アメリカン・スウィート・ハート

アメリカン・スウィートハート

これは数年前古本屋でノベライズ買って読んだけど、映画は今回やっと。エディ(ジョン・キューザック)とグウェン(キャサリン・ゼタ=ジョーンズ)はスターカップル。共演した映画は皆大ヒット。幸せな結婚をし、アメリカの理想のカップル。ところがグウェンがスペイン男ヘクター(ハンク・アザリア)と浮気。嫉妬に駆られたエディは二人に車で突っ込み・・今は施設で療養中。二人が共演した映画の公開が迫っているのに、監督のワイドマン(クリストファー・ウォーケン)はフィルムを渡してくれない。プロデューサーのキングマン(スタンリー・トゥッチ)に頼まれた凄腕宣伝マン、リー(ビリー・クリスタル)は、二人を公の場所に連れ出し、映画の宣伝に努める。エディの方はまだグウェンに未練があるが、彼女の方はこれを機に離婚届を出すつもり。一方付き人で妹のキキ(ジュリア・ロバーツ)は、前からエディに引かれている。・・こうやって書いていても感じるが、誰がどうなろうとどうでもいい話。他の出演はアラン・アーキン、セス・グリーン、レイン・ウィルソン。二大美人女優の対決、恋の火花炸裂・・それでいくのかと思ったら、作り手は別のことに力入れてる。宣伝のためなら何でもするえげつなさ。やっと試写に漕ぎつけたワイドマンの映画は、ドキュメンタリーになっていた。隠しカメラ、隠しマイクでとらえられたグウェンやキングマンの裏の顔。こんなプライバシー侵害の、隠しどり映画でも、ヒットするならいくらでも・・ってか?これがどんでん返しのつもり?映画を見ている我々が大笑いするとでも?案の定ネットで調べたら評価はさんざん。美男美女の三角関係なら、それでいけばよかったんだよな。ハデでわがままな美人姉と、内気でデブの妹。エディは見かけに引かれて姉と結婚するけど裏切られ、妹の性格のよさにやっと気づく。妹は30キロの減量に成功し、姉以上の美女になってる。普通にそういう流れでよかったのでは?キキがデブのままだったら引かれてたかどうか・・という皮肉をスパイスに、しゃれたコメディーができたはず。ナニの大きさにこだわるヘクター、ナニにとげが刺さったエディ、ナニに犬が寄ってくるリー・・ホント、バカじゃないの?下ネタ連発で笑い取ろうっての?キキはなぜ太ったのか。姉にすべてを支配されたストレスのせいだ。でもエディと結ばれそうになった時、こんな太った体を見られるのは恥ずかしい・・と逃げ出し、一大決心をしてやせたのだ。そういう背景が全然描かれていない。あたしゃてっきり・・ワイドマンのドキュメンタリーは、キキ変身の過程だと思ったんですけどねえ。