パッセンジャー
宇宙船の中で一人だけ目を覚ましてしまった青年ジム(クリス・プラット)。目的地へ着くまであと90年もある。孤独にさいなまれるが、若い女性オーロラ(ジェニファー・ローレンス)も目を覚まし・・。新聞の紹介ではジムが故意にオーロラを冬眠から目覚めさせたとは書いてなかったので、見ていてびっくりした。てっきり二人とも装置の不具合で目を覚ますのだと・・。そのせいでいや~な気分がつきまとう。二人が出会って、そのうちイチャイチャし始めるけど、必ずウソがばれて険悪なムードになるに決まってる。で、大ピンチに陥って、それを乗り越えた二人は再び仲良くなるのだ、めでたしめでたし(ケッ!)。ジムが技術者なのもお約束だ。メカ音痴の文学青年とかじゃだめなのだ。「レッド プラネット」のヴァル・キルマーもそうだったけど、エンジニアはピンチに強いのだ。小さなものから宇宙船の修理まで何でもできる。一人いると何かと便利なのだ。途中でいきなりローレンス・フィッシュバーンが出てきてびっくりする。「プレデターズ」かよッ!腹が出てるぞ。30年冬眠しても体形はそのままなのね。船長かと思ったら甲板長ガスで、すぐ具合悪くなって死ぬ。ありゃ何のために出てきたの。それにしても・・オーロラ目覚めさせることができたのなら、他の人だって・・。それがずっと引っかかっているんですけど。でも船内はエラー続きで今にも爆発するとか何とか。で、ああなって(ジムが宇宙空間にほうり出されて、オーロラが届きそうで届かない「ミッション・トゥ・マーズ」が頭をよぎるシーン)、こうなって(死んだも同然のジムを船内に運び込み、蘇生させようとがんばるオーロラの「レッド プラネット」風シーン)、真剣なシーンなのについ笑っちゃう蘇生処置のシーンがあって、ラストでは船長のアンディ・ガルシアがちょこっと出て。重力ターンのところは「サンシャイン2057」風。私は気づかなかったけど、アンドロイドのバーテン、アーサーのところは「シャイニング」風なのだそうな。アーサー役はマーティン・シーン。ものすごいダメージだったはずなのに、宇宙船は何事もなかったように航行・・ってのもよくあるパターン。ジムは一人でいることに耐えられず、オーロラを起こしたけど、オーロラが懸命にジムを蘇生させようとしたのも、一人になりたくないからだ。多くの人命も救ったことだし、ジムのしたことはこれでチャラにしてくださいってか?