宇宙への冒険、禁断の惑星

禁断の惑星

設定は2200年頃らしい。地球を出発して一年で、20光年離れたアルテア星にやってきたアダムス船長達。20年前ここへ来たベララホン号の生存者を捜すのが任務。言語学者モービアスがいたが、助けはいらんとっとと帰れとそっけない。しかし任務だから調査すると、アダムスも頑固。おまけにモービアスの娘アルタが超ミニスカートで出てくるから、ファーマン中尉は早速アタック。ベララホンに乗っていた者は、モービアスとその妻を除き、何者かに殺されたらしい。妻もアルタを残して死亡。モービアスは一人で娘を育てる。彼の説明によると、この星にはクレルという高度な生物がいて、地球にも来たことがあるらしい。彼らの作った想像力養成機とやらを見れば、怪物の正体も予想がつく。そのうち宇宙船が姿の見えない何者かに襲われ、乗組員に犠牲が出る。姿が見える時もあるが、何とも知れぬ異様な感じだ。怪物や宇宙船はアニメか。この映画で印象に残るのは、モービアスがアダムス達を案内して回る、クレル達の遺した警報装置などの機械。「インターステラー」の異次元の世界を見た時、これを思い出した。もう一つ印象に残るのはやはりロボットのロビー。人間が入ってるって丸わかりだが、それでいいのだ。いたずら猿を追い払うシーンがいい。アダムス役はまだ若いレスリー・ニールセン。船医役ウォーレン・スティーヴンスはよく見かける人。「スパイ大作戦」とか。モービアス役はウォルター・ピジョン。アルタ役はアン・フランシス。マリリン・モンローを意識したような感じ受けるのは私だけ?フランシスと言えば唇の脇のホクロがチャームポイントだが、アルタにはなかったような。ファーマンがジャック・ケリー、チーフが「地上最強の美女!バイオニック・ジェミー」などのリチャード・アンダーソン、料理兵がアール・ホリマン。あと、どの人がそうなのかよくわからないけど「バージニアン」のジェームズ・ドルーリーも出ている。私くらいの年齢だとみんなテレビでおなじみの(あるいは「テレビジョンエイジ」でおなじみの)メンバーだ。

宇宙への冒険

「続・禁断の惑星」という副題がついてるけど、ロビーが出ているってだけで、内容につながりはないようだ。原題は「透明少年」とでも訳すのか。透明になっていたずらしたり、空を飛んだり、ロボットをしたがえたり、男の子の夢全開。展開はかったるいが、当時はこれで十分だったのだろう。残念ながら白黒なので、せっかくのSF的要素も魅力が半減。内容は子供向きにしてはちょっと難しいかも。何でも記憶し、瞬時に計算できる大型コンピューター。いつの間にか意思を持ち、人間を支配しようと企む。設計し、操作するのがメリノー博士。演じているフィリップ・アボットはテレビの「FBI」でおなじみ。この頃(1957年)はまだ若い。息子ティミー役リチャード・エヤーはどこかで見たような顔だが「シンバッド七回目の航海」でランプの精やってたらしい。なるほどね。研究所の隅でホコリをかぶり、忘れ去られていたロビー。なぜか修理され、動き回る。大型コンピューターによって性能がアップされ、なかみも変わったような。もたもたしていておもしろくないなあ・・と思いながら見ていた私だけど、ロビーの言動にはところどころはっとさせられるものがあった。ロボットには感情がないこと。命令されたことだけすること。それと人間を傷つけることはできないという「禁断の惑星」での設定も健在。ロビーは大型コンピューターに別のものインストールされちゃったけど、結局は人間(この場合ティミー)に手を出すことができない。ティミーを傷めつけろと大型コンピューターに命令され、インストールされたものと、元からあるものとのせめぎ合いで、ロビーの手がふるえているところ。何も知らず、ロビーを友達だと信じきっているティミーの無邪気なおしゃべり。このシーンはちょっとじわんと来ましたよ。もちろんロビーは人間を傷つけたりしません!感情はなく、形は不格好だけど「気はやさしくて力持ち」。いちおう軍隊に銃やら火炎放射器やらで攻撃されるシーンもあり、見ている子供達ははらはらするんだろうけど、私は別にぃ。だって大型コンピューターによってロビーは破壊不能の強い体に変えられているんだもーん。ラストはハッピーエンド。ご都合主義のストーリーだけどロビーはよかったし、大型コンピューターの造形もよかった。カラーだったらもっと楽しく見れたと思うな。