3022

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これはあまり期待しないで見た。何しろ主演がオマー・エップス。主役ってタイプじゃない。「ドラキュリア」で目にコンタクト入れてヴァンパイアになってたのが思い浮かぶくらい。他にアンガス・マクファディン?どこかで聞いたような・・。「リベリオン」に出ていた締まりのない顔立ちの人かな。こっちではヒゲだらけなのであんまり面影ない。木星の衛星エウロパで、地球の植民地建設が始まる。エウロパと地球の中継点となるのがパンゲア。燃料補給ステーションらしいが、それらしきことやってるシーンはなし。10年ごとに管理する国は変わり、今度はアメリカの番。ここでの生活は最初のうちは快適だったけど、五年目くらいになると精神的に疲れてくる。一番深刻なのが船長のジョン(エップス)で、不眠、夜尿症・・じゃない、夜驚症その他の症状がある。医師のリチャード(マクファディン)は撤退すべきだと進言するが、他の三人は反対する。そんなことしたらキャリアがどうのとか言って。そんなある日、突然衝撃波がパンゲアを襲う。施設は破損し、リサが頭を負傷。リチャードは腑抜け状態だ。それもそのはず地球が消滅してしまった。リサはその後死亡。娘を地球へ残してきたジャッキーは、現実を受け入れられず、脱出ポッドで地球へ戻ると言い張り・・。結局脱出ポッドを失うはめに。三ヶ月後、リチャードは妻の幻覚を見るようになり、船外へ出て死亡。ジョンとジャッキーだけが残る。ジャッキーは薬で安楽死を・・と、ジョンに迫るが、偶然近くに宇宙船が漂っているのを発見。ジョンは気が進まなかったが、誰か乗ってるかもと調べることに。乗り移ってみると、三人のクルーが意識を失って倒れていた。船長のダイアンとクルーのトーマス、ヴィンセント。彼らはISSにいたらしいが、何が起こったのかはわからないと話す。パンゲアは四人が10年過ごすという前提で食料等が備蓄されていて、五年あまりがたったところ。つまり余裕があるということで、五人は早速お祝いのパーティ。酒を飲み、タバコを吸い・・。こういう映画の常として、この三人がお荷物になることは予想つく。だからいつ裏切って本性あらわすかと思いながら見ていた。時々三人は外国語しゃべってたけど、何語なのかな?そのうち、少なくともダイアンはまともなのがわかってくる。

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ジャッキーはまだ地球へ戻って娘を捜すこと考えてるので、ダイアンは地球が爆発するのを見たと事実を話す。地上からの最後の通信で言われたのは「エウロパへ行け」。地球消滅の理由等は結局不明のままだ。ここはちょっと失望。それはともかく彼女達はエウロパを目指していたのだ。途中で食料がなくなり、昏倒していたところを助けられたわけ。もし地球が消滅したら、その時宇宙にいる人達はどうなるんだろうと考えたことはある。その時は助かっても、帰るべきところがなくなってしまったわけで、いずれは酸素か食料がなくなって死ぬことになる。この映画の登場人物達も同じ状態。今は何とか生きてるけど、明るい未来はない。ステーションは修理が必要だし、何よりも人間の精神状態ってやつはもろい。ヤケになったり悲観的になったり自分だけ助かろうとし人を殺したり。要するに暗いシーンが続く。内容が暗いだけでなく、画面も暗く、しかもフラフラ揺れるので、見ていていらつく。ここで揺らす必要どこにもないだろッ!!あと、話が飛ぶと言うか、省略されることも多い。見終わった後でネットで調べていたら、この映画、三年ほどの間を行き来しているのだそうな。私は全然気がつかなかったけど、二回目見て納得した。ちなみに二回目は画面の揺れもさほど気にならない。ジャッキーとジョンの関係もわからない。同じ部屋で寝起きしているので夫婦かなと思ったが。ジャッキーは娘がいるから再婚とか。ジョンがなぜ夜驚症になったのかも不明。症状が進むと幻覚も見始めるらしい。でもこういう映画の常として、ピンチになるとまともになってしぶとく生き残ったりする。まともだった方がおかしくなって死に向かったりする(リチャードのように)。十分あるはずの酸素や食料だが、なぜか怪しくなってくる。二人だと三年持つけど、五人だと一日一食にしても一ヶ月ってそれどういう計算?あと、盛んにタバコふかしてるのが私には信じられない。なぜ大事な空気、わざわざ汚すんだ?そのうち若いヴィンセントは死ぬのはいやだと行動起こす。どうも彼はISSのクルー二人も殺したらしい。ダイアンは服毒自殺だと思っていたようだが。で、なだめようとした彼女は絞め殺されてしまう。この宇宙で生き残った人類は数人・・となった時でも、人間は殺し合うのをやめないのだ。

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自分一人が生き残ったって、孤独に耐えきれず狂死するだけだろうに。この後の部分は見ていてもよくわからない。どことなく「2057」思い出す。全員死亡で終わりかな?と思ったりしたが、ラストは離ればなれになっていたジャッキーとジョンが再会る。再会したってその後どうなることやら。肝腎のエウロパの様子が全くわからないのがもどかしい。植民地建設が始まって20年以上たってる。建設と言うからには向こうにも人間いるはずだが、ダイアンはもう18ヶ月無人とか言ってたな。でも地球とエウロパの間を航行中の宇宙船だっているはず。そのための中継ステーションでしょうが!そういうところは全く不明のまま、ひたすらどよ~んとした描写が続く。暗い。ホントに暗い。ジャッキー役ケイト・ウォルシュはカトリーヌ・ドヌー似の美人。エップスもマクファディンも地味だが、彼女のおかげで少しは華やかに・・。題名の3022だけど、私は見る前は3022年の・・はるか未来の話だと思っていた。今からちょうど1000年後で、その頃なら地球爆発しても不思議じゃない。でも見ていたらそこまで先の年号出てこないし。で、ラスト近くになって一人になったジョンがジャッキーを捜してやっと見つけて、これから向こうへ乗り移ろうという時、パンゲアに搭乗してから3022日目とか言うわけ。あ、日にちなの。でも、それ聞いておかしいなあと思うわけ。五年たってたでしょ、で、その後三ヶ月後とあるでしょ、それ以外にも何日か過ぎてるけど3022日にはならないでしょ。3022日と言えば八年以上で、計算が合わないじゃん。でも、離ればなれになってか三年たっているってことなのだ。果たしてジャッキーは生きているだろうか。気が狂ったか自殺したか、そういうおそれもあるわけ。でも・・何とか彼女は生き延びていた。でもエウロパへは行けないだろうな。三年も無駄にしちゃったからな。空気も食料も・・。てなわけでここまでお先真っ暗の映画も珍しいけど、後味はさほど悪くない。人類最後の一人になったらどうするっていうのがこの映画のテーマだと思うけど、人って最後の最後まで一緒にいる人を求めるってことなのかな。これでもう少し画面が明るく見やすければ、なかなかの出来に思えたと思うよ。