TANG タング

TANG タング

健(二宮和也氏)は医者を目指していたが、あることがきっかけで挫折。今は家でぶらぶらしている。妻の絵美(満島ひかりさん)は弁護士だが、無気力な健には当然のことながら腹が立つ。ある日いかにも旧式な形をしたロボットが現われ、自分ではタングと名乗る。健は絵美に家を追い出されるが、製造した会社で旧式ロボットを最新式に交換するキャンペーンやってると知り、新しいのをプレゼントして妻のご機嫌を取ろうと北海道から福岡へ。ところが適用外と断られ、当てがはずれてしまう。次にロボット工学の大槻に液漏れを起こしたタングを直してもらおうと中国の深圳に飛ぶが、二人組にタングをさらわれてしまう。で、二人のボスらしい加藤が現われて、彼らはいかにも悪者に思えるが、実は違ってて。タングを作った馬場教授(武田鉄矢氏)は宮古島にいる。連れ歩いているうちに情がわいてきたけど、本当の持ち主は馬場。いやがるタングを渡し、帰ろうとすると加藤が現われ、そこで事情が明らかになる。軍事目的のアンドロイド。そのうちの一体ジェームズにありえないことが起きる。ロボットなのに恐怖心が・・。よりいっそう人間に近づいた・・その手柄を馬場は一人めにしようとする。まあ要するにマッドサイエンティストってことですな。で、ちょっとしたアクションがあって、馬場の手から逃れたものの、今度はタングの記憶が失われ・・。えーと最初ジェームズで、記憶を失ってタングとして北海道へ流れ着き、健にはなぜタングが自分達の前に現われたのか理由がわからないんだけど、それは偶然で。後でタングの回想シーンが入り、いきさつが説明される。なぜタングと名乗ったのかも。途中雨宿りしているシーンではタングのそばにニャンコ。かわいいなあ。で、話を戻して馬場のところでロッカーの下敷きになって壊れてしまって、加藤の指示で健が直し、生き返ったと喜んだのもつかの間、今度はタングの記憶がなくなってジェームズに戻っちゃってる。これじゃあ「心の旅路」じゃないか!もちろんそのままで終わるわけがなく、タングに戻りますけどね。涙や鼻水の後で。大槻は深圳の後は全然出てこない。扱いが中途半端で、何のために出てきたのやら。加藤も最初出てきた時点で事情をちゃんと説明していれば、誤解は解けたはずだが、それをしない。

TANG タング2

その後で馬場が連絡してきた時、健が何も疑わず受け入れるのもおかしい。なぜ彼が健の電話番号を知っているのか。タングの目を通して誰かがモニターしているところが何度かうつる。私は加藤だと思っていたけど実際は馬場。彼は何が起きているのかみんな知っていたわけだが、そのわりには何もしていない。タングが加藤達に回収されるおそれも大いにあったのに。健はいちおう馬場に事情を聞こうとするが、それもうやむやのままとなる。一方何も連絡してこない健に対し、絵美は別れる決心をする。もちろん止めてくれる要素があればすぐにでも飛びつきたいが、やっと連絡がついた健の反応は鈍い。彼にはまだ言ってないけど絵美は妊娠している。なぜそれを打ち明けないのかね。家を出ようという時に健とタングが戻ってくるわけだが、心を入れ替えた健が再び医者に挑戦すると言うところをだらだらと描く。これが洋画なら早々に抱き合ってキスしてとなるところだ。何をモタモタしているのかね。二宮氏はいろんなのに出ているけど、見るのは初めて。演技は別として迫力の感じられない人だ。アクションシーンでは特にそう感じる。要するにひ弱な感じ。もう片方の馬場は70過ぎた武田氏だから、見ていて心配になる。さて、この映画のキモは何と言ってもタングのかわいらしさにある。形としては「ウォーリー」に似ているか。と言ってもどんな形だったかよく覚えてないけど。ジェームズの時はあんな旧式な形ではなく、なかみだけ入れ替えたのかしら。タングはあまりにも表情豊かで無邪気で元気がよく、人間でいうと5歳くらいの幼児そのまんま。それに比べ人間の方は・・演じている俳優さん達ってことだけど・・すべてが硬い。ところで軍事用で感情がないはずなのに恐怖心が・・はわかったけど、人間の子供そのまんまの感情はどこから来ているのだろう。恐怖心同様何もないところへポッと発生したのか。でもってタングのことを除くと、この映画目新しいものは何もない。壊れかけた夫婦の仲が・・なんて今更という感じ。家族揃って安心して見られるのは確かだが、子供の心をがっちりつかむと言うより、大人のノスタルジー感に訴える要素の方が強いと思う。