プレデター
「コマンドー」は自分の娘を助けるために、敵とは言え数え切れないほどの人を殺す。「プレデター」でもそう。こっちは任務だったけど。主人公は絶対死なないし、最後には勝つ。だから「エンド・オブ・デイズ」みたいにシュワちゃんが死んじゃうとオヨヨである。シュワちゃんは死んではいけないのだぜい。もう一つのお約束は、シュワちゃんの肉体美を、これでもかとばかりに見せること。特に二の腕をね。腿をうつすわけにはいかないから腕中心。グラマーな美女も登場しない。お客はシュワちゃんの筋肉だけ見ていればよろし。さて「プレデター」・・正体不明の敵が姿を見せて(ずいぶん前に見たので、透明だってことは覚えていたけど、姿を現わした時はどんなだったかは忘れていた)、ああ、そうそう前もカラス天狗か河童をヒントにしたに違いないと思ったんだっけ・・と、思い出した。あれはどう見たってそうよ。で、体つきは人間で、いろいろ装置がくっついているところは「ロボコップ」。つまりいろんな映画や思いつきの寄せ集めみたいな映画。「ランボー」も入ってるし。で、別にそれはいいんだけど、ハリウッドの悪いところは、なまじ技術があるために何でもとことんさらけ出してしまうこと。「ザ・フライ」もそうだけど、何もかも目に見えるものにしてしまうと、かえって逆効果なのだってどうしてわからないのか。あの生き物が、宇宙人なのか未来人なのか、仲間はいるのか、どこから来たのか、何が目的なのか何の説明もない。いくつかの特徴・・言葉はわからないし(分析はしているけど意味はわかっているかどうか)、人間の目と違うし(主に温度センサーで相手を追う、あるいは動いているかどうかで追跡する)、ケガをすれば何やら液体を流す。強くて正体不明だけど不死身じゃない相手と、こちらもたくましいけど弱い人間との戦い。幸い人間の方には知能がある。ジャングルの地形や、そこにあるものを利用して、何とか生き延びようと戦う。それでいいじゃないの。ヌルヌルクチャクチャをさらけ出して、この映画をただの亜エイリアン映画にしてしまって。それにしても熱を感知して襲ってくるはずなのに、焚き火を焚いてゆうゆうとお仕事ですか?それってどう考えたっておかしい。あれは炎に照らされるシュワちゃんの筋肉を見せるためとしか思えない。ビリーと言うインディアンっぽい人がよかった。
プレデター2
あんなことをするより、丸太の橋を落として、敵が渡れなくする方がいいのにと思いながら見ていた。あるいは、あそこに現われるってわかっているのだし、不死身でもないのだから、橋を渡り始めたら狙い撃ちすればいいのだ。何かストーリー的に穴があるんだよね。でもシュワちゃんの上司だか何だかで「デビルスピーク」の用務員のじいさんが出ていてうれしくなった・・以上は10数年前に書いた感想。「午後のロードショー」でやってくれたので、久しぶりに見た。DVDも持ってるし、ノベライズも読んであるけどいちおう。全体的に乗ってる感じ。わかりやすいし、シュワちゃんの出演作の中でもいい出来だと思う。でも最初見た時はとまどった。宇宙人の出てくるSFだと思ってたから。でもどう見たって戦争アクション。音楽も「ランボー」によく似ている。シュワちゃんもカール・ウェザースも腕が特大の肉団子という感じで辟易する。その上ウェザースははだけた胸が汗で黒光り・・ウゲゲ。CIAがどうとかいう、いかにもうそくさい任務で中米某国へ。ディロン(ウェザース)は目的果たしたようで喜んでいたけど、途中から重要書類なんかどこかへ吹っ飛んでしまって。自分達が助かるかどうかの瀬戸際。プレデターのことは何もわからないけど、だからこそおもしろい。と言うか、前半の戦争アクションに比重かかっていて、そっちまで手が・・金が・・回らなかった?マック役ビル・デュークは本当に黒くて白目しか見えない。最後何もできずに死んじゃって。ビリー(ソニー・ランダム)もそう。何度見ても残念、もったいない。