パブリック 図書館の奇跡
白状すると私はエミリオ・エステヴェスはどこに出ているんだろうと思いながら見ていた。普通途中で主人公スチュアートやってるのがエステヴェスなんだと気づくものだが、私はずっとスティーヴ・カレルだと思っていた。やれやれ。さて、シンシナティ公立図書館には、暖を求めてホームレスがやってくる。閉館になると退去させられるが、その夜は帰ろうとしない。寒波のせいで凍死者が相次いでいる。シェルターは満員で受け入れてもらえない。どこにも行き場がない。バリケードを築いて立てこもったため、警察が呼ばれる。スチュアートのアパートが家宅捜索され、彼には前科があり、ホームレスだったこともわかる。朝になれば自然に解決するのに何であんな騒ぎに?と、見ている者は思う。それと外があんまり寒そうには見えない。”公と私”とかホームレスとか問題提起しているけど、別に解決するわけじゃない。交渉人ビル(アレック・ボールドウィン)と息子マイクの問題に解決のきざしが見えないのと一緒だ。いい映画なんだけど、何か物足りない。図書館が舞台なので私なんかは期待しちゃったけど、そんなでもなかったな。本と言うより図書館という場所の意義がメイン。「怒りの葡萄」はよかったけど。スチュアートのキャラはよかったと思う。依存症から立ち直り、学位を取り、過去にこだわらないアンダーソン館長のおかげで今の職に。アパートはきちんと片づき、本の修理で小銭を稼ぐ。食費節約のためトマトやバジルを栽培していて、これが後でピザ配達人との会話に生かされる。管理人アンジェラ(テイラー・シリング)は笑顔がいい。ただ、二人のイチャイチャシーンは余計な気がする。市長選挙出馬の点数稼ぎに事態を早期におさめようとするのが郡検察官デイヴィス。相変わらずこういう憎まれ役ばっかりのクリスチャン・スレイターだが、元気なところを見られてうれしい。警官隊の突入という時になって、姿を現わしたスチュアートやホームレス。彼らがなぜ全裸で出てくるのか疑問に思った人もいるようだが、たぶん全裸で武器も何も持ってないことは一目瞭然なので、警官との衝突も起こりようがない・・そういうことなのでは?さて実は私は司書の資格を取ろうと勉強したことがある。でも教員と違って司書の求人はほぼゼロ。この映画では利用者がいろいろ質問愚問珍問を仕かけてくるが、司書の仕事にはそれに応える参考業務(レファレンスワーク)というのがある。本の整理や貸出業務だけではないのだ。