハッキングされていたことは初耳で。ゲーセンではダーリーン達が証拠を始末するのに追われていた。エリオットが消えている間に計画が実行され、ヨーロッパ市場は暴落。みんなエリオットがやったと思っているが、彼には記憶がない。前回タイレルに聞かれた時、すべて自分一人でやってると嘘をついた。計画のことも話したけど彼の姿はどこにもない。彼行き、退院してきたヨアンナと鉢合わせするが、腹の探り合いで終わる。ギデオンはこの危機を何とか乗り切ろうとするが、オールセーフの存続は難しそう。もっともf・ソサエティの主張が本当なら、すべての金融記録は破壊され、借金はチャラになるかも。アンジェラは副社長プルーフについているが、彼は会見の途中拳銃自殺。ショックを受けた彼女に声をかけたのが経営者のプライス。彼は今の危機も何とかなると思っている。相手は宇宙人でも神でもゾンビでもなく人間。人間ならこっちも対処の方法があるはず。その一方でプルーフのことは厄介払いができたと思っている。酒やギャンブルのトラブルを抱え、おまけにストレスに弱い小心者。人間の大きさを示したかと思ったらこの冷酷さ。アンジェラにとってはとまどうことばかり。一方エリオットは、以前ミスターに突き落とされた件は、自分から飛び降りたのだと知る。動画には自分一人しかうつっていない。でも、この動画誰がとってる?それにしても世界中の混乱とか、f・ソサエティの支持者のデモ行進とか、話がずいぶん広がったな。どうやって収拾するのかな。「13F」みたいにもう一段階ありましたってことになるのかな。