オフィサー・ダウン
例によって録画してから何年もたってる。最初主人公が何やら決心していて、そこから一週間前に戻る。こういうのはよくあるけど、この映画の場合それがうまくいってるとは思えない。そうか、この場面に至るまでの一週間の出来事を描いているのだなと思いながら見るわけだが、その前の・・二年前の出来事も出てくるので、見ていてあれ?これはいつの話だ?と混乱する。それと例によって出てくる人の区別がつきにくい。例えば私は冒頭出てくる暴行犯が、その後主人公が追うエンジェルだとずっと思っていた。また、ジャンナとカティアの区別もつきにくい。区別がつかないおまえの方が悪いと言われればそれまでだが、これはこれ、あれはあれと整理されてないのも確かだ。男に銃を突きつけられ、絶体絶命のキャラハン。そばにはおびえきった女性が・・彼の奥さんか?いやいや、たぶん彼女は被害者の方。被害者になるところだったのかもしれないが。キャラハンは銃を置き、男を油断させといて、足首に隠したナイフで反撃。逃げた男を追い、倒したと思ったら・・男はバッジを持っていた。つまり警官。六件も暴行事件を起こしているのに、ヴェロナ警部は署の信用のためと称し、もみ消しにかかる。納得できないキャラハン。でもその彼も後でわかるが、人のこと言えるかよってなくらいの過去の持ち主で。キャラハン役はスティーブン・ドーフ。これを録画したのは彼が出ているから。わりと小柄で、サングラスが似合う。鼻の下が長い。薄くヒゲが生えていて、彼の顔を見る度、私は鼻の下がむずむずしてくしゃみが出そうになる。ネットには「タイタニック」の主役の話があったけど断ったとある。ホントかいな。さて、キャラハンには妻と娘がいる。悪夢をよく見る。撃たれる夢だ。腹に傷跡がある。ただ、見ている者は傷より割れた腹筋に目が行く。シックス・パックというやつか。ヴェロナ役は何とジェームズ・ウッズ。ラルーサ警部補がスティーブン・ラング。「ドント・ブリーズ2」はまだか。警官物はたいていコンビを組むが、キャラハンはいつも一人だ。スキャンロン刑事となぜ組まない?このスキャンロンやってるのは「クロウー真・飛翔伝説ー」に出ていたデヴィッド・ボレアナス。ついでに書いておくと、冒頭のレイプ魔警官マカリスターはジョニー・メスナー。「アナコンダ2」のナイスガイがこんな役・・。
オフィサー・ダウン2
しかもその後出てこない。上にも書いたが、私はエンジェルが彼だと勘違いしたまま見てたけど。マカリスターの弁護士はどこかで見たような・・。「ヒドゥン」や「ザ・クロウ」のリチャード・ブルックスだ。キャラハンが以前入りびたっていた店にいるウォーカーがドミニク・パーセル、エンジェルがウィル・ゴギンズ。ゴギンズと、オレグ役の人は「プレデターズ」に出ていた。エンジェルことローグの妻エレンが「パラサイト」に出ていたローラ・ハリス。いや~えらく豪華なキャストですな。さて、二年前のキャラハンは、酒にクスリに女という毎日だった。妻との間もうまくいっていない。ただ、なぜ彼がそうなったのかは説明されない。ある日ストリッパーのカティアが、店のオーナー、オレグが麻薬取引のために用意した金を横取りしようと持ちかけてくる。彼女はその金でこの世界から抜け出すつもりだった。でもキャラハンは何もしなかった。それでいて気づいたオレグに命を狙われたりする。それをかわしたキャラハンは、取引相手二人を見つけ、職務質問をする。いったいどういうつもりだったのかね。取引前でピリピリしている相手が撃ってくることはわかりきっていたのに。撃たれた彼はその時のことはよく覚えていないが、二年もたった今、セルゲイという男が声をかけてくる。彼こそキャラハンの命の恩人なのだという。彼は面倒がいやで、通報だけして立ち去り、その後も名乗り出なかったと。そのセルゲイは日記をキャラハンに託す。彼の娘ジャンナは金を稼ぐためストリッパーになったが、店の常連エンジェルに暴行される。どうせ取り合ってもらえないと警察には届け出なかったが、日記には怒りや悲しみが満ちていた。セルゲイはキャラハンに娘の仇を討って欲しいようだ。ところでキャラハンは、あの事件以来酒もクスリも断っている。それなのにいとも簡単に飲み始める。マカリスターの件で決心もぐらついたのか。飲み始めると今度は止まらなくなる。キャラハンはカティアに情報をもらおうとするが、彼女は断る。あの時何もしてくれなかったせいで、今では自分はこの世界から抜け出すこともできなくなっている。今更協力して欲しいだなんて虫がよすぎる!もっともエンジェルのことはよく知られている。店に入りびたっていて、ダンサー達の似顔絵を描く。きっとそれを口実に女に近づくのだろう。
オフィサー・ダウン3
ある事件で目撃者となった男を見たキャラハンは、そいつが自分を撃った男なのに気づく。そのエリスもキャラハンのことを思い出す。何しろあの事件は新聞に載ったし、通報者に名乗り出てくれるようテレビでも呼びかけた。キャラハンはエリスに遠くへ行くよう言う。彼を突き出す気はない。考えてみりゃ撃たれたおかげで自分は更生できた。あのままだったら酒とクスリでどうなっていたか。もっともエリスがキャラハンの言う通り遠くへ逃げたかどうかは怪しいものだ。悪の世界から抜け出すチャンスを与えられたわけだが、スッパリ縁を切るのは難しい。またキャラハンは自分に都合の悪い人物を体よく追っ払ったとも言える。いつあの夜のことをベラベラしゃべり出されるかわかったもんじゃない。キャラハンはエンジェルが少女達を狙っているらしいことに気づく。授業が終わり、家族が車で迎えに来るのを待っている、その中には自分の娘レニーもいる。妻のアレクサンドラがレニーを迎えに来た。二人はキャラハンがすぐそばにいるなんて夢にも思っていない。レニーはお年頃だ。友達との電話にはマークという名がひんぱんに出てくる。そいつがボーイフレンドか。いやいやマークならまだマシだ。あのエンジェルは変態だ。その頃オレグがカティアを殺し、つかまる。カティアがキャラハンの名刺を持っていたことをラルーサは変に思うが、キャラハンはしらばくれる。彼が酒やクスリに溺れ、クラブに入りびたっていたことをまわりは知らない。たぶんヴェロナがもみ消したのだ。キャラハンは部屋で見つけた銃を密かに持ち帰る。レニーが相談があると言ってきた時にはぴんときた。学校の人のことで・・と言ってるのに、早とちりしてエンジェルのことだと思い込む。そうなるともうレニーはつむじを曲げて、それ以上話してくれない。もうキャラハンの頭の中はエンジェルがレニーを・・となってしまう。クラブへ行って酒をぐいぐい飲み、とうとうエンジェルをオレグの銃で撃ち殺す。ありゃ~とうとうやっちまったぜ!エンジェルは懐から何か出そうとしていたが、それはバッジだった。あのさ、警官なら銃を突きつけられている時に懐から何か出そうとすることが、どんなに危険なことかわかっているでしょうに。何でオレは警官だ!って言わないの?エンジェルは即死、もう取り返しがつかない。
オフィサー・ダウン4
取りあえず銃をその場に置いて逃げる。動揺したキャラハンはセルゲイに電話するが、何だか妙だ。自分が会ったのとは別人?次の日、ヴェロナに呼びつけられる。エンジェルことローグは覆面捜査官だった!キャラハンは何も知らないとウソをつくが、ヴェロナが何か知ってるのは明らか。おまけにローグ殺し事件の担当を任されるはめに。こういうのをドツボにはまるというんですな。まず遺族のところへ弔問に行く。ローグは妻への接近禁止命令を出されていたらしい。娘を見たキャラハンは、学校でレニー達と一緒にいた少女だと気づく。ローグは少女を物色していたのではなく、自分の娘を見ていたのだ。次に本物のセルゲイを訪ねる。確かに彼には娘がいた。ヤクの過剰摂取で死んだことになっているが、本当のところはわからない。家に男を連れてきたことがあるが、それはローグ。日記があったのも確かだが、なくなったと。キャラハンはニセのセルゲイを捜し始める。どうせ前科があって写真をとられているはず。根気よく捜してとうとう見つけ、駆けつけるともう殺されていて。飛び出した男を追うが、逃げられてしまう。ちょうど殺したところに行き合わせるというのは都合がよすぎるが。その男が乗っていた車はローグ名義。この謎は結局説明されないまま。車のことを聞きにローグの妻エレンを訪ねると、妙なことを言う。彼女が案内した地下の部屋にはキャラハンの写真が・・。一瞬ローグはストーカー?ローグはキャラハンを恋してた?なんて思ってしまいましたぜ。あなたに夢中になって夫婦仲が壊れた・・なんてエレンも言うし。写真に資料に録音。ローグはすべてを録音していたようで。それもヴェロナとの会話まで。発端はヴェロナがキャラハンのこと調べるよう命じたこと。部下に悪いうわさがあるので調べてくれと。キャラハンを尾行していたローグは、彼が撃たれた時も近くにいた。通報したのも彼だが、その前にヴェロナに連絡した。車にはウィスキーもヤクもあって、キャラハンが悪人という証拠はつかんだと。ところがヴェロナは署の評判が落ちないよう隠蔽を指示。ローグには納得がいかない。彼はその後ジャンナと愛し合うようになる。でも彼女はヤクの過剰摂取で死んでしまう。二人で逃げようとしたのがウォーカーにばれて殺されたのか。
オフィサー・ダウン5
え~と、これっていつの話?ローグは愛する人を殺されたのにウォーカーに何もしなかったの?彼は酒びたりで精神が不安定だったと言うが、この二つのことが原因だろう。キャラハンが部屋から出てくると、エレンは誰かと電話中。この時の相手が誰だったのか気になるが、不明のまま。キャラハンがここにいると知らせていた。普通なら相手はヴェロナだ。彼ならエレンを操れる。ちゃんと年金を受け取れるようにしてやるとか何とか言って。キャラハンはラルーサに知らせるよう言い、立ち去る。事件の真相を明らかにするものを残してあっさり去って大丈夫なのか。見ている者は心配になる。でも何もなくスルーされる。ラルーサやスキャンロンはオレグを尋問中だが、彼らに地下の部屋のことが伝わった気配はない。キャラハンは覚悟を決め、クラブへ乗り込む。これが冒頭のシーンだな。乗り込む前に警察に通報する。防弾チョッキも着込む。標的はウォーカーだが、バーテンとか用心棒もいる。ウォーカーは、そもそもキャラハンがテレビに出ているのを見てこのことを思いついたとうそぶく。ジャンナの日記を手に入れ、結末を書き換えた。え~全部書き写したの?ジャンナがエンジェルに暴行されたというのはウソだ。二人は愛し合っていたのだから。ニセのセルゲイに恩人と名乗り出させ、キャラハンにローグを殺させるという遠大な、遠回しな、回りくどい方法。その罪をオレグになすりつけ、追い落として店を自分のものに・・。でもオレグはカティア殺しでつかまったから、こんなことする必要は・・??う~ん、何だかわけわかんなくなってきたけど、とにかくキャラハンは腕を撃たれたものの、チョッキのおかげで生き延びた。例によって隠蔽を命じるヴェロナにバッジを返す。この後キャラハンは出頭し、罪を償ったようだ。彼は五年、ヴェロナは三年服役したらしい。は~これって実話なんだ。ネットで、どこまでが実話なのかわからないと書いてる人がいたけど、全くそう。キャラハンのキャラに疑問を抱く人にも同感だ。ただ、つじつまの合わないところがいっぱいあって、ここが変だあそこがおかしいと書くけど、それでいて嫌いになれない映画ってのはある。この映画のようにね。エンドクレジットでダンスが流れるのは違和感があるが、(キャラハンとは対照的な)二人の女性の悲しい結末を思えば、ダンサーを見る目も違ってくるかも。