アラクノフォビア
アラクノフォビアとはクモ恐怖症のことらしい。あたしゃてっきりスーパー毒グモの名前かと。最近ではあまりないが、夜ギョッとするほど大きなクモが天井や壁に張りついていることがある。そういうのはつぶそうとは思わない。大きいとつぶせばなかみいっぱい出て始末に困る。それと夜のクモは家の主(ぬし)だからつぶすなとか、子供の頃言われたような・・。これがゴキブリだったら殺るか殺られるか仁義なき戦いになるけど、クモはねえ・・。WOWOWで見たがお目当てはジェフ・ダニエルズ。90年頃だからまだ若い。35歳くらいか。そんなに太ってないしサラッとした金髪で、こんなお医者さんが来たら患者みんな乗り換えますってば。ベネズエラで新種のクモを発見したアザートン博士(ジュリアン・サンズ)一行。中の一人が突然死するが、元々熱病で体調悪かったので、死んでも誰も不審がらない。遺体は故郷へ。彼を死に追いやった毒グモも棺の中で死体の血を吸いながら一緒に・・。アメリカのある町に着くと、早速メスをナンパして子孫増やす。一方都会から田舎に移り住んだジェニングス一家。引退するはずの老医師サムは「やーめた」と撤回。ジェニングスから見るとサムは処方がいいかげんだし、考えが古くて頑固。続発する突然死もみんな心臓マヒでかたづけちゃう。解剖なんてとんでもない。ジェニングスの疑問は無視される。この映画はもちろんクモがうじゃうじゃ、一噛み即死の怖さ気持ち悪さが売り物。それにジェニングスのクモ恐怖症、害虫駆除屋の太っちょ(ジョン・グッドマン)をプラス。笑わせる部分がけっこうある。でも私は怖さや笑いよりも、受け入れてもらえない新参者の悲しさと言うか、そういうのが印象に残った。最新の医療知識の持ち主よりも、何十年も一緒に住んでいるヤブ医者の方が信用される田舎町。クライマックスはジェニングスが一人で毒グモ相手に奮闘するが、時間が長すぎる。他の連中はその間外で何をしていた?クモが声出すのもやりすぎ。そしてラスト、一家はサンフランシスコに逆戻り。普通はアラクノフォビア克服して町にとどまるはずだがそれはなし。ここなら毒グモの心配はなし。でも地震が・・。余震で貴重なワインのビンが倒れ、なかみがどくどく流れ出すラストが笑える。結局どこにいたって何かしら災難は降りかかるのさッ!