ブラック・フライデーの恐怖!

ブラック・フライデーの恐怖!

ブラック・フライデーというのはセールで大混雑する日らしい。感謝祭のディナーのシーンがあったから、その頃か。これを見たのはデヴォン・サワが出ているらしいから。少し前NHKBSで「キャスパー」やったけど、あれでサワを見た時の衝撃は忘れられない。何とまあ清らかで美しいことよ。あれから何年たってるんだ?あれを期待しちゃいけない。いけないけど映画が始まってすぐ、え?これがサワ?このむさくるしいのが?とびっくり。もう40過ぎてるんだよな、仕方ないんだよな。ケン(サワ)は離婚したようだ。妻は再婚したが、彼は独身のまま。感謝祭だというのに二人の娘を元妻に預けて仕事だ。ウィー・ラブ・トイズという大型のおもちゃ店。午後9時に開店するらしく、すでに客が並んでいる。マネージャーのジョナサン(ブルース・キャンベル)は売り上げ増しか頭になくて、後でわかるがボーナスを払う気もなし。それどころか近いうちにみんなクビ?勤めて2年目のクリス(ライアン・リー)は潔癖症。運転免許は持ってないけどフォークリフトの練習はさせられたとか。ここらへんは伏線。口うるさいアニータ、老女のルース、しっかりしたアーチー(マイケル・ジェイ・ホワイト)、新入りのエメット。ヒロイン的位置のマーニーはイバナ・バケロ。この人どこかで見たような顔。「ネスト」に出ていたらしい。「パンズ・ラビリンス」にも?ああ私そういうの見ませんので。管理職ブライアンは・・女性じゃなくて男性か。ケンは仕事中に酒を飲んだり、ローラースケートみたいなのはいたり、古株だけにやりたいことやってる。異変は前夜セールの飾りつけしている時点で起きた。妙な生き物が床でウニョウニョ。従業員三人ほどがやられたはずだが、スルーされる。開店してお客がなだれ込み、おもちゃをあさり、レジに行列する・・ここらへんまではまあ普通に見ていられる。その後異変が起きたあたりから流れが悪くなる。何と言うかなめらかさがない。セリフとか演技とか見せ方とか、何となく変なのだ。ぎこちない。アイデアを練れなかった、練れるほどのアタマを持った脚本家がいなかった・・そんな感じ。見ていてもちっとも怖くないし、時々出てくるギャグもしょぼい。

ブラック・フライデーの恐怖!2

お客も従業員もどんどんゾンビ状態に。噛まれたり、シラタキみたいなのがペチャとくっついたりすると感染する。ケン達はスタッフルームに立てこもる。やっとパトカーが来てくれたと思ったら役立たず。外部がどうなってるのかは不明。テレビくらいあるでしょうに、ニュース見るとかもなし。こっちはこっちで何かやってて、あっちはあっちで何かやってて、全体的にはどうなってるのか不明。何でまあこんな気のかないシーンばかり続くのか。そのうちお定まりの告白ごっこ。こんなおしゃべりするくらいならまわりを調べて役に立ちそうなものないか捜すとか、生き延びるためのアイデア出し合うとか。暗いので何がどうなってるのかわかりにくい。トラックで逃げ出そうとなったり、いつの間にか屋上にいたり。こういう映画のお約束として、必ず自分の方から死にに行くのが出てくる。噛まれて死を覚悟したケンが実は感染してなかったとなるのもお約束。ここはよくわからないけど、ケンを気に入らないブライアンが陥れたってことなのかな。こういう状態で足の引っ張り合いやってることからして信じられないんだけど。そのブライアンは合体を重ねて巨大化した怪物を説得しようとして弾き飛ばされる。その彼がどうなったかマーニー達は調べようともしない。まだ生きてるかもしれないのに。これだけのことが起きているのに、店のまわりには野次馬もマスコミ連中もゼロ。ケンには二人の娘は避難して無事というメールが来る。避難所も設置されたらしい。クリスはフォークリフトを怪物にぶつけてやったけど、これでやられたのではあまりにも簡単すぎるな。まだやられてなかったけど、ケン達はもう怪物のことなんかどうでもよくて、さっさと車でここから離れる。何とまあほうりっぱなしもいいとこの終わり方。もっとも彼らには怪物を倒さなきゃならない義務なんか全くないんだけどさ。どんどん大きくなる怪物は何となく「ブロブ」思い出させる。正体は不明のままだけど、買い物客の怨念、売り手側の儲けたいという欲望、それらが凝り固まってああなったように思えた。不良品のクマのぬいぐるみが出てくるけど、声をやってるのはセス・グリーンらしい。