ゲリラの女性アンナが殺されずにすんだのは何も武器を持っていないからかも・・というダッチ(シュワちゃん)のセリフが印象的。プレデターは戦士なのだ。エイリアンみたいに見境なく増えたり攻撃したりしない。ジャングルでひっそり・・なのだ(何を食べているんだろう)。ここで出会ったのが、ある程度訓練を受けた・・グリーンベレーとか、ダッチのような強敵であったせいで、地球人の一部は優秀だと評判が立ち(←?)、「プレデターズ」のような状況になっていったのではないか・・なんちゃって。何度見てもプレデターの描写には感心させられる(マスクをはずした後は別よ)。うっそうとしたジャングル・・見えないけど誰かいる・・気のせいか・・そのうち何やら動き、目がピカッ。対抗するにはやっぱり罠とかそういうのしかなくて。かかったと思ったら動物だったり、罠のせいで味方がやられたりとかお約束の展開だけど、それでもやっぱりおもしろい。何度見ても楽しめる。
プレデター2
1990年製作だが、設定は近未来・・1997年。コメンタリーによると、元々はニューヨークを舞台にしたかったらしい。それだと「ニューヨーク1997」になるな。ところが諸般の事情でロサンゼルスに。ニューヨークの摩天楼にプレデターが吠える・・ってのも見てみたかったな。どうも数字だけ見ると興行的には失敗したようで。シュワちゃんに続投してもらうつもりがだめになって。そういうマイナス面もあるけど、技術の発達とか、プレデターという独創的なキャラがすでにあるとか、続編ならではのプラス面も。もっとも、コメンタリー聞いてると、今ならもっとコンピューターで簡単にできるのに・・とか言っていて。でも、手作業で面倒くさくても、実物使ってるからこその面もあるわけで。最初に見た時は、正直言ってぴんとこなかった。一作目の印象が強すぎたせいで。温暖化のせいで、気象ばかりか人間までおかしくなって、あっちこっちで暴力沙汰。ギャングどうしの抗争、警官との銃撃戦。署内も大混乱。ロス市警のハリガンは腕利きで何度も表彰されているが、それ以上にトラブルメーカー。規則や命令は無視、独断で行動し、暴力的。この映画があんまりヒットしなかったのは、ダニー・グローヴァーを主役にしたからだと私は思っている。背が高く、アクションもでき、演技も問題ないが、どうも見ばえがよくない。いつもカッカしてどなってばかり。品がなくて知性も感じられない。要するに見た目も内面的にも魅力がない。ビル・パクストンがいつものおしゃべりで軽薄な、臆病さと勇敢さのごちゃまぜキャラをやってる。あんなふうに途中で死なせたりせず、もっと冷静で頼もしいキャラにしてハリガン助けるとか。いや、もっと言えば主役に抜擢・・第二のダッチにすりゃよかったのに。女性受けのしないグローヴァーを主役にした時点で、この映画の運命は決まっちゃった。男性はプレデター(の武器)目当てだろうから気にしないだろうけど、大ヒットさせるには女性客も集めなきゃ。他にゲイリー・ビジー、アダム・ボールドウィン、「バンパイア・キッス」とは全くイメージ違うマリア・コンチータ・アロンゾ、「特捜隊アダム12」が懐かしいケント・マッコード(若い頃はトム・クルーズに似てたのだ)、カルヴィン・ロックハート、「ユニバーサル・ソルジャー」でヴァン・ダムの母親役やっていたリリアン・ショーヴァン。なかなか豪華な顔ぶれだ。ところどころ息抜きシーンがあるのもいい。子供の「アメ欲しい?」は名シーン。続編としてはよくできてる方。
ザ・プレデター
追われる宇宙船。空間の裂け目から出てすぐぶつかったのは、ハッブル宇宙望遠鏡らしい。操縦していたプレデターはポッドで脱出。宇宙船はそのままどこかへ。メキシコで麻薬組織のボスを狙撃しようと待機していたスナイパーのマッケナ。空から何か落ちてきて、でもちゃんと仕事は終えた。任務には関係ないけど、好奇心はあるから物体に近づくと、ヘルメットやガントレットが落ちていた。部下と合流するけど、プレデターが現われ・・。村に現われたマッケナはヘルメットなどを送る。異星人との遭遇の証拠だ。直後アメリカへ送還される。彼にはりっぱな軍歴があるが、頭がおかしくなって部下を殺したというので精神病院送りにされそうになる。プレデターの存在は秘密にされているからだ。動いているのはCIAか。護送バスには他に五人乗ってる。ネブラスカ、ネトルズ、コイル、バクスリー、リンチ・・いずれも一癖ありげな猛者だが、さすがに異星人のことは信じてもらえない。一方マッケナが私書箱宛てに送った荷物は自宅へ配達され、息子のローリーが開けてしまう。彼は発達障害で、学校ではいじめられているが、いじめのシーンは映画ではサラッと流される。ノベライズが手に入ったので読んだが、映画はホントにサラッと流す。説明を省いていて、あれ?どうしてこうなるの?という部分がいっぱいある。話を戻して・・ローリーは記憶力にすぐれ、また各国語が理解できる。そのため異星人の使う文字のようなものも解読できる。彼がいじくったせいで、信号をとらえたのか追跡する方のプレデターも地球へ。一方スターゲイザー計画というのがあって、本部へ連れて来られたのが進化生物学者のケイシー。彼女は眠らされているプレデターを見て仰天する。マッケナが遭遇した後、このプレデターがなぜつかまったのかは不明。プレデターを調べたところ、人間のDNAが見つかったというので、ケイシーはさらにびっくり。映画を見ている我々もびっくり。目覚めたプレデターは大暴れするが、いくら眠らせてあるからって、みんな油断しすぎだ。ケイシーがマッケナの話を聞きたいと主張したため、護送バスは病院ではなく本部へ。着くと何やら騒ぎが持ち上がっている。マッケナ達はバスを乗っ取り、プレデターを追う。麻酔銃を手にしたケイシーも途中で加わる。
ザ・プレデター2
さて・・「プレデターズ」の続編は・・と期待するも、年月は空しく過ぎ、代わりにこの映画。主役は知らない人だし・・と思っていたら、何とトーマス・ジェーンの名前が!何で彼が主役じゃないの?しかもIMDbで調べたら串刺しになってる写真が!てことは彼、死んじゃうんだわ。そんな~。ネットには酷評されたなんて書いてあるし、出来が悪いのかしら。でもジェーンが出ているなら見逃すわけにはいかないわッ!WOWOWでやるのを待って・・。夜のシーンが多く、暗い。メキシコの狙撃のシーンからして夜だ。何がどうなってるのかよくわからない。次々にやられるけど、誰がやられたのかもはっきりしない。ヘリを盗むところとか省略されていて、話はどんどん進む。五人のうちリンチは帽子をかぶっているせいか、顔がはっきりしない。どこかで見たような気もするが、「ジョン・ウィック」に出ていたアルフィー・アレンとかいう人。本部で出てくるキース博士も見たような顔。後で調べたらジェイク・ビジー。父親のゲイリー・ビジーは「プレデター2」に出ていて、親子という粋な設定。さて、追跡していた方のプレデターは3メートル以上もある大型で、最初のプレデターは殺されてしまう。プレデターは結局この二体で、あとはプレデター犬とやらが出てくる。この犬がなぜ出てくるのかよくわからないし、後でなぜ凶暴さをなくすのかもわからない。ノベライズによると頭にボルトを打たれたせいだとか。また、ノベライズには旧プレデターからの贈り物プレデターキラーとやらは出てこないし、映画の最後に付け加えられた次につながりそうな後日談もなし。映画としてはめまぐるしさだけが印象に残り、さほどいい出来とも思えない。しかし五人のはみ出し者のオジサン達はプレデター以上に魅力的で、かわいらしくもあり、哀愁も漂い、みんな死んでしまうのが残念で仕方ない。自分で自分を麻酔銃で撃ってしまい、寝てしまったケイシーが目を覚ますところでの五人の表情やしぐさ。後ろの方にうつっている時でもそれぞれが自分の個性を主張している・・その演技の細かさ、うまさ。マッケナ役のボイド・ホルブルックは知らない人。東欧や北欧風の雰囲気がある。他にケイシーがオリヴィア・マン、マッケナの元妻がイヴォンヌ・ストラホフスキー。