ダークグラス

ダークグラス

ダリオ・アルジェント82歳の新作。ローマで娼婦が連続して三人殺される。手がかりは犯人が黒いバンに乗っているらしいことだけ。コールガールのディアナは、いやな客の要求をはねつけ、車に乗ってホッとしていると白いバンが追ってくる。色を塗り替えたらしい。追突された彼女の車は別の車と正面衝突。命は助かったもののディアナは盲目に。衝突した車に乗っていたのは中国人一家で、父親は即死、母親は重体、子供のチンは施設へ。自分の責任ではないとは言え、チンの境遇に心を痛めるディアナ。歩行訓練士のリータや盲導犬のネレアの助けで何とか立ち直った彼女の元へ、チンが転がり込んでくる。施設ではいじめられるし、里親のところへは行きたくない。ディアナのところで母親の回復を待ちたい。その母親は死んでしまったのだがチンには言えない。そのうちお金に困るようになるが、ディアナにできるのは売春しかない。その間にも殺人鬼の魔の手は・・。早い段階で警察に頼れば、チンを捜している刑事二人、リータ、通りがかりの男性は死なずにすんだかも。でもディアナはチンを突き放すことができず、彼を連れて逃げ回り、そのため次々犠牲者が・・となる。見ていて困るのはリータの家から逃げ出したあたりから画面が暗くて何がうつっているのかよくわからないこと。アルジェントの作品ってわりと明るいところで惨事が起きるのではなかったっけ?まあ私は彼の作品は古いのしか見てないから・・最近のはどうなのか知らないのだけれど。ずっと目を凝らしていたので疲れちゃった。途中でパッと犯人がうつる。ああ、こいつね。何の驚きもなし。クライマックスもなあ・・暗いマックスで・・。ディアナ役はイレニア・パストレッリ。真っ赤な口紅が毒々しいが、ラストではほとんどノーメイク。シワの寄ったタラコ唇が・・ヒロインの疲労ぶりを表わしている。リータ役がアーシア・アルジェント。昔は細かったけど・・。何と言うか子供と動物頼みって感じで、昔の作品とは全然違ったな。オカルトっぽい雰囲気も独特の美学もなし。盲導犬と警察犬が一緒くたになってるのにも首を傾げた。音楽だけは昔の面影あるけどね。