ラスト・デイズ・オン・マーズ

ラスト・デイズ・オン・マーズ

これはいちおう日本では劇場で公開されたらしい。WOWOWで見たのは、リーヴ・シュレイバーが出ているから。火星、ゾンビと来れば、内容は予想つくけどね。2036年、火星には基地が作られており、隊員は八人。任期は六ヶ月で、それもあと19時間あまりで終わりだが、何の収穫もなかったせいで、隊員の士気は低い。特にキム(オリヴィア・ウィリアムズ)は不機嫌さを隠さず、トゲのある言い方をするので、余計険悪ムードになる。マルコは通信設備に問題があるとか言って外へ出たがり、隊長ブルネル(イライアス・コーティーズ)はハリントンと一緒に行かせる。実はマルコは微生物を見つけ、それを秘密にしていたのだった。それに気づいたキムは、手柄を一人じめする気よ・・と怒る。ところが地面が陥没してマルコが転落。隊長は遺体を回収するようにという母船の指示を受け、穴に近づく。生物発見のことは、これがすむまで伏せておくことに。ヴィンセント(シュレイバー)が下りてみると、マルコの姿はなし。ダルビーの姿もなし。二人ともバクテリアに侵され、ゾンビとなって仲間を襲い出す。目についたことが二つあって、一つはなかなかいい顔ぶれを揃えていること。シュレイバー、コーティーズ、ウィリアムズ、いずれも地味だが堅実なタイプ。レーン役ロモーラ・ガライはドリュー・バリモアを清楚にした感じ。見たことはないが「エマ ~恋するキューピッド」というのに出ている。目についた二つめは、隊員達の仲の悪さ。ヴィンセントは何やらトラウマを背負っているようだが、普通の好青年。レーンは物静かで温かい性格、ブルネルは公平で人格者・・と、まともな者もいるのだが、マルコは抜け駆けしようとするし、キムはまわりに毒をまき散らすし、アーウィンは自分が助かるためにはキムを見捨てる。事件が起きる前にすでに基地に怠惰でなげやりなムードが漂っている。こういうのは珍しい。ゾンビとの戦いは光がチカチカして、画面が揺れまくりで、何が何だかわからない。非常時のマニュアルがないらしく、物事は悪い方へ悪い方へと転がる。一人生き残ったヴィンセントも、感染してるかもしれないという希望のないラスト。キムが死ぬところはうつらないので、もしかしたら生き延びたかも・・と思ったが、ラスト近くのゾンビの中にいたのかな?誰が誰だか全然わからないのはちょっと困るね。エンドクレジットの静かな音楽はよかった。