ローズマリーの赤ちゃん

ローズマリーの赤ちゃん

これは全部ちゃんと見たのは初めてだと思う。ほぼ原作に忠実な流れ。ローズマリー(ミア・ファロー)は俳優のガイ(ジョン・カサヴェデス)と結婚。ステキなアパートも見つけた。一世帯用のを二世帯用に改装してある。クローゼットの前には大きなタンスが置かれ、案内の管理人は首を傾げるが、たぶんここを通って隣りと行き来できるのだ。そのうちローズマリーはテリーという若い女性と知り合う。彼女は隣りのカスタベット夫妻のところに居候している。麻薬に溺れていたが夫妻に助けられ、娘のように扱われ、感謝しているとのこと。その数日後に飛び降り自殺。これがきっかけでカスタベット夫妻との交際が始まる。ちゃんとした説明はないが、たぶんテリーが悪魔の子供を身ごもるはずだったのだ。若くて妊娠能力があり、身寄りもほとんどいない。自殺か事故か不明だが、彼女の死でローズマリーにお鉢が回ってきたのだ。彼女の父親代わりのハッチは、このアパートには悪いうわさがあると心配する。こういう、悪魔絡みの映画はだいたい同じ展開。信じていた人に裏切られ、力になってくれそうな人は死ぬ。ハッピーエンドはありえない。生き延びるには自分が悪魔の世界へ入るしかない。ガイは自分の野望のために妻を悪魔に差し出し、ライバルを蹴落とす。ちなみに失明させられたライバル役でトニー・カーティスが声だけ出演。ローズマリーは妊娠を喜ぶが、絶え間のない痛みに悩まされる。一流の医師サバスティンに見てもらっているが、いっこうによくならない。ある日とうとう心が折れ、女友達の前で泣き出す。私にはこのシーンが一番印象的で。果てしない苦痛・苦悩・恐怖。男どもにはわかってもらえないが、女性にはわかってもらえる。同情や温かいなぐさめを得られる。それにしてもガイだけいい思いをし、ローズマリーばかりがひどい目に会うのは納得がいかない。彼女が赤ん坊を育てるのならガイはもう用ずみ。ミンチにして赤ん坊の離乳食にしてやりな!管理人役は「生れながらの殺し屋」などのエリシャ・クック・ジュニア、サバスティン役は「ジグザグ」のラルフ・ベラミー、ミニー役は「刑事コロンボ」に出ていたルース・ゴードン。ファローは大熱演。当時のファッションやインテリアも楽しめる。数回ヌードが出てくるが、顔をうつさないからボディダブルだろう。