ルパン

ルパン

レディス・デーだけど15人くらいか。「ルパン」シリーズは読んだことなし。「ホームズ」も全然読んだことなくて、今せっせと読んでいるのはポアロとマープル。本棚に赤い背表紙の文庫本が増殖中。これを見に行ったのはハリウッド製とは一味違うフランス映画を楽しみたかったから。その通りゴージャスなムードはたっぷり楽しめたが、ストーリーは・・目まぐるしすぎて何が何だかわからん。おまけに散漫。何がメインなの?財宝捜しにしぼって謎解きとか盗みのテクニックとか見せればいいのに。見つけたものの宝石がパラパラ落ちて・・それで終わりかよッ!仲良く山分けすりゃいいのに・・実の親子で殺し合いかよッ!メインは財宝より親子の愛憎、男女の愛憎。その中心にいるルパンがまた笑っちゃうような男で・・。背が低い、顔がデカイ、肩幅狭い、ヒゲ似合わん。「ベニスに死す」のダーク・ボガードみたい。ところどころチャップリン入ってる。小説のルパンもあんなかる~い性格なのかしら。くつろいだ格好していても、スキのない紳士の格好していても、どこか軽い、しまりがない、フットワークよさそう。じっちゃんがこれだもん、三世はああなるわさ隔世遺伝。ルパン役が合っていないとけなす批評が多いが、私はロマン・デュリスは悪くないと思っている。上流社会の女性は退屈しているから、完璧な二枚目よりもああいう「おもしろいことを言って楽しませてくれる男性」の方がお好みなのだ。ルパンの母親役の人は「コーラス」で見たばかり。パスカル・グレゴリーが父親だというのは途中でうすうすわかってくる。顔をつぶされた死体なんて身代わりに決まってる。びっくりしたのはマチュー・カリエールが出ていたこと。70年代初め「風の季節」で話題になっていたけど、田舎にいては見られるわけもなく・・「スクリーン」誌に掲載された写真の、端正な顔立ちに見入るだけ・・。いつか見てみたい「風の季節」。30数年たって初々しい美青年もこんな老け役ですか・・まだ50代だってのに。クリスティン・スコット・トーマス扮するカリオストロ伯爵夫人は、いったい何が目的なんですかね。財宝?永遠の若さ?男をとりこにすること?爆弾しかけて無関係な人みんな巻き添えにしてまるでテロリスト。ああいうの野放しにしておいて向こうは不老不死なのにルパンは老けちゃった。しょぼいラストにがっくり、「2」でリベンジ頼みまっせ。