ノマドランド

ノマドランド

私はあまりアカデミー賞受賞作品とかは見ないんだよな。ゴミやクズに引かれる方だからさ。でもまあ時にはこういうのも見るわけよ。夫の働いていた会社がなくなって、社宅にもいられなくなって、おまけにその夫も病死。60代に入ったファーン(フランシス・マクドーマン)は働きたくても勤め口がない。今はアマゾンの配送の仕事があるけど、それだって一時的。家がないからンで寝泊まりしている。ホームレスではなくハウスレス。一緒に働いているリンダ・メイの勧めで、自分と同じようなハウスレスの人達の集まりに参加してみる。彼らは様々な過去を持っている。様々なきっかけでこういう生活にたどり着いた。たいていの人は今の自由な暮らしに満たされている。ファーンには共感できることばかり。そのうち集団は去り、ファーンはほとんど一人で暮らすように。あちこちめぐり、仕事があれば働く。前に出会った人と再会することもある。だから彼らは「さようなら」と言わず、「また会おう」と言って別れるのだ。スワンキーはガンで数ヶ月の命だ。ディヴ(デヴィッド・ストラザーン)はファーンに好意を持っている。彼は孫ができ、わりとすんなり息子夫婦と同居し始めた。息子達はファーンのことは承諾ずみ。一緒になることに何の障害もない。でも彼女は朝早く、まだ誰も起きてこないうちに出発する。ディヴはさぞ落胆したことだろう。彼と一緒になったって、あちこち二人で旅ができるだろうに、やっぱり一人がいいのか。そのうちスワンキーが亡くなり、仲間達で焚き火を囲み、彼女を偲ぶ。出発点であるへ戻り、倉庫に保管してあった家財の残りを処分する。住んでいた社宅に入ってみる。ここははずれで、隣りはもう砂漠だ。今彼女は馬ならぬンを駆ってさすらっているのだ。ピアノを使った静かな曲がいい。でもそれ以外は・・あまりぴんとこなかったな。雄大な景色や自然も「ラサへの道」の方がすごかったし。あっちは五体投地で進むけど、こっちは車でスイスイ。ま、比べちゃいけないんだろうけど。あと、ああいう旅ってもっと危険なんじゃないの?排せつ物の始末も、バケツを使うことはわかったけど、その後は?車内は臭いで大変なんじゃないの?