ランナウェイ(1997)
「ラッシュアワー」で注目されたクリス・タッカーとブレット・ラトナーのコンビ一作目。ペラペラ口先だけで世間渡っているようなタッカーのキャラが当時は新鮮だった。でも私はこういうキャラ嫌いだけどさ。共演はチャーリー・シーンだけど、完全にタッカーに食われていて、この頃から落ち目という感じなのが何かさびしい。でも10年くらいたって、相変わらず細々とやってるシーンより、太ってフーフー言ってるタッカーの方がむしろ惨めに見えるんだけど。新鮮さ失って人生の汚れいっぱいくっつけてる。この作品でのタッカーはスラッとしている。しなやかでスリムな体型強調する。ストーリーは・・よくわからない。ケチなチンピラ(いちおう仕事は持ってる)、フランクリンがケチな犯罪でつかまって裁判所へ送られる途中、護送バスが襲われる。相手の目的はフランス人のおっさん救い出すこと。おっさんと同じ手錠につながれていたフランクリンも逃げるが、脱走と警官殺しの罪で追われるはめに。一方クビになりかけのテレビレポーター、ラッセル(シーン)。フランクリンを利用してクビの取り消しと特ダネを狙う。これに絡んでいろんなこと(借金でトラブっているフランクリン、大金持ちの令嬢と結婚間近のラッセル)が起こり、いろんな人が登場し・・。それらをうまく捌いているとは思えないんだけど、うまく捌くことよりタッカーのマシンガントークの方がメインなんだろう。フランクリンはろくな人間じゃないけど、彼に限らず出てくる連中のほとんどは低俗。だから誰がどうなろうと知ったこっちゃなくて・・。クライマックスはスタジアムでダイヤの奪い合い。フランクリンとラッセル、刑事二人、フランス人の一味、フランクリンが金を借りてるアロン一味、フランクリンの幼なじみ・・この五つのグループが入り乱れる。だからクライマックスが長い。長すぎる。最後フランクリンはダイヤをばらまくんだけど、こんなに広いところで五つのグループが走り回っていて、ああいう結末にたどり着けるとは思えない。映画だからたどり着くけどさ。生意気なフランクリンには好意を持てず、悪人であるおっさんの方がかえって気の毒に思えたりして・・。ラッセルのフィアンセの母親役でヴェロニカ・カートライト。最初はラッセルを嫌っているけど、いつの間にか味方してたりして、そこがおもしろかった。