観相師

観相師

ネギョン(ソン・ガンホ)は息子のジニョン(イ・ジョンソク)、義弟のペンヨンの三人で筆を売って暮らしているが、生活は苦しい。官吏になれば災厄に見舞われるとネギョンは反対するが、ジニョンは家を出てしまう。その後ネギョンとペンヨンも都へ。ネギョンは観相術にすぐれ、たちまち評判となるが、やがて権力争いに巻き込まれていく。王の死後、あとを継いだ瑞宗はまだ11歳。彼を守ろうとするジョンソと、王座を狙う先王の弟・・瑞宗の叔父・・首陽大君。こんなところにいたらどっちについたって将来ろくなことにはならないに決まっている。さっさと逃げ出し、山奥にでもこもっていればよかったんだけど、それだと映画にならないから、ネギョンはジョンソ側につく。おまけに再会したジニョンは他人の名を借りて試験に受かり、下っ端とは言え官吏の道を歩み出していた。前半はところどころコメディーっぽいところもあり、見ていて楽しいが、何しろクーデターが起こってやられる側なので、ハッピーエンドにはなりそうもない。暗くて何が起こっているのかわからないことが多いが、それ以上に困るのはみんな同じような顔をしていること。この人はどっち側の人なんだ?と思いながら見ていることが多かった。とうとう首陽大君がクーデターを起こし、ジョンソを殺害。ネギョンは必死にジニョンを助け出そうとするが、残虐な首陽大君は、助けると思わせといて・・。見ている人全員何てひどいやつだ・・と彼を憎む。何しろジニョンやってるジョンソクは、まるで女性のように美しく清らかで。韓国の美形男優にはこういうタイプ多いな。絶対トイレなんか行かないし、オナラもゲップもしないし、スネ毛なんかとんでもない。いや、ファンはそう信じているから本人は大変だろうなってことですけど。話を戻して首陽大君のようなタイプは、その憎しみさえもエネルギーに変えてしまう。数年後には瑞宗も毒殺したらしい。演じているイ・ジョンジェは目元のあたりがやさしそうだが、それでいて限りなく残酷というのがよかった。王座を乗っ取るにはこれくらいエネルギーにあふれていないと無理って感じで。それでいて彼は病気にもなる。王座にいたのは14年くらいだったらしい。意外と短い。まあヨノンが言うようにいつでも細心の注意を払っていなければ、生き延びられない世界なんだと思う。ネギョン達は、うまく立ち回るにはあまりにも善良すぎた。