インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア

インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア

参考のために見たが、まあ何と言うか古典的な香りのする映画ではありますな。美しくてセクシーな若手男優がいっぱい出ているのだからずいぶん贅沢。彼らが「クイーン」に出ていないのはもっともなハナシ。だってギャラが払えませんがな。主演のブラッド・ピットは確かに美しいが、それは顔の上半分だけ。下半分はどうもしまりがない。ヴァンパイアになりきれず、人間の心を残している悩める青年・・という設定なので、ゆるんだ顔つきも人間的でよいのだが、もうちょっときりっとしていたらさぞや輝くばかりの美しさだっただろうと思う。アントニオ・バンデラスは出演していることを忘れた頃にやっと出てくる。彼とピットの絡みをもっと多くすればかなりおもしろくなったのに。アルマンが明らかにルイに興味を示しているのに、ルイが全く問題にしていないのは見ていて残念だった。映画ではレスタトとの関わりに重点が置かれているのだが、トム・クルーズのレスタトはどうもねえ。トムにはこういう役って似合わないのでは?演技がどうこうじゃなくて、イメージが非ヨーロッパ的、非古典的。トムって典型的な現代アメリカ青年というイメージがあるから。私には完全にミスキャストのように思えた。原作者は女性だからどうしてもルイやレスタトを美しく描いていて、ルイが愛するクロウディアは別として、他の女性はどうでもいい感じ。少女を愛するというのは変わった設定だと思う。子供だけに限度を知らず、ルイを困らせたりもするのだが、30年たっても子供のままというのも気の毒である。ヴァンパイアになった時のままでその後ずっと生きるわけだから、美しい大人の女性を見て「私もあんなふうになりたい」と思ってもその望みは永遠にかなわない。レスタトはルイにヴァンパイアには何の悩みもないなんて言ったけど、けっこうごたごたして悩み事はあるし、永遠の命のはずなのにクロウディアは太陽の光を浴びてあっけなく死んじゃうしで言ってることと違うじゃん。ばかばかしいストーリーだし、出演者のとってつけたような演技もうそくさい。何でこんなのが高い評価を受けるのかなんて思いながら見ていたけど、そのうちに内容に引き込まれ、悪くないな・・と思いながら見ている自分に気がついた。ただトムのレスタトには最後までなじめなかったけれど。それとエンドロールもあれでは気分ぶちこわし。もっとエレガントに終わって欲しかったよーん。