パラノイド・シンドローム

パラノイド・シンドローム

ウィノナ・ライダーとジェームズ・フランコという、いちおう名の知られた人が出ているし、サスペンス物らしいので期待したけど、全然だめでしたな。とにかく何が何だかさっぱりわからない。ここまで不親切だと、見ているのが苦痛。登場人物に共感もできない。ヒロインであるマーティーン(ライダー)ですら、どうなろうと興味持てないほど。最後の方でどうやら被害者らしいってわかるけど、だからってな~んも感じない。劇作家のマーティーンは、夫で役者のレイモンドら数人と新作の稽古に入っている。新進のタイロン(フランコ)も加わるが、そのせいで何やら不穏なムードが漂い始める。マーティーンは正気を失っていき、劇は変更しまくりで収拾がつかなくなる。彼女がおかしくなっていくのと同時に、劇の内容も暴露めいてくるけど、あまりはっきりしない。彼女はレイモンドの浮気を疑っているのか。相手はアニタか、ジュリーか。レイモンドは彼女に毒を盛っているのか。それはなぜか。離婚したいならすればいいじゃないか。世間体を気にするほどの大物カップルじゃなし、マーティーンに財産があるとも思えんし。途中でインタビューを受けたばかりの記者エリザベスがひき逃げにあったと、刑事二人がやってくる。ここでやっと事件めいたものが起きたぞ・・と期待させるが・・。昏睡状態のはずのエリザベスから電話かかってくるし、幻覚でも見たのか。銅の錠剤にしても何だったのか。タイロンの役回りも不明。悪魔的な男なのか、それともマーティーンを救い、真相を明らかにしてくれるのか。結局何もしない。目がトロンとしてて不健康そうで、いつも椅子にだらしなくもたれ込んでいるだけ。中ではアニタが少しはマシか。劇の内容に何度も「意図がわからない」と不満を言うが、見ている我々も同感だ。この映画を作った意図がわからない。レイモンド役ジョシュ・ハミルトンは「エレメンタリー」に出ていた。あの時も何で妻を殺すのかはっきりしない夫の役で・・。アニタ役マリン・アイルランドは特徴のある顔立ちで、確かフォロワーやってたよな・・うん、「ザ・フォロイング」のアマンダだ。エリザベス役の人はすごい美人。ダグマーラ・ドミンスク・・パトリック・ウィルソンの奥さんらしい。てなわけで、見ても時間の無駄というアホ映画でした。あらぬ疑いをかけられたチャイナ系の(たぶん)オッサン気の毒に。