ＶＥＴＥＲＡＮ　ヴェテラン

「ドント・ブリーズ」で新境地を開いた（たぶん）スティーブン・ラング。あっちはクソジジイだったけど、相手がこれまたクソ女だったからな。ハイプというドラッグが蔓延している町。フレッド（ラング）はＶＦＷ（海外派遣退役軍人会）支部の店・・酒場をやっている。常連はベトナムで戦ったウォルター、ルー、ダグ、ザブリスキー、朝鮮へ行ったエイブなど。明るいうちから来て、夜中になってもまだいる。若いショーンが来るが、彼は砂漠から帰還したばかり。そこへ飛び込んできたのがエリザベス。彼女の姉ルーシーはハイプ中毒で、ボズのせいで転落死。エリザベスはボズのところから大量のハイプを持ち出し、追われてここへ逃げ込んだ。と言うわけで、若者二人とジジイ六人は店に立てこもり、ボズやヤク中集団と戦うはめに。老いたとはいえジジイ達にはそれなりの経験、スキル、度胸があるし、ショーンは現役兵士。レンジャー連隊の射撃の名手。音楽は腹に響く低音で、「ニューヨーク１９９７」を思わせる。こりゃおもしろくなりそう・・と期待したのだが・・。暗くて何も見えん。本当に何にも見えん。あたしゃ猫じゃない。冗談じゃなくこれじゃ見えん。誰と誰が戦っているのか、どっちが生き残ったのか、どこをやられたのか、どうやって戦っているのか。暗いだけでなく画面が揺れる。ぐるぐる回る。映画の中で戦っているのはジジイばかりだが、これを見ているのだってたぶんジジイやババアが多いだろう。ティーンエージャーが殺到するとも思えん。ポンコツが活躍するらしいから見てみよう・・となる。それでなくても目が悪いのに、映像がこれまたユラユラ、ユッサユッサ、ぐるぐる、フラフラ。映像が揺れているのか、自分が揺れているのか。仲間は次々にやられる。まあフレッドは主役だから生き残るだろう。エリザベスは女だから生き残るだろう。問題はショーンだ。初めて訪れた店で運悪くトラブルに巻き込まれた。まだ若い彼が死んでしまうのはかわいそうだ。でもよかった、彼は生き残った。現役兵士らしく冷静だし度胸もあるし若いから身が軽い。まわりがジジイばっかりだからその若さがまぶしい。てなわけで夜が明けて生き残ったのは三人でした。フレッドは一夜で親友全員なくしちゃった。ウォルターが「ダイ・ハード２」のウィリアム・サドラー、エイブがフレッド・ウィリアムソン。