ハリウッド的殺人事件

ハリウッド的殺人事件

ハリソン・フォードとジョシュ・ハートネットの刑事物とくりゃ誰でも期待する。でも全然ダメ。サイテー。他の出演者はレナ・オリン、ブルース・グリーンウッド、ロリータ・ダヴィドヴィッチ、デヴィッド・キース、マーティン・ランドー、ドワイト・ヨーカム。悪役イザイア・ワシントンは知らない人。さらにルー・ダイアモンド・フィリップス、スモーキー・ロビンソン、エリック・アイドル、フランク・シナトラ・Jr、ロバート・ワグナー、クルプトにマスターP。これだけ揃え、それでもう終わっちゃった。個人的には風俗取締官役のフィリップスがよかった。女装がよく似合う。ハイヒールはいた足を片方ちょこんと上げるのが芸が細かくて笑える。もっと出番あったのに削られたようで残念。同じく少しの出番で印象強烈なのが銃を撃ちまくるチンピラ役マラカイ・デヴィッドソン。「フレイルティー」の犠牲者ブラッドに似てるけど同じ人?ジョー(ハリソン)は刑事のかたわら不動産業を営むが、内情は火の車。ハデな生活ぶりが怪しまれ内部査察を受けるが、副業やってるってすぐわかるだろうに。コールデン(ハートネット)もヨガを教えていて、女性にモテモテだが、刑事をやめて俳優になりたい。こんなふらふらした二人が捜査やったってうまくいくはずないが、都合のいい偶然が重なり、ラッパー殺しも、ジョーと査察官マッコ(グリーンウッド)の確執も、コールデンの父の死の謎も皆解決する。我々はせめて警官くらいはちゃんとした人であって欲しいと思うものだが、こいつらはいったい何だ。コンビ物なら片方は堅物にしなきゃ。二人して副業やケータイに取りつかれてどうするんだよッ!扱う事件もラッパー殺しだから出てくるのが皆ノリだけで生きてるようなアンチャン。クルプト扮するK・ローはソングライターだけど、ジョーは「ゴミ製造人か」って言うの。そこは笑えた。興味のない者にとってはただの雑音。ラップを絡ませれば一味違ったおもしろいものができると皆思うらしいがたいていは失敗する。見ている間中ずっと「もっと真面目にやれ!」と思いっぱなし。さて何で副業なんかできるのかと思うが、警官には残業代が出ないのだそうな。予算がないから超過分は代休になる。それがたまって何ヶ月分にもなるのだ。昔「鬼警部アイアンサイド」でイヴがボランティアみたいなことやっていて、刑事なのにそんなヒマあるのかと不思議だったが、これで納得がいった。