ブルージャスミン

ブルージャスミン

これを見たのは「Virginia/ヴァージニア」のオールデン・エアエンライクが出ているから。ウッディ・アレンの映画らしくセリフの洪水。セレブの座から滑り落ちた後も、そこから抜け出せない女性の話・・前知識はそれくらい。途中から「欲望という名の電車」のパロディに見えてくる。ジャネット(ケイト・ブランシェット)は妹のジンジャーを頼ってニューヨークからサンフランシスコへ。ファーストクラスで来たと聞いて、お金もないのになぜ?とジンジャーは不思議がる。ジャネットの夫ハル(アレック・ボールドウィン)は多くの人をだまし(その中にはジンジャーとオギー夫婦も)、贅沢をし、つかまるとさっさと自殺。無一文になったジャネットは、精神も不安定に。途中でドワイト(ピーター・サースガード)という将来有望な男性とめぐり合い、結婚寸前まで行くが、ウソがばれておじゃんに。見ていてもろくな人がいないと言うか。ジャネットはばれるとわかっていてなぜあんなにウソをつくのか。ところでFBIに通報し、ハルを逮捕させたのは彼女である。彼はさんざん浮気をしていたが、フランス人の小娘に本気になり、結婚したいと言い出す。通報したのは、自分を捨て、二人が結婚するなんて許せないからだろう。安定剤を酒で流し込むシーンが何回も出てきて、自分を大切にしていない感じ。ジンジャーと別れたオギーはジャネットを恨んでいて、ことあるごとに蒸し返す。人生をメチャクチャにされたのだから当然だが、いつまでたっても前に進まず恨み言ばかり。今のジンジャーにはチリというやや粗暴な恋人がいる。途中でアルという男性に乗り換えるが、妻がいるとわかり、チリとよりを戻す。ジャネットよりは幸福とは言え、やや尻軽な感じ。さて、エアエンライクだけど、出番の少なさにはがっかり。うつるのは四回くらいで、顔がはっきりするのは最後の方の二回だけ。ハルと前妻との間にできた息子ダニー役。誇りに思っていた父親の正体を知り、ショックで行方をくらます。後で、結婚して中古の楽器を売ってるとわかる。密告したジャネットのことを怒っていて、もう会いたくないときっぱり。たぶん一時はクスリに溺れ、すさんでいたらしいが、妻のおかげで立ち直ったという感じ。ラストのジャネットは希望ゼロで狂気の世界にいるけど、ダニーは少なくとも前進はしたようで。