ファイナル・インパクト

ファイナル・インパクト

舞台はロシアのウラジオストクらしいが、聞こえてくるのは英語。レーラ(ヴェロニカ・ウスティモーヴァ)は陸上の選手だが、火を見ると幼い頃エレベーターに閉じ込められた記憶が蘇る。いつも長袖なのは腕にヤケドのあとがあるからだ。彼女の母スヴェトラーナはアラボフ(アナトリー・ビリー)と別れて再婚し、今は妊娠中。8歳のエゴールは夫の連れ子か。アラボフは今宇宙ステーション、ミラにいる。彼は娘のヤケドは自分のせいと今でも悔やんでいる。エレベーターが故障し、ショートしたため火の海に。何とか自力で扉を開けようとしたけれど・・。この出来事のせいでレーラはアラボフに心を閉ざし、スヴェトラーナは彼をなじり、たぶんそれで離婚。彼はレーラのことを片時も忘れたことがない。市の監視カメラシステムを使って娘を追う。船長のアントノフに注意されるがやめようとしない。地球には小惑星群が接近中。本体は地球をそれるが、問題はまわりのチリ。太平洋を横切るので影響が出そう。実際には影響どころかまともにぶつかる。こういうのは直前になって判明するというのがお約束。ろくな警告もないまま人々は大災害に遭遇することとなる。逃げる途中レーラは車にはねられる。乗っていた夫婦は彼女を乗せて病院へと急ぐ。妻は茶色の猫ムサをかわいがっているが、キャリーケースに入れる暇もなかったらしい。夫婦が口げんかしてるのに、ムサが気を失ったレーラの上でのんびり寝ているのには笑ってしまった。猫を飼っている人なら覚えがあるだろう。こたつとかに入って横向きに寝ている時、あばらと腰骨の中間のくぼんだところにほどよくおさまって寝ている猫のせいで姿勢を変えられなくて、困ったことを。この災害シーンはなかなか迫力がある。ふと気がつくとミラで生き残ったのはアラボフ一人。他のクルーは全滅。ミラに救援は来ず、大気圏に突入する前に脱出ポッドに乗るしかないが、アラボフはレーラのことが気になる。夫婦とはぐれ、がれきの下になったレーラだが、ほどなく救助される。ぬいぐるみのベビーモニターとやらでアラボフが語りかけてくるが、ここらへんはよくわからない。彼女はぬいぐるみを持って逃げ回っていたっけ?偶然がれきの下にあった?

ファイナル・インパクト2

この後スマホやベビーモニターだけでなく、あらゆるものを使ってアラボフが連絡してくる。ミラはあらゆるものと接続しているようで。道路の信号、車のライト・・こりゃどう見たってミラは軍事衛星だよな、しかも最新鋭の。学校へ行ったはずのエゴールだが、レーラには彼がどこにいるかわかっている。建築中のビルだ。あそこから流星群がよく見えると言ってしまった。と言うわけでせっかく救助されたのに危険な場所へ。もうほとんど崩れかかっているが、運動選手という能力を生かして突き進む。アラボフは宇宙から指示。ミラではビルの図面だって手に入る。私は見る前はお定まりの宇宙人侵略だと思っていた。チリにくっついた有機物質が実は・・って。でも違った。父と娘、宇宙と地球を舞台にしたサバイバル物。アラボフは今度こそレーラを助けるのだ。エゴールを救出し、やれやれとなるが、彼は頭を負傷している。ヘリで避難させたいがもう満員と断られる。その時代わってくれたのがミシャ。レーラが好きらしいが、騒がしい性格の鬱陶しい男。でもその彼は意外といいやつなのであった。彼は片手が義手だが気にしていない。レーラのヤケドだって全然。ちょっとびっくりしたのは彼が14歳なこと。ということはレーラも・・でもどう見ても二人は中学生には見えんけど。港のタンカーの小型タンクが爆発したけど、あと少しで本格的な爆発が起き、町の半分は吹っ飛ぶ。まわりの人は何も知らない。知らせてもパニックが起きるだけだし、アラボフは娘さえ無事に避難してくれたら・・と思っている。ところが!レーラにはそんなことできない。ミシャと二人でタンカーへ向かう。さっきの爆発のせいか船には誰もいない。途中で吹き飛ばされたミシャは気を失い、レーラ一人で消火しなければならなくなる。彼女は火がトラウマなのに!ここらへんになると何となく「サンシャイン2057」風味。でもヒロインだから死んだりしないし、脱出し損ねたアラボフは満足して死んでいく。おまけに例の夫婦とムサはちゃんと助かっていたしよかったよかった。と言うわけで、ありえないし都合よすぎるし長すぎる(父娘に時間割きすぎ)けど、猫がかわいかったので許す